中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
中小企業経営・中小企業政策 問12
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和2年度(2020年) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
中小企業の事業承継を円滑に進めるために、①経営の担い手を確保する重要性が高まっている。
中小企業庁が2016年に策定した「事業承継ガイドライン」では、事業承継の類型として、親族内承継、役員・従業員承継、社外への引継ぎの3つを示し、②事業承継の形態ごとの特徴を指摘している。
また、中小企業庁の分析によれば、3つの事業承継の形態に応じて、事業承継した経営者が、後継者を決定する上で重視した資質・能力や有効だと感じた後継者教育にも違いがある。
中小企業診断士をはじめとする支援者が、中小企業の円滑な事業承継を支援するためには、事業承継の形態ごとの、このような特徴や違いも十分に理解したうえで、取り組むことが必要である。
文中の下線部②について、中小企業庁「事業承継ガイドライン」に基づき、事業承継の形態別のメリットを見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。
中小企業の事業承継を円滑に進めるために、①経営の担い手を確保する重要性が高まっている。
中小企業庁が2016年に策定した「事業承継ガイドライン」では、事業承継の類型として、親族内承継、役員・従業員承継、社外への引継ぎの3つを示し、②事業承継の形態ごとの特徴を指摘している。
また、中小企業庁の分析によれば、3つの事業承継の形態に応じて、事業承継した経営者が、後継者を決定する上で重視した資質・能力や有効だと感じた後継者教育にも違いがある。
中小企業診断士をはじめとする支援者が、中小企業の円滑な事業承継を支援するためには、事業承継の形態ごとの、このような特徴や違いも十分に理解したうえで、取り組むことが必要である。
文中の下線部②について、中小企業庁「事業承継ガイドライン」に基づき、事業承継の形態別のメリットを見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。
- 「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外部に求めることができ、「役員・従業員承継」は、長期の準備期間の確保が可能であり所有と経営の一体的な承継が期待できる。
- 「親族内承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、「役員・従業員承継」は、経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができる。
- 「親族内承継」は、後継者の社内経験にかかわらず経営方針等の一貫性を保ちやすく、「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外部に求めることができる。
- 「役員・従業員承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、「社外への引継ぎ」は、経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
2019年版 中小企業白書 第2部 第1章 経営資源の引継ぎからの出題です。
事業承継のパターンには3つあります。
親族内承継 現経営者の子をはじめとした親族に承継させる方法です
メリットは以下の3つです。
内外の関係者から心情的に受け入れられやすい
長期の準備期間の確保が可能である
所有と経営の一体的な承継が期待できる
役員・従業員承継 「親族以外」の役員・従業員に承継する方法
メリット
能力のある人材の見極めが可能
経営方針等の一貫性を保ちやすい
社外への引継ぎ M &A など株式譲渡や事業譲渡等により承継を行う方法
メリット
広く候補者を外部に求めることができる
現経営者は会社売却の利益を得ることができる
1 間違い
長期の準備期間の確保が可能であり、所有と経営の一体的な承継が期待できるのは、親族内承継です。
2 正しい
上記参照
3 間違い
後継者の社内経験にかかわらず経営方針等の一貫性を保ちやすいのは、役員・従業員承継です。
4 間違い
一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすいのは、親族内承継です。
経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができるのは、役員・従業員承継です。
よって、正解は2
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02
2019年版中小企業白書の第2部経営者の世代交代を参考に解説します。
事業承継の形態は3つに分類されています。
それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
1.社外への引継ぎ
・株式譲渡や事業譲渡などにより承継を行います。
・親族や社内に適任者がいなくとも広く候補者を外部に求めることができます。
・会社売却の利益を得られます。
2.親族内承継
・現経営者の子をはじめとした親族に承継させます。
・内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、後継者を早くから育成することができます。
・所有と経営の一体的な承継が図れます。
3.役員・従業員承継
・親族以外の役員・従業員に承継させます。
・経営者として適任か見極めて承継することができます。
・長期間勤務している役員・従業員であれば経営方針等の一貫性を保てます。
上記をふまえて各選択肢を見ていきます。
長期の準備期間の確保が可能であり所有と経営の一体的な承継が期待できるのは、「親族内承継」であるため本選択肢は不正解です。
それぞれの承継方法の特徴として適切であるため、本選択肢が正解です。
経営方針等の一貫性を保ちやすくなるのは、後継者の社内勤務期間が長い場合であるため、本選択肢は不正解です。
それぞれの形態の特徴が逆であるため、本選択肢は不正解です。
2019年版中小企業白書では、経営者の引退前後で、生産活動が停止せずに連続して事業が行われることを事業承継としています。
経営者の引退によって生産活動が一時的に停止し、その後誰かが生産活動を再開させることは事業承継とはみなされていません。
経営資源も当然に引き継がれるとされています。
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03
事業承継ガイドラインに関する記述として、最も適切なものを選びます。
このデータは2019年版中小企業白書第2部 第1章 経営資源の引継ぎから見ることができます。以下のURLで見ることができます。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf
事業承継の形態別のメリットは、
社外への引継ぎ:親族や社内に適任者がいない場合でも、広く候補者を外部に求めることができ、また、現経営者は会社売却の利益を得ることができる
親族内承継:一般的に他の方法と比べて、内外の関係者から心情的に受け入れられやすいこと、後継者の早期決定により長期の準備期間の確保が可能であること、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため所有と経営の一体的な承継が期待できること
役員・従業員承継:経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができること、社内で長期間働いてきた従業員であれば経営方針等の一貫性を保ちやすい
と記載されています。
よって、選択肢2が最も適切であると判断できます。
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