中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
企業経営理論 問33

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和3年度(2021年) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

インターネット広告に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • インターネット広告では広告主と媒体社との間に、さまざまな技術に基づくサービスを提供する多様なプレーヤーが存在し、極めて複雑な業界構造となっている。このような状況は消費者にはメリットがないため、広告主はこれらのプレーヤーを介さずに、できる限り媒体社と直接やりとりをすることが望ましい。
  • インターネット広告においてインプレッションは広告の総配信回数を示す指標である。従来の広告で用いられてきた、ターゲット全体の何%に広告が到達したかを示すリーチという指標は、インターネット広告には適さない。
  • インターネット広告の表示をブロックするアドブロックをすべての消費者が導入すると、広告料収入に支えられている多くのビジネスモデルが成り立たなくなり、インターネット上の多くの無料サービスが有償化する可能性もある。アドブロックへの対策として、消費者が見たくなるような広告を提供することも有効である。
  • 企業が自社サイト内に掲出するコンテンツは一般的にはインターネット広告には含まれない。インターネット広告から自社コンテンツにリンクを張ると、消費者がインターネット広告と自社コンテンツとを一体として広告と捉える危険性があるため、このようなリンクはほとんど用いられていない。
  • 従来のテレビ、新聞などのマスメディアに出稿される広告では、同じ番組やコンテンツを見ているすべての消費者は同じ広告を見ていた。これに対してインターネット広告では、コンテンツと広告を切り離す試みが行われているが現状では難しい。このため同じWebサイトやコンテンツを見ているすべての消費者は、基本的に同じ広告を見ているのが現状である。

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この過去問の解説 (3件)

01

「インターネット広告」に関する問題です。

正解は3です。

1.× さまざまな技術に基づき提供されるサービスのすべてが、消費者にはメリットがないとは限らず、広告主はできる限り媒体社と直接やりとりをすることが望ましいとも言い切れません。

2.× インプレッションは広告の総配信回数、リーチは広告を見たユーザーの数を示し、どちらも広告の分析、評価、改善に重要な指標です。

3.〇 問題文の通りです。

4.× インターネット広告の目的は、サービスや商材の認知獲得であり、インターネット広告から自社コンテンツにリンクを張る手法は多く用いられています

5.× インターネット広告では、個人毎の興味関心や行動を把握し、ターゲットを絞った広告配信を行うことが可能です

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02

1.誤り。サービスを提供する多様なプレーヤーの中には相応のメリットを提供する会社もあり、必ずしも媒体との直接のやりとりが望ましいとは言い切れません。

2.誤り。インプレッションは広告の表示回数のことです。また、リーチは広告の効果測定の上で有効な指標です。

3.正しい。

4.誤り。インターネット広告から自社コンテンツにリンクを張るケースもよく見られます。

5.誤り。インターネット広告では、個人の検索履歴などに基づき、その人に合わせた興味のある広告を表示することが可能です。

参考になった数7

03

インターネット広告の仕組みや課題についての知識を問う問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. インターネット広告では広告主と媒体社との間に、さまざまな技術に基づくサービスを提供する多様なプレーヤーが存在し、極めて複雑な業界構造となっている。このような状況は消費者にはメリットがないため、広告主はこれらのプレーヤーを介さずに、できる限り媒体社と直接やりとりをすることが望ましい。

媒体社と直接やりとりをすることが必ずしも望ましいわけではありません

SEO対策といったプレーヤーが持つ専門知識が、効果的な広告を打つことにつながることもあります。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. インターネット広告においてインプレッションは広告の総配信回数を示す指標である。従来の広告で用いられてきた、ターゲット全体の何%に広告が到達したかを示すリーチという指標は、インターネット広告には適さない。

インプレッションとは、広告がどれだけのユーザーに見られているかを示す広告の表示回数のことです。

リーチの説明は正しいのですが、インターネット広告の指標として不適切というわけではありません

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. インターネット広告の表示をブロックするアドブロックをすべての消費者が導入すると、広告料収入に支えられている多くのビジネスモデルが成り立たなくなり、インターネット上の多くの無料サービスが有償化する可能性もある。アドブロックへの対策として、消費者が見たくなるような広告を提供することも有効である。

インターネット広告の課題として適切な内容であるため、本選択肢が正解です。

選択肢4. 企業が自社サイト内に掲出するコンテンツは一般的にはインターネット広告には含まれない。インターネット広告から自社コンテンツにリンクを張ると、消費者がインターネット広告と自社コンテンツとを一体として広告と捉える危険性があるため、このようなリンクはほとんど用いられていない。

インターネット広告から自社コンテンツへのリンクを貼ることはないという点が誤っています。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 従来のテレビ、新聞などのマスメディアに出稿される広告では、同じ番組やコンテンツを見ているすべての消費者は同じ広告を見ていた。これに対してインターネット広告では、コンテンツと広告を切り離す試みが行われているが現状では難しい。このため同じWebサイトやコンテンツを見ているすべての消費者は、基本的に同じ広告を見ているのが現状である。

行動ターゲッティング広告という、ユーザーのインターネット閲覧履歴や検索履歴などを参考に、それぞれのユーザーに適した広告を表示する手法が用いられています。

そのためどのユーザーも同じ広告を見ているわけではありません

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

細かな論点が問われているため難しいと感じるかもしれませんが、誤っている選択肢をよく読むと極端なものや矛盾している記述になっています。

一見すると正解がわからないものでも、落ち着いて精読すれば正答することは十分可能です。

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