中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
経営法務 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和2年度(2020年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

会社法が定める株式会社の合併に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記がなされるまでは第三者に対抗することができない。
  • 吸収合併存続会社は、債権者異議手続が終了していない場合においても、合併契約に定めた効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。
  • 吸収合併存続会社は、私法上の権利義務のほか、吸収合併消滅会社が有していた行政機関による許認可などの公法上の権利義務についても、その権利義務の種類を問わず、当然に、その全てを吸収合併消滅会社から引き継ぐ。
  • 吸収合併における合併の対価は、株式に限られ、金銭を対価とすることはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

株式会社の合併に関する問題です。

選択肢1. 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記がなされるまでは第三者に対抗することができない。

適切です。

会社法第750条で「吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。」と定められています。

選択肢2. 吸収合併存続会社は、債権者異議手続が終了していない場合においても、合併契約に定めた効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。

不適切です。

債権者異議手続が終了していない場合は、合併契約に定めた効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継することができません。

選択肢3. 吸収合併存続会社は、私法上の権利義務のほか、吸収合併消滅会社が有していた行政機関による許認可などの公法上の権利義務についても、その権利義務の種類を問わず、当然に、その全てを吸収合併消滅会社から引き継ぐ。

不適切です。

行政機関による許認可などの公法上の権利義務については、当然に引き継ぐわけではありません。

選択肢4. 吸収合併における合併の対価は、株式に限られ、金銭を対価とすることはできない。

不適切です。

吸収合併における合併の対価は、株式だけでなく、金銭等でも可能です。

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02

正解は、「吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記がなされるまでは第三者に対抗することができない。」です。

選択肢1. 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記がなされるまでは第三者に対抗することができない。

正しいです。(会社法第750条)

選択肢2. 吸収合併存続会社は、債権者異議手続が終了していない場合においても、合併契約に定めた効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。

誤りです。規定された合併(組織変更)の施行日までに債権者保護手続きが完了していない場合、当該合併は効力を発生しません。

選択肢3. 吸収合併存続会社は、私法上の権利義務のほか、吸収合併消滅会社が有していた行政機関による許認可などの公法上の権利義務についても、その権利義務の種類を問わず、当然に、その全てを吸収合併消滅会社から引き継ぐ。

誤りです。行政機関による許認可については個別に届出が必要な場合があり、当然に継承されるわけではありません。

選択肢4. 吸収合併における合併の対価は、株式に限られ、金銭を対価とすることはできない。

誤りです。吸収合併における合併の対価には、存続会社の株式だけでなく、現金や新株予約権なども認められています。

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03

会社法が定める株式会社の合併に関する問題です。

選択肢1. 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記がなされるまでは第三者に対抗することができない。

正解の選択肢となります。

選択肢2. 吸収合併存続会社は、債権者異議手続が終了していない場合においても、合併契約に定めた効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。

吸収合併の効力は、債権者異議手続を終了しなければ発生しません

 

吸収合併においては債権者異議手続を履行することが必要ですが、「債権者異議手続が終了していない場合においても」という表現に違和感を感じて選択肢から排除することができれば十分です。

選択肢3. 吸収合併存続会社は、私法上の権利義務のほか、吸収合併消滅会社が有していた行政機関による許認可などの公法上の権利義務についても、その権利義務の種類を問わず、当然に、その全てを吸収合併消滅会社から引き継ぐ。

吸収合併存続会社は、私法上の権利義務のほか、吸収合併消滅会社が有していた行政機関による許認可などの公法上の権利義務についても、その権利義務の種類を問わず、当然に、その全てを吸収合併消滅会社から引き継ぐわけではありません

 

権利義務の種類を問わず、当然に」という表現に、違和感を感じて選択肢から排除することができれば十分です。

選択肢4. 吸収合併における合併の対価は、株式に限られ、金銭を対価とすることはできない。

吸収合併における合併の対価は、株式の他に金銭とすることもできます

 

原則は株式ですが、対価の柔軟化により金銭や社債、現物なども対価となり得ます。

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