問題
業界全体の成長率は、当該業界における競争状況や収益性に影響を与えることから、競争戦略を考える上で重要な要因の1つである。
X業界における2018年度の販売金額は1,000億円で、2020年度の販売金額は1,440億円であった。この間のX業界の年平均成長率( CAGR )は、( )%である。
年平均成長率( CAGR :Compound Annual Growth Rate)の計算方法の理解を問う問題です。
CAGRとは、企業の複数年の成長率から、1年あたりの平均を求めたものをいいます。
言い換えると、毎年同じ割合で成長したケースでの成長率を表します。
問題に当てはめると、毎年xの成長率とすると、
1,000億円×x(2019年度)×x(2020年度)=1,440億円
x^2=1.44 ※「^(ハットキャレット)」は累乗の記号です
x=1.2
と求められ、年平均成長率は20%になります。
年平均成長率( CAGR )に関する問題です。
正解は2です。
年平均成長率とは、企業の複数年の成長率から求めた1年当たりの幾何平均です。
問題の金額を当てはめると
1,000億円 × (1+年平均成長率)(2019年)×(1+年平均成長率)(2020年)= 1,440億円
(1+年平均成長率)(2019年)×(1+年平均成長率)(2020年)= 1.44
(1+年平均成長率)= √1.44 = 1.2
年平均成長率 = 0.2 = 20%
となり、2が正解となります。
正解は、「20」です。
【基礎知識】
CAGRとは、複数年にわたる成長率から平均成長率を求めたものになります。
2年間の成長率を考えます。この時、1年の平均成長率を
(1,440億円-1,000億円)÷ 1,000億円
=44%
よって、44% ÷ 2 = 22% としてしまうと誤りです。
ここで、2018年度の販売金額がスタートになっていますので、2019年度、2020年度の2年度の成長率を考える点に気を付けてください(18、19、20年度の3ではありません)。
平均成長率をXとすると、以下のように複利計算のような考え方をする必要があります。
1,000億円:2018年度 → 1,000億円×(1+X):2019年度 → 1,000億円×(1+X)×(1+X):2020年度
つまり、
1,000億円×(1+X)×(1+X)=1,440億円
となりますので、これを求めると、
(1+X)×(1+X)=1,440/1,000=1.44
1.44=1.2×1.2ですので、
1+X=1.2 より、
X=0.2 つまり、
20%となります。