中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
経済学・経済政策 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和3年度(2021年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
下図によって独占企業の利潤最大化を考える。Dは独占企業の市場需要曲線、MRは独占企業の限界収入曲線、MCは独占企業の限界費用曲線である。
この図に関する記述として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
この図に関する記述として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
- 社会的に望ましい生産量はQ0で実現し、そのときの総余剰は三角形ABEである。
- 生産量がQ1のとき、この独占企業の平均収入はP1である。
- 独占企業が利潤を最大化させるときの消費者余剰は台形AP2GFである。
- 独占企業の利潤を最大化する生産量はQ1である。
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この過去問の解説 (3件)
01
独占企業の利潤最大化についての出題です。
1 正しい
社会的に望ましい生産量は需要曲線と限界費用曲線の交点であるE点であり、生産量はQ0となります。その時の総余剰は三角形ABEです。
2 正しい
独占企業において、MR=MC(利潤最大)のとき、平均収入=価格はP1となります。
3 不適切
独占企業が利潤を最大化させるときの消費者余剰はAP1Fです
4 正しい
独占企業が利潤を最大化させる生産量はQ1です。
よって、不適切な3が正解となります。
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02
【基礎知識】
独占企業のモデルです。
通常完全競争の市場においては、需要曲線と供給曲線(限界費用MC曲線)が交わるところで価格が決定します。しかし企業は完全競争のため価格をコントロールできません。よって価格Pは所与のものとしてP=MCとなる水準で行動します。一方で独占企業はPに対するコントロール力を持っていますので、所与のPではなく、1単位販売したときの収入、つまり限界収入(MR)になります。よってMR=MCとなる点で生産を行うことになります。
当問題では、交点はGとなりますので、生産量がQ1に決定します。価格はあくまで需要曲線で決まりますので、Q1のときはP1が価格となります。
--------------数学的には-------------------
価格をP、数量をXとすると、需要曲線は定数a、bを用いて、
P=-aX+b と表すことができます。
総収入は価格×数量、つまり、PXとなります。Pは市場で決まらないためP=-aX+bを代入すると、
収入=-aX2+bXとなります。限界収入はこれを微分することで求めることができますので、
MR=-2aX+bとなります。
また、MC=C‘(X)となりますので、-2aX+b=C’(X)を解いたXが数量になります。
社会的に望ましいとは、余剰が最大化することになります。この場合、三角形ABEが最大化するため、正しい。これは、完全競争のケースとなります。
需要曲線との交点からP1が価格になりますので、正しい。
消費者はP1の価格で買っていますので、AP1Fが消費者余剰になるため、誤り。
MR=MCでその時の生産量はQ1で正しい。
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03
独占企業の利潤最大化に関する問題です。
適切です。
市場需要曲線Dと独占企業の限界費用曲線MCの交点が社会的に望ましい状態で、その時の生産量はQ0で実現し、総余剰は三角形ABEとなります。
適切です。
生産量がQ1のとき、市場需要曲線Dの価格はP1です。
不適切です。
独占企業の利潤を最大化するときは、独占企業の限界収入曲線MRと独占企業の限界費用曲線MCの交点となる時ですので、生産量はQ1です。
その時の市場需要曲線Dの価格はP1ですので、消費者余剰は三角形AP1Fとなります。
適切です。
独占企業の利潤を最大化するときは、独占企業の限界収入曲線MRと独占企業の限界費用曲線MCの交点となる時ですので、生産量はQ1です。
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