正解は、「Cの発言:私は、日常の経営に携わっているわけではない。株主への配当がしっかりできるように経営してほしい。」です。
【基礎知識】
ファミリービジネスの本質を理解するために、スリーサークルモデルが使われます。
まさに問いの3つの円になりますが、円のそれぞれの部分に当てはまる代表的な立場は以下の通りです。
それぞれの立場で利害関係が異なります。よって、それぞれがそれぞれの立場を理解し、協調的に調整しながら発展していく必要があります。
1 オーナー社長、株を持つ親族の役員、社員
2 株、資産を持ち、従業員ではない親族
3 親族以外の株を持つ役員、従業員
4 株を持たない親族の役員、従業員
5 親族、社員以外の株主
6 一般役員、従業員
7 資産を持たず、役員、従業員ではない親族
これに当てはめると、問題のA~Eは、円の以下の部分に当てはまります。
A 2
B 4
C 2
D 1
E 2
選択肢1. Aの発言:大株主として、Bの親として、また日々の経営を任されたものとして今後は行動していかなければならない。
誤り。Aは2の立場ですが、発言内容は1になっています。
選択肢2. Bの発言:信頼できる右腕がいなかったことも失敗の大きな要因の1つなので、代表取締役の権限で、現在別の会社で働いている友人のF君を新たに専務取締役に決定する。
誤り。Bは4の立場ですが、オーナー(株主)の発言です。取締役の選任が株主総会の普通決議が必要です。
選択肢3. Cの発言:私は、日常の経営に携わっているわけではない。株主への配当がしっかりできるように経営してほしい。
正しい。Cはビジネスに関わっていないが、配当に対する要望を述べています。
選択肢4. Dの発言:私は、日々の経営には関心も責任もない。今までと同様に、今後もBの経営を株主としてしっかり監視する。
誤り。Dは専務取締役ですので、日々の経営に関心がないのはおかしい発言です。
選択肢5. Eの発言:次の株主総会でBが代表取締役社長に選ばれるかどうか心配であるが、私はBの母親というだけであって、株主総会で何もできない。
誤り。Eは株を所有していますので、株主総会で発言が可能です。