問題
a 予算制約線Aから予算制約線Bへの変化は、X財の価格の上昇によるものである。
b 予算制約線Aから予算制約線Bへの変化は、Y財の価格の上昇によるものである。
c 点Eから点Fへの変化は、代替効果と呼ばれている。
d 点Eから点Gへの変化は、代替効果と呼ばれている。
予算制約線と無差別曲線についての出題です。
a 間違い
予算制約線がAからBに変化している場合で、X剤(X軸)の切片に変化はありませんので、X財の価格は変わっていません。
b 正しい
予算制約線がAからBに変化している場合では、Y財の購入できる量が減った=Y財の価格が上がったということです。
c 間違い
点Eから点Fへの変化は、所得効果と代替効果によるものです(全部効果)。
d 正しい
点Eから点Gへの変化は同一の無差別曲線に接する代替効果です。
よって、正解は、4(bとd)です。
【基礎知識】
X財の価格をPx、Y財の価格をPy、所得をI(定数)とすると、貯蓄を考えない場合、
Px×X(数量) + Py×Y(数量) = I
の式が成り立ちます。X財、Y財しか存在しない場合、この式を満たすX、Yの組み合わせが最大限買うことのできる数量の組み合わせとなります。また、
Y = - Px/Py X + I
と変形すると、価格は正であるため、右下がりの予算制約線を作ることができます。無差別曲線は右上に行けば行くほど効用が高くなりますので、予算制約線に接する=予算制約線の傾き(-Px/Py)と無差別曲線の接線の傾きが等しいときに効用が最大化されます。
予算制約線の傾きは -Px/Py ですので、Pxの上昇もしくはPyの下落によってPx/Pyが大きくなり、傾きが急になることがわかります。
今、仮に所得が上昇した場合の変化を考えます。所得が上昇しても価格は変わらないため、予算制約線の傾きは変わりませんが、購入できる数量が増えます。結果、予算制約線は傾きがそのままで右上に移動し、無差別曲線との接点も問題のF点を当初とすると、Gへ移動します。所得による動きになりますので、これを所得効果と言います。これは財の価格の動きによっても実質所得(変える数量)が変わりますので所得効果は発生します。
一方で財の価格比率が変更になった場合に、効用水準を保つために財の消費量を変化させます。問題ではGからEの動きになります。これを代替効果と言います。
【選択肢評価】
a Y財を購入できる数量が減っていますので、Pyが上昇したことになります。よって誤り。
b 正しい
c EからFの変化は2つの効果が混ざっています。まず、EからGの代替効果、そしてGからFの所得効果になります。よって誤り。
d 正しい
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
正解です。