中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
中小企業経営・中小企業政策 問34
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和2年度(2020年) 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者が廃業や退職に備え、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておくための共済制度で、いわば「経営者の退職金制度」である。
小規模企業共済制度に関して、下記の設問に答えよ。
この制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
小規模企業共済制度に関して、下記の設問に答えよ。
この制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 掛金総額の10倍以内の範囲で事業資金の貸付制度を利用できる。
- 共済金の受け取りは一括・分割どちらも可能である。
- その年に納付した掛金は、課税所得金額に税率を乗じて計算した税額から全額控除できる。
- 月々の掛金は定額10,000円である。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
小規模企業共済制度は、設問にある通り、小規模企業の経営者が廃業や退職に備え、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておくための共済制度です。経営者の退職金制度といえます。掛金を積み立てることで、廃業、死亡、老齢(65歳以上で15年以上掛金を納付した場合)または役員を退職した場合に掛金の月額・納付月数に応じ掛金が支払われます。
対象者は、下記の通りです。
・常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主、共同経営者、会社役員、協業組合の役員
(サービス業の場合は娯楽業・宿泊業を除く)
・常時使用する従業員の数が5人(商業、サービス業(娯楽業・宿泊業以外))以下の個人事業主、共同経営者、会社役員
・事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員
・常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
掛金は、月額1,000円~70,000円の範囲内で自由に定めることができます。
小規模企業共済制度を利用するメリットは次の通りです。
・その年の掛金はその年分の総所得金額から全額所得控除できる
・共済金の受け取りは一括、分割、併用から選ぶことができる
・納付した掛金合計額の範囲内で事業資金の貸付けを受けることができる
各選択肢の解説は次の通りです。
1→誤りです。事業資金の貸付制度は掛金総額の10倍ではなく掛金総額の範囲内で受けることができます。
2→正解です。共済金の受け取りは一括・分割どちらも可能です。さらに併用を選ぶこともできます。
3→誤りです。「課税所得金額に税率を乗じて計算した税額」ではなく、「総所得金額」から全額所得控除できます。
4→誤りです。月々の掛金は1,000~70,000円の範囲内で500円きざみで自由に選ぶことができます。
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02
小規模企業共済制度以外に、従業員を対象にした中小企業退職金共済制度と、取引先の倒産時に貸付けが受けられる経営セーフティ共済の3つを試験対策上押さえていると思いますが、これら3つの内容を混同しないように気を付けましょう。
経営セーフティ共済の内容です。
正解の選択肢となります。
全額を「所得」控除できる。が正解となります。言葉上は微妙な違いなので引っ掛け問題としては作りやすく、気を付けましょう。
所得控除:所得税の額を算出する際、所得から一定の金額を差し引くことです。所得税が小さくなれば、納税者の負担も軽減されます。
税額控除:課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額から、一定の金額を控除することです。
月々の掛金は定額ではなく、1,000~70,000円の間で加入者が任意に選択することができます。
【参考サイト】税額控除と所得控除との違い(マネーフォワード)
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/52228/
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03
小規模企業共済制度の特徴から本問の関係する内容を確認します。
・掛金月額は1,000円〜70,000円の範囲内で500円単位で任意に設定できます。
・掛金は税法上、全額を小規模企業共済等掛金控除として総所得金額から控除できます。
・共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」のいずれも可能です。
上記をふまえて各選択肢を解説します。
選択肢のような貸付制度があるのは中小企業倒産防止共済制度であるため、本選択肢は不正解です。
本選択肢が正解です。
総所得金額から全額控除できるため、本選択肢は不正解です。
月々の掛金は、1,000円から70,000円の範囲で500円単位で自由に設定できるため、本選択肢は不正解です。
本問で取り上げられた小規模企業共済制度、中小企業倒産防止制度のどちらも出題される可能性が高い論点であるため、主な特徴は学習しておきましょう。
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