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中小企業診断士の過去問 令和3年度(2021年) 企業経営理論 問7

問題

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競争戦略に関する事項の説明として、最も適切なものはどれか。
   1 .
M.ポーター( M.Porter )によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コスト化の実現と製品差別化の同時追求にあり、製品差別化と結びつかない低コスト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略にはならない。
   2 .
ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲の経済」と呼ばれており、コスト・リーダーシップの基盤となる。
   3 .
経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。
   4 .
製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違いに価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えない。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きくなる。
   5 .
製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上澄み価格政策」が有効である。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和3年度(2021年) 問7 )
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この過去問の解説 (3件)

14

ポーターの競争戦略に関する問題です。

正解は3です。

1.× ポーターの競争戦略は、競争優位性とターゲットの2つの軸で分析を行い

①コストリーダーシップ戦略 ②差別化戦略 ③集中戦略 の3つに分類しています。

コスト・リーダーシップと差別化を同時追及すると、かえって競争優位は得られないとしています。

2.× ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「規模の経済」です。「範囲の経済」は、製品の多様化によって、シナジー効果で全体の費用が下がり、利益率が高まります。

3.〇 問題文の通りです。

4.× 当該商品の価格が低下しても、競合製品の需要が増えない(製品を切り替えない)時、「需要の交差弾力性」は小さい状況です。

5.× 大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める政策は「浸透価格戦略」です。「上澄み価格政策」は、価格を高く設定し、開発費用の早期回収を目指し、市場シェアを得ると価格を下げていく政策です。

付箋メモを残すことが出来ます。
4

競争選戦略に関する理解と問う問題です。

1.ポーターの3つの基本戦略とは、競合他社に打ち勝ち競争優位性を築くための経営戦略論であり、「コスト・リーダーシップ戦略」、「差別化戦略」、「集中戦略」の3つに分類されます。

2.範囲の経済とは、企業が複数の製品やサービスを生み出していくなかで費用の合計が、個々の製品やサービスよりも全体的な費用を抑えることができることを指します。コストリーダーシップとは、同種の製品を競合企業よりも低コストで生産することにより、早期に市場シェアを獲得することで、より生産量が上がり、同時に経験曲線効果も獲得することを指します。

3.経験効果(経験曲線効果)とは、製品の累積生産量が増加するに従い、製品1単位あたりの生産コストが一定の割合で減少していく生産量とコストの関係を示す効果のことを指します。

4.需要の交差弾力性とは、価格が一定額変化した場合、需要に与える変化の割合を指します。大きい場合は、価格が需要に与える影響が大きくなるが、製品の差別化が出来ていている場合は、競合価格が需要に影響しないため、交差弾力性は小さいことになります。

5.上澄み価格政策とは、新製品やサービスの導入時には、高価格を設定し、成長期に入った際に、徐々に価格を低下させる政策を指します。

したがって、正解は3です。

0

正解は、「経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。」です。

【基礎知識】

競争戦略の色々な知識が問われています。

ポーターは競争戦略において、戦略の優位性と戦略ターゲットを軸に3つの基本型をあげています。

①コストリーダーシップ ← 広い市場でコスト優位を築く戦略。背景には経験曲線効果、規模の経済があります。

・標的市場の広さ:広い

・差別化の内容:コスト

※経験曲線効果(経験効果)

 累積生産量が増えると、作業者の熟練や生産工程の改善等により、単位当たりのコストが減少する効果。販売量を増やすとコストが減少するため、コスト競争力が生まれます。

※規模の経済

 企業の規模や生産量が増大するにしたがって、平均費用(製品1単位当たりの生産コスト)が低減していきます。

(プラスα)範囲の経済:シナジーと似た概念。複数の事業活動を行うことで経済的な運営が可能になること。

②製品差別化 ← 広い市場で製品の品質、機能等で差別化。

・標的市場の広さ:広い

・差別化の内容:製品

③集中戦略 ※特に経営資源の乏しい小規模企業でとられる戦略です。

1)コスト集中戦略 ← 特定市場でコスト優位を築きます。

・標的市場の広さ:狭い

・差別化の内容:コスト

2) 差別化集中戦略 ← 特定市場で差別化を築きます。

・標的市場の広さ:狭い

・差別化の内容:製品

価格戦略についても触れます。

・スキミングプライス(上澄み価格戦略)

 スキミングとは“すくう”という意味です。利益をすくう価格設定ということになります。当初から高価格を設定し、高収益を上げて回収していきます。市場導入期やブランド構築できている場合に可能です。

・ペネトレーションプライス(市場浸透価格戦略)

 ペネトレーションとは“浸透”という意味です。比較的低価格で参入し、シェアを拡大して限界費用を引き下げていきます。規模の経済が働く場合や需要の価格弾力性が高い(金額が変わった時の需要の変動量が大きい)場合に有効です。

・コストプラス

 コストを踏まえて利益を上乗せして価格を決定します。一番オーソドックスな決定方法です。

選択肢1. M.ポーター( M.Porter )によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コスト化の実現と製品差別化の同時追求にあり、製品差別化と結びつかない低コスト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略にはならない。

誤り。ポーターの3つの基本型は同時追及するのではなく、環境に合わせて選択するものとしています。

選択肢2. ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲の経済」と呼ばれており、コスト・リーダーシップの基盤となる。

誤り。特定の製品の生産等の拡大とありますので、規模の経済のことです。

選択肢3. 経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。

正しい。記載の通りです。

選択肢4. 製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違いに価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えない。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きくなる。

誤り。需要の交差弾力性とは、ある商品Aが値上がり(値下がり)したとき、別の商品Bの需要がどれだけ増える(減る)かを数字で表したものです。大きくなると価格の変動で需要が離れることになります。

選択肢5. 製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上澄み価格政策」が有効である。

誤り。市場浸透価格戦略のことです。

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