中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
経営情報システム 問24

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和2年度(2020年) 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の a ~ d は、分析したい状況に関する記述である。それぞれの状況において、どのような分析手法が適切か。最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a ある企業には3つの事業部がある。事業部ごとの売上高利益率の日次データが与えられている。この3つの事業部で売上高利益率に差異が見られるのかを検討したい。
b ある商品の売上高の日次データと、その商品の売上高に関係があると想定されるいくつかの変数のデータがある。どの変数が売上高にどの程度寄与しているのかを検討したい。
c 数千人の顧客について、属性データ(男女・所得・購入履歴など)や趣味・嗜好に関するデータがある。顧客の特性にあったマーケティング活動をしたいので、顧客を分類したい。
d Webサイトの候補として2つのパターンがある。どちらのパターンを採用するかを決めたい。
  • a:判別分析 b:回帰分析 c:コンジョイント分析 d:A/B分析
  • a:判別分析 b:相関分析 c:コンジョイント分析 d:アクセス分析
  • a:分散分析 b:回帰分析 c:クラスター分析   d:A/B分析
  • a:分散分析 b:相関分析 c:クラスター分析   d:アクセス分析

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この過去問の解説 (3件)

01

統計解析における分析手法がどういったときに用いられるのかを問う問題です。

a 本問では判別分析分散分析かを聞いています。

判別分析は、データが異なるグループがある中で、新しいデータがどのグループに属するかを分析します。

分散分析は、2つ以上の標本に差があるのかどうかをみるためのものです。

本問にいては、分散分析が正しいです。

b 回帰分析相関分析かを問う問題です。

相関分析は、2つの変量が1つが変化したときもう一方も変化するときの関係性を明らかにします。

回帰分析は、Aという事象が起きた結果として、Bという事象が起きることの因果関係を明らかにします。

相関分析と回帰分析は少し混同されてしまいがちですが、Aの結果としてBが起きるのが回帰分析ということをしっかりと覚えておくといいと思います。

本問では、どの程度寄与するのかを聞いていますので、回帰分析です。

c コンジョイント分析クラスター分析かを問う問題です。

コンジョイント分析は、商品開発の際に各商品の要素を多変量解析で分析し、どのコンセプトをどのように改良することで顧客に受け入れられるかを評価する分析手法です。

クラスター分析は、各データの類似性をもとに、集団(クラスター)毎に分類する手法です。

本問では、顧客を分類するとありますので、クラスター分析です。

d A/B分析アクセス分析かを問う問題です。

A/B分析は、WEBページのAパターン、Bパターンのどちらが良いかを判断します。

アクセス分析は、WEBページにアクセスする行動や属性を分析するものです。

本問では、A/B分析が正解です。

よって、正解は3

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02

分析手法に関する記述として、最も適切なものを選びます。

それぞれの分析手法関する説明は以下の通りです。

判別分析:統計上のデータ解析手法の一つ。データにおいて、いくつかのグループが存在するとき、新しいデータがどのグループに属するかを判別する方法です。

回帰分析:ある要因(変数)が結果にどの程度影響を及ぼすかを分析する手法です。問題文bがこれにあたります。

コンジョイント分析:商品やサービスの内容を要素に分け、各要素が商品全体のどの程度影響を与えているかを分析する手法です。

A/B分析:一部分を変更したサンプルAとサンプルBを比較し、どちらの方が良いかを比較する分析手法です。問題文dがこれにあたります。

相関分析2つのデータの関係性(相関)を分析する手法です。

アクセス分析Webサイトに訪れる人の行動や属性を分析する手法です。

分散分析:データのばらつき度合いを分析する手法です。問題文aがこれにあたります。

クラスター分析:様々な要素のあるデータから似たような性質を持つものを集めて分析する手法です。問題文cがこれにあたります。

以上より、選択肢3が最も適切であると判断できます。

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03

統計や検定についての知識を問う問題です。

 

a

「この3つの事業部で売上高利益率に差異が見られるのかを検討したい。」という目的に合致するのは、3群以上の平均値を検定する分散分析です。

 

b

特定の変数の変動が他の変数の変動に関係しているのかを分析するのは回帰分析です。

 

c

属性データという大きな集団の中を顧客の特性にあったグループに分類する手法はクラスター分析です。

 

d

2つのパターンから効果の高い方を選ぶのはA/B分析です。

 

正しい選択肢の組み合わせは a:分散分析 b:回帰分析 c:クラスター分析 d:A/B分析 です。

選択肢1. a:判別分析 b:回帰分析 c:コンジョイント分析 d:A/B分析

本選択肢は不正解です。

選択肢2. a:判別分析 b:相関分析 c:コンジョイント分析 d:アクセス分析

本選択肢は不正解です。

選択肢3. a:分散分析 b:回帰分析 c:クラスター分析   d:A/B分析

本選択肢が正解です。

選択肢4. a:分散分析 b:相関分析 c:クラスター分析   d:アクセス分析

本選択肢は不正解です。

まとめ

補足説明として相関分析とコンジョイント分析について簡単に解説します。

相関分析とは、2つの変数の間の関係を分析するものです。正の相関または負の相関、2つの変数の間には関係はないというように分析します。

コンジョイント分析とは、商品やサービスが持つ特性を各要素としてとらえて、各要素が顧客の購買意欲にどの程度影響を与えるのかを分析するものです。

 

本問で問われているのは基本的な範囲の知識であるため、すべての選択肢を判断できた方が望ましいですが、それが難しくてもいくつかの選択肢の判断ができれば正答することは可能でした。

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