中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
運営管理 問37
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和3年度(2021年) 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ABC分析は、ASN( Advanced Shipping Notice )に基づいて在庫管理の重点を決めるのに用いる。
- 固定ロケーション管理は、フリーロケーション管理に比べて商品の保管効率が高いという特徴がある。
- 棚卸は、実際の在庫( 数量など )と在庫台帳の内容とを照合する作業である。
- 摘み取り方式ピッキングは、商品ごとの注文総数を一括してピッキングする作業である。
- デジタルピッキングは、適切な商品を適切な数だけコンテナ等に自動的に投入し梱包する装置である。
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この過去問の解説 (3件)
01
選択肢1は不適切です。ABC分析はABC曲線を用いて在庫品目をグルーピングして在庫管理方法を決定するものです。一方でASNとは、ベンダー(納入業者)が物流センター側に出荷情報を事前に通知することです。つまり、ABC分析はABC曲線に基づいて在庫管理の重点を決めるため、選択肢の内容は不適切です。
選択肢2は不適切です。ロケーション管理には、①固定ロケーション(商品を保管する場所をあらかじめ決めておく)と、②フリーロケーション(商品を入荷する都度に最適な場所を選定する)があります。フリーロケーションは固定ロケーションと比べてスペースの有効活用が行えるため、保管効率が高いという特徴があります。
選択肢3は適切です。棚卸とは、実際の在庫と在庫台帳の内容を照合する作業のことです。
選択肢4は不適切です。摘み取り方式ピッキングとは、注文ごとに商品をピッキングする作業のことです。シングルピッキングとも呼ばれます。
選択肢5は不適切です。デジタルピッキングとは、保管棚に取り付けたデジタル表示器の指示に従って作業者が商品をピッキングすることです。
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02
おそらく色んなキーワードがあり、内容がわからない選択肢もあるかもしれませんが、一番簡単な内容の3がおそらく正解ではというのは気づいてほしいところです。商品の在庫数は帳簿と必ずといっていいほどずれます。紛失、盗難など色々な理由がありますが、このずれを定期的に修正していく必要があります。財務管理の原価の計算でもありますが、ある一定の期間の販売原価を求めるとき、期首の棚卸高+期中の仕入高-期末の棚卸高の計算となります。この金額は帳簿ではなく、実際の商品を数えて計算しますが、その数えることを棚卸とよび、3が正解となります。
他の選択肢を見ていきます。
1は間違いです。ABC分析とはたとえば商品の金額や売上などの指標を決め、その指標の多い順に商品を分類して管理する方法です。当然たくさん売れるものは在庫を多く持つなどの分析に使われたりします。一方、ASNとはベンダーから物流センターや小売に事前に出荷情報を共有することです。事前に情報が入ることで、物流センターなどでは荷受が効率的に行うことができるなどのメリットがあります。よってABC分析がASNに基づくという記載は間違っています。
2も間違いです。固定ロケーションは商品を保管する場所をあらかじめ決めておくことで、ピッキングなどの効率化が見込まれます。一方、フリーロケーションは商品を入荷する都度に最適な場所を選定することで、スペースの有効活用が行えるため、保管効率が高くなります。
4も間違いです。ピッキング方式には大きく、摘み取り方式と種まき方式があります。摘み取り方式は例えば各商品ごとの棚等から出荷先に送る商品をピッキングしていく方式です。摘み取っていきますのでこういった名前がついています。記載の内容は種まき方式で、まずは商品ごとに注文の総量をピッキングしてきて、その後出荷先ごとに分けていきます。よって種まき方式と呼ばれています。
5も間違いです。デジタルピッキングとは、ピッキングにデジタル表示器を活用した方法になります。ピッキングすべき商品や数量をデジタル表示器で示すことで作業者が中身を分からなくてもピッキング作業が可能になります。コンテナ等に自動的に投入する装置は、ロボットピッキングや自動ピッキングと呼ばれる装置になります。
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03
物流センターの運営に関する問題です。
ABC分析は、ABC曲線に基づいて在庫管理の重点を決めるのに用います。
フリーロケーション管理は、固定ロケーション管理に比べて商品の保管効率が高いという特徴があります。
正解の選択肢となります。
種まき方式ピッキングは、商品ごとの注文総数を一括してピッキングする作業です。
ロボットピッキングは、適切な商品を適切な数だけコンテナ等に自動的に投入し梱包する装置です。
【補足】
固定ロケーション管理とフリーロケーション管理はお互いに長所と短所が逆であるため、実務上は固定ロケーション管理とフリーロケーション管理を併用する運用がなされていることが多いです。
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