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中小企業診断士の過去問 令和3年度(2021年) 財務・会計 問21

問題

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D社の次期( 第2期 )末の予想配当は1株44円である。その後、次々期( 第3期 )末まで1年間の配当成長率は10%、それ以降の配当成長率は2%で一定とする。なお、自己資本コストは10%である。
当期( 第1期 )末の理論株価として、最も適切なものはどれか。
   1 .
540円
   2 .
590円
   3 .
645円
   4 .
649円
( 中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和3年度(2021年) 問21 )
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この過去問の解説 (2件)

14

この問題は、割引配当モデルについての出題です。

問題は二次試験にも関連する可能性もありますので、じっくり理解しておいた方が良いでしょう。

ただし、計算が難解で本試験ではかなりの時間を奪われる問題となるでしょう。

本試験ではある程度時間との兼ね合いで見切りも必要だと思います。

まず、第3期までの予想配当額は以下の通りです。

1年後 44円

2年後 44円×110%=48.4円

次に第3期末の理論株価を「低率成長配当割引モデル」で計算します。

第3期末の理論株価=(44円×110%×102%)÷(10%-2%)=617.1円

さらに、予想配当額と理論株価を割引計算で現在の理論株価を算出します。

44円÷110%+(48.4円+617.1円)÷(110%)2=590円

よって、正解は2

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4

【基礎知識】

この問題は配当割引モデルによる株価の算出問題になります。株価を無視すると、配当金の合計の現在価値が株価と考えることができます。

このモデルには2つあって、定額で配当が入る場合と一定比率で配当が成長するケースがあります。

・定額の場合

 仮に毎年定額で永久にAの配当金が入るとします。資本コストを10%とすると、

 1年後の配当金の現在価値 A/(1+0.1)

 2年後の配当金の現在価値 A/(1+0.1)

 3年後の配当金の現在価値 A/(1+0.1)

 ・・年後の配当金の現在価値 A/(1+0.1)・・

 この合計をKaとすると

 Ka = A/(1+0.1)+A/(1+0.1)+A/(1+0.1)+・・+A/(1+0.1)・・・・・

 (1+0.1)×Ka = A+A/(1+0.1)+A/(1+0.1)+・・+A/(1+0.1)・・・・・

 2つの式を引くと

 -0.1Ka = -A

 よってKa = A/0.1 となります。

 つまり、配当金Aのときに、資本コストをrとすると、理論株価はA/r となります。

・定率場合の場合

 定額の場合のケースで、配当金がg%ずつ成長していくとします。

 同じように算出すると

 Ka = A/(1+0.1)+A(1+g)/(1+0.1)+A(1+g)/(1+0.1)+・・+A(1+g)・・/(1+0.1)・・・・・

(1+0.1)/(1+g)×Ka = A/(1+g)+A/(1+0.1)+A(1+g)/(1+0.1)+・・+A(1+g)・・-1/(1+0.1)・・-1 ・・・

 式を引くと

 (1-(1+0.1)/(1+g))Ka = ‐A/(1+g)

 Ka = A/(0.1-g)となる。

 つまり、配当金A、一定成長率(g)、資本コストをrとすると理論株価はA/(r-g)となります。

【選択肢評価】

配当割引モデルですが、3期までと、4期以降で成長率の異なる一定成長モデルとなります。配当金の合計の現在価値が理論株価になるのは同じですので、理論株価=3期までの配当金合計の現在価値+4期以降の配当金合計の現在価値となります。

3期までの配当金合計の割引価値ですが、10%の成長率で計算をします。

 44/(1+0.1) + 44(1+0,1)/(1+0.1)

 =80

4期以降は一旦4期を1期と考えて、10%で一定成長率の配当割引モデルで理論株価を計算し、それを(1+0.1)で割り引くことで求めることができます。

 4期目の配当金は

  44×(1+0.1)×(1+0.02)  となります。

 ここから2%成長していきますので、

  44×(1+0.1)×(1+0.02) / (10% - 2%) =617.1 となります。

 これを(1+0.1)で割り引くと

  510

 

 よって510+80=590となります。

選択肢1. 540円

上記説明より、不適切です。

選択肢2. 590円

正解です。

選択肢3. 645円

上記説明より、不適切です。

選択肢4. 649円

上記説明より、不適切です。

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