中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
運営管理 問34
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和3年度(2021年) 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
トラック運送における共同輸配送に関する以下の【取組内容】と、取組前よりも改善が期待される【生産性指標】の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【取組内容】
① 取組前には、荷主Aと荷主Bそれぞれの貨物を異なるトラックに積んでも、両方のトラックに他の貨物を積載する余裕があったため、荷主Aと荷主Bの貨物を同じトラックに積み合せることにした。
② 取組前には、荷主Cの貨物を着地でトラックから降ろした後に帰り荷がなかったため、荷主Cの納品後に荷主Dの貨物を帰り荷として積載することにした。
③ 取組前には、荷主Eの貨物を積載したトラックが、発地X・着地Y間を宿泊を伴いながら往復運行し、荷主Fの貨物を積載したトラックが、発地Y・着地X間を宿泊を伴いながら往復運行していた。このため、両方のトラックが発着地X・Y間の中間地点で出会い、互いの貨物を積み替えて宿泊を伴わずに輸送することにした。ただし、トラック1台に乗車するドライバーは1人とする。
【生産性指標】
a 実働率( トラックの運行可能な時間に占める、走行や荷役、手待ちなど実際に稼働した時間の割合 )
b 実車率( トラックの走行距離に占める、実際に貨物を積載して走行した距離の割合 )
c 積載率( 貨物を積載して走行するトラックの最大積載量に占める、実際に積載した貨物の量の割合 )
【取組内容】
① 取組前には、荷主Aと荷主Bそれぞれの貨物を異なるトラックに積んでも、両方のトラックに他の貨物を積載する余裕があったため、荷主Aと荷主Bの貨物を同じトラックに積み合せることにした。
② 取組前には、荷主Cの貨物を着地でトラックから降ろした後に帰り荷がなかったため、荷主Cの納品後に荷主Dの貨物を帰り荷として積載することにした。
③ 取組前には、荷主Eの貨物を積載したトラックが、発地X・着地Y間を宿泊を伴いながら往復運行し、荷主Fの貨物を積載したトラックが、発地Y・着地X間を宿泊を伴いながら往復運行していた。このため、両方のトラックが発着地X・Y間の中間地点で出会い、互いの貨物を積み替えて宿泊を伴わずに輸送することにした。ただし、トラック1台に乗車するドライバーは1人とする。
【生産性指標】
a 実働率( トラックの運行可能な時間に占める、走行や荷役、手待ちなど実際に稼働した時間の割合 )
b 実車率( トラックの走行距離に占める、実際に貨物を積載して走行した距離の割合 )
c 積載率( 貨物を積載して走行するトラックの最大積載量に占める、実際に積載した貨物の量の割合 )
- ①とa ②とb ③とc
- ①とa ②とc ③とb
- ①とb ②とc ③とa
- ①とc ②とa ③とb
- ①とc ②とb ③とa
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この過去問の解説 (3件)
01
取組内容①は、荷主Aと荷主Bの荷物を共同にて輸送することにより、それぞれのトラックにより多くの貨物を積載して輸送することが出来ます。そのため、生産性指標のうち「c.積載率」が向上します。
取組内容②は、荷主Cの復路を貨物を積載せずに走行させるのではなく、荷主Dの貨物を積載して霜降させることによって、実車距離を増やすことが出来ます。そのため、生産性指標のうち「b.実車率」が向上します。
取組内容③は、荷主Eと荷主Fを積載したトラックが、宿泊を伴いながら往復運行するのではなく、互いの貨物を積み替えて宿泊せずに輸送することによって、宿泊により発生するトラックの非稼働時間を削減することが出来ます。そのため、生産性指標のうち「a.実働率」が向上します。
よって、5「①とc ②とb ③とa」が正解です。
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02
取組内容と生産性指標を一致させる問題です。生産性指標とは何でしょうか?○○生産性という言葉はいくつかありますが、output(産出量)/input(投入量)のことで、どれだけ資源などを投入して、どれだけ産出できるかを表すものです。当然少ない投入量で多くの産出をするほうがより生産性が高いということになり、生産性向上のためには、投入量を減らすか産出量を増やすことが必要になります。
上記を踏まえ、生産性の各選択肢を見ていきます。
aの実働率は実稼働時間/運行可能時間となり、いかにトラックを実稼動させたか、手待ち時間を減らしたかが生産性向上につながります。bの実車率は貨物を運んだ距離/トラックが走った距離でより長い時間貨物を積んで走った距離が長いほうが生産性が高いことになります。cの積載率は実際に貨物を積載した量/貨物を積載することができる量となり、いかに無駄なくトラックに貨物を積み込むかが生産性向上につながります。
次に各取組みを見ていきます。
① A、Bに分かれて積まれていた貨物をどちらか片方に寄せて、更に積みこめるスペースを確保しています。仮にどちらかを動かさなければ、稼動トラックは1台となり、積載することができる量は減りますが、実際に貨物を積載した量は同じですので、cの積載率が向上することが分かります。
② 行きは貨物を運ぶというアウトプットを出しましたが、帰りに何も運んでいなかったところ、帰りにも新たに貨物を積んで運ぶという取組みです。トラックの走った距離は変わりませんが、実際に貨物を積んで走った距離が変わり、答えはb.実車率になります。
③ EはXからYまで運び、宿泊して何も積まずにYからXを帰ってくるはずでした。Fも同様、Eとは反対にYからXまで宿泊を伴って運んでいます。つまりXY間のトラックの運行時間を1とするとそれぞれトラックの運行時間は合計4投入しています。そして貨物を運んだ時間はそれぞれ1で合計2のアウトプットとなり、生産性は1/2となります。ところがXY間の真ん中(XYを1とすると0.5)で荷物を交換することにより、XY間の投入運行時間が2に減少し、実際に貨物を積んで走る時間は同じ2ですので、生産性は2/2、つまり1に上昇することになります。これはaの指標が当てはまります。
よって、5「①とc ②とb ③とa」が正解です。
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03
取組内容①
取組前にはトラックの積載量に対して、まだ余裕がありましたが、荷主Aと荷主Bの貨物を同じトラックに積み合せることでトラックの積載量に対する貨物の量を増やすことができたので、積載率が向上しています。
取組内容②
取組前にはトラックの往復時間のうち、片道しか貨物を積んでいませんでしたが、取組後は往復ともに貨物を積んでいますので、実車率が向上しています。
取組内容③
取組前には、宿泊を伴いながら往復運行していたため手待ち時間などが多かったですが、中間地点で出会い、互いの貨物を積み替えて宿泊を伴わずに輸送することで手待ち時間を減らし、実働率を向上させています。
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