中小企業診断士の過去問 令和3年度(2021年) 企業経営理論 問14
この過去問の解説 (3件)
これはバーナードのリーダーシップ論に関する理解を問う問題です。
バーナードの示した権威とは、権威は組織のコミュニケーションにおいて、執行される権限であり、常に上級職からの指示として命令系統を通して部下に伝えられます。
またこのとき、上司からの命令を、部下が受け入れて初めて権威が確立されるとしています。
この権威を確立するための要件として、①命令が理解できること②組織の目的に矛盾していないこと③個人的利害が両立すること④精神的、肉体的に実行可能であることとされています。
したがって、正解は、1です。
「バーナードのリーダーシップ」に関する問題です。
バーナードは、一つの伝達が権威をもつかどうかは受け手の側が決定すると指摘し、組織で命令をしてもメンバーが受容しなければ権威は成立しないと指摘しています。
正解は1です。
1.〇問題文の通りです。
2.×権威は、参加者が伝達の内容を受容したことにより成り立ちます。
3.×無関心圏とは、合理的かどうかの判断を行わずに受け入れる領域を指し、その圏内では,命令は権威の有無が意識的に反問されません。
4.×職位の権威は、上位の職位からの伝達が優れた視野と展望に裏づけされる時、個人的能力とは別により強い権威が認められることを指し、命令の一元性が確保されていれば、権威は職位によって決まるものではありません。
5.×リーダーシップの権威とは、リーダーの地位ではなく、個人の優れた知識や専門能力が職位と無関係に尊敬を集め権威を確立することを指します。
正解は、「権威が受容されるためには、意思決定に当たり、伝達の内容が組織目的と矛盾しないと参加者が信じることが必要である。」です。
【基礎知識】
バーナードは組織が成立するためには3つの要件をそろえる必要があるとしました。
1 伝達(コミュニケーション)
2 貢献意欲
3 共通目的
中でも伝達(コミュニケーション)が特に重要としています。
上司から部下への指示も伝達になり、有効に機能するためには部下が指示を受け入れて初めて権限が成立するという権限受容説を説いています。つまり、権威とは、部下が受け入れることが重要であるとしています。
ただ、受け入れるか受け入れないかの判断を行うまでもない無関心圏という範囲が存在します。「ちょっとコピー取って」といった指示については、あえて判断をしないという範囲です。
無関心圏を超えた範囲においては、部下は伝達を精査するため、以下のような場合、受容しないケースがあります。
・組織目的(経営理念や職務倫理)と矛盾する場合
・部下の個人的な信念や利害と矛盾や対立する場合
・管理者の能力が権限行使にふさわしくないと部下が反発する場合
・意図が理解不可能(意味不明)である場合
正しい。組織目的と矛盾する場合には部下は指示を受け入れません。
誤り。個人的な信念等に反する場合、部下は指示を受け入れません。
誤り。無関心圏とは、権威に値するかどうかも判断しないレベルの決定になります。
誤り。管理者の能力によっては、部下は従わないケースがあります。
誤り。バーナードは権威の源泉について職位の権威(ポジションに基づくもの)とリーダーシップの権威(能力に基づくもの)があるとしました。リーダーシップの権威は能力に基づくものになります。
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