中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
企業経営理論 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和3年度(2021年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章の空欄に入る数値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

業界全体の成長率は、当該業界における競争状況や収益性に影響を与えることから、競争戦略を考える上で重要な要因の1つである。
X業界における2018年度の販売金額は1,000億円で、2020年度の販売金額は1,440億円であった。この間のX業界の年平均成長率( CAGR )は、(   )%である。
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  • 20
  • 22
  • 29.3
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この過去問の解説 (4件)

01

年平均成長率CAGR Compound Annual Growth Rate)の計算方法の理解を問う問題です。

CAGRとは、企業の複数年の成長率から、1年あたりの平均を求めたものをいいます。

言い換えると、毎年同じ割合で成長したケースでの成長率を表します。

問題に当てはめると、毎年xの成長率とすると、

1,000億円×x(2019年度)×x(2020年度)=1,440億円

x^2=1.44  ※「^(ハットキャレット)」は累乗の記号です

x=1.2

と求められ、年平均成長率は20%になります。

参考になった数23

02

正解は、「20」です。

【基礎知識】

CAGRとは、複数年にわたる成長率から平均成長率を求めたものになります。

2年間の成長率を考えます。この時、1年の平均成長率を

(1,440億円-1,000億円)÷ 1,000億円

=44%

よって、44% ÷ 2 = 22% としてしまうと誤りです。

ここで、2018年度の販売金額がスタートになっていますので、2019年度、2020年度の2年度の成長率を考える点に気を付けてください(18、19、20年度の3ではありません)。

平均成長率をXとすると、以下のように複利計算のような考え方をする必要があります。

1,000億円:2018年度 → 1,000億円×(1+X):2019年度 → 1,000億円×(1+X)×(1+X):2020年度

つまり、

1,000億円×(1+X)×(1+X)=1,440億円

となりますので、これを求めると、

(1+X)×(1+X)=1,440/1,000=1.44

1.44=1.2×1.2ですので、

1+X=1.2 より、

X=0.2 つまり、

20%となります。

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03

年平均成長率( CAGR )に関する問題です。

正解は2です。

年平均成長率とは、企業の複数年の成長率から求めた1年当たりの幾何平均です。

問題の金額を当てはめると

1,000億円 × (1+年平均成長率)(2019年)×(1+年平均成長率)(2020年)= 1,440億円

(1+年平均成長率)(2019年)×(1+年平均成長率)(2020年)= 1.44

(1+年平均成長率)= √1.44 = 1.2

年平均成長率 = 0.2 = 20%

となり、2が正解となります。

参考になった数4

04

年平均成長率(CAGR)に関する問題です。

 

与件文より、2018年度から2020年度までの2年間で、販売金額は1,000億円から1,440億円と440億円増加しています。

X業界は2年間で440億円分成長していますが、この複数年における平均成長率を求めるのがCAGRです。

 

一般的に、ビジネスの世界では年平均成長率は複利計算によって求めます。

以上から、1,000×(1+x)×(1+x)=1,440となるように求める必要があります。(CAGR=xと置きます)

 

上記式を展開すると、(1+x)2=1.44、次いで(1+x)=1.2と求まります。

なお、1.2×1.2で1.44になります。

選択肢1. 14.7

不適切な選択肢です。

選択肢2. 20

正解の選択肢となります。

選択肢3. 22

不適切な選択肢です。

選択肢4. 29.3

不適切な選択肢です。

選択肢5. 44

不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

年平均成長率(CAGR)の数値を手計算で求めさせるのは、本来は財務会計で出題されるべきである上に、手計算で複利計算しなければならないため、電卓が使用できない一次試験の問題としては難易度が高いと思われます。

 

複利計算の方法を知っておくべきかどうかについては、この手の出題はめったにないと思われますので習得する必要はないと考えます。

 

解説で1.2×1.2=1.44になることを説明していますので、次に同様の問題が出題された場合は各選択肢の数字を2回(3年間の設定であれば3回)掛けて与件文の数値と一致しているかどうかで正誤判断するという方法もあります。

(単位の置き換えがやや面倒になりますが、20%であれば1.2に置き換えて計算することになります)

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