中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
運営管理 問32
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和3年度(2021年) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
最寄品を主に取り扱う小売店舗における在庫管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1回当たりの発注量が一定の場合、サイクル在庫は一定になる。
- 欠品を防止するために設定する安全在庫量は、需要量の標準偏差が2倍になると半分になる。
- 定期発注方式を採用した場合、販売量を一定とすると、1回当たりの発注量は発注から納品までの調達期間が長くなるほど少なくなる。
- 定量発注方式を採用した場合、発注量の決定には発注間隔があらかじめ決定されている必要がある。
- 発注点と補充点を設定して発注する方式を採用した場合、1回当たりの発注量は販売量の増減にかかわらず一定になる。
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この過去問の解説 (3件)
01
選択肢1は適切です。サイクル在庫とは、発注してから次に発注するまでの間に消費される在庫量の半分のことです。つまり、1回の発注量の半分と同じ意味です。そのため、1回あたりの発注量が一定の場合、サイクル在庫も一定となります。
選択肢2は不適切です。安全在庫とは、需要変動などのバラツキによって生じる可能性のある欠品を防止するための在庫です。安全在庫の計算式は以下のとおりです。
【計算式】安全在庫=安全係数×需要量の標準偏差×ルート(発注リードタイム+発注間隔)
上式より、需要量の標準偏差が2倍になれば、安全在庫量も2倍になります。
安全在庫が需要量のバラツキを吸収するための在庫であるという性質を考えると、標準偏差(=バラツキ)が大きくなると、それに伴って安全在庫も増加することがイメージできると思います。
選択肢3は不適切です。定期発注方式とは、1週間や1か月など一定期間ごとに発注を行う方法です。定期発注方式を用いた発注量の計算式は以下のとおりです。
【計算式】発注量=(調達期間×予想消費量-現在の在庫量-発注残)+安全在庫
上式より、調達期間が長くなれば発注量は増加します。商品を調達することが出来ない期間が長くなるほど、在庫の保有が必要となり、発注量が多くなることが理解できると思います。
選択肢4は不適切です。定量発注方式とは、在庫量が一定の水準になったタイミングで一定量を発注する方法です。発注間隔は需要変動等に応じて変動するため、一定ではありません。
選択肢5は不適切です。在庫量が発注点を下回ったら補充点まで発注する方法です。その際の発注量は補充点から在庫量を控除した数値となります。そのため、在庫量に応じて発注量が増減するため、一定とはなりません。
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02
日用品や食料品を表す最寄品の在庫管理について問われています。
サイクル在庫とは発注間隔に消費される在庫量の半分を意味します。選択肢のように発注量が一定の場合は自然とサイクル在庫も一定になるため、本選択肢が正解です。
安全在庫を求める計算式は以下のようになっています。
安全在庫=品切れ許容率の係数×ルート(調達リードタイム)×需要量の標準偏差
難解な計算式ですが、選択肢のように需要量の標準偏差が2倍になる場合は、安全在庫も2倍になることはわかります。そのため本選択肢は不正解です。
定期発注方式の発注量を求める計算式は以下のようになっています。
発注量 =( 発注間隔 + 調達期間 )中の需要推定量 - 発注残 - 手持在庫量 + 安全在庫量
上記の計算式から調達期間が長くなるほど発注量が増えることになるため、本選択肢は不正解です。
発注間隔をあらかじめ決定しておくのは定期発注方式です。定量発注方式の場合は事前に設定する発注量を在庫量が下回ったら発注するので発注間隔を決めておくことはできません。
そのため本選択肢は不正解です。
選択肢のように補充をする場合には、在庫量が補充点をどのくらい下回るのか毎回一定ではありません。発注量もそれに合わせて変動するため、本選択肢は不正解です。
在庫管理は毎年問われる頻出論点です。定期発注方式、定量発注方式など代表的な方式は十分に学習する必要があります。
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03
最寄品を主に取り扱う小売店舗における在庫管理に関する問題です。
適切です。
サイクル在庫とは、発注から次の発注までの在庫量の半分のことです。そのため、1回当たりの発注量が一定の場合、サイクル在庫は一定になります。
不適切です。
安全在庫は、安全係数×需要量の標準偏差×調達リードタイムで求められます。
よって、需要量の標準偏差が2倍になると安全在庫も2倍となります。
不適切です。
定期発注方式を採用した場合、販売量を一定とすると、1回当たりの発注量は発注から納品までの調達期間が長くなるほど多くなります。
不適切です。
定量発注方式を採用した場合、発注点に達したら発注しますので、発注間隔が決まっている必要はありません。
不適切です。
販売量の増減によって、発注量は変動させる必要があります。
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