中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
経営法務 問17

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和2年度(2020年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の会話は、株式会社Pの代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
なお、空欄Cは、設問ではなく、あえて空欄としているものであり、解答する必要はない。

甲氏:「弊社は、[ A ]として、α国のQ社との間で売買契約を締結する予定です。Q社から提示された売買契約書案には、以下のような条項があるのですが、変更を申し入れる必要はありませんか。
In no event shall the liability of the Seller for breach of any contractual provision relating to the Goods exceed the purchase price of the Goods quoted herein. Any action resulting from any breach by the Seller must be commenced by the Buyer within two weeks after the Goods are delivered.」
あなた:「この規定は、御社にとって、不利益な条項となっております。例えば、[ B ]という点があります。」
甲氏:「ありがとうございます。以下の規定は、どのような内容のものですか。This Agreement shall be governed by and construed in accordance with
the[ C ].」
あなた:「この規定は、[ D ]に関する規定です。[ E ]。全体にわたって相談が必要でしたら、弁護士を紹介することは可能です。」
甲氏:「ぜひ、よろしくお願いいたします。」

会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • A:売主 B:買主の契約違反に対する訴訟提起の期間が短い
  • A:売主 B:買主の賠償の上限が商品の購入価格とされている
  • A:買主 B:売主の契約違反に対する訴訟提起の期間が短い
  • A:買主 B:売主の賠償の上限が現実に生じた損害に限定されている

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、3.です。


英文を和訳すると、『いかなる場合においても売主の契約違反・不履行による責任は、当契約で見積もられる購入価額を上回ることはない。売主による契約違反・不履行に基づくいかなるアクションも商品を受領してから2週間以内に買主により開始されなければならない』です。
※In no event shall S(主語) V(動詞)~ :いかなる場合でもSはVしない

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02

英文を和訳すると、「いかなる場合も、商品に関する契約条項の違反に対する売り手の責任は、ここに見積もられた商品の購入価格を超えないものとします。売り手の違反に起因する訴訟は、商品の引渡し後2週間以内に買い手によって開始されなければなりません。」

すなわち、売主の責任の範囲を設定し、売主が買主の訴訟期限を設定しています。

先方から提示されたとのことですので、相手が売主、P社は買主といえます。

選択肢1. A:売主 B:買主の契約違反に対する訴訟提起の期間が短い

上記説明より、不適切です。

選択肢2. A:売主 B:買主の賠償の上限が商品の購入価格とされている

上記説明より、不適切です。

選択肢3. A:買主 B:売主の契約違反に対する訴訟提起の期間が短い

正解です。

選択肢4. A:買主 B:売主の賠償の上限が現実に生じた損害に限定されている

上記説明より、不適切です。

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03

英文契約に関する問題です。経営法務では、例年2マーク出題されます。

 

空欄Bの正答のポイントは、「breach」という英単語が分かれば2択に絞り込むことができます。英語に抵抗感がない受験生の方は、空欄Bから選択肢を絞り込むのが良いでしょう。

 

空欄Aは、中小企業診断士であるあなたの発言「この規定は、御社にとって、不利益な条項となっております」が正答のポイントとなります。不利益な条項の根拠は、その直前の英文3行の後半部分「Any action~」に示されています。

選択肢1. A:売主 B:買主の契約違反に対する訴訟提起の期間が短い

不適切な選択肢です。

選択肢2. A:売主 B:買主の賠償の上限が商品の購入価格とされている

不適切な選択肢です。

選択肢3. A:買主 B:売主の契約違反に対する訴訟提起の期間が短い

正解の選択肢となります。

選択肢4. A:買主 B:売主の賠償の上限が現実に生じた損害に限定されている

不適切な選択肢です。

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