中小企業診断士の過去問 令和3年度(2021年) 運営管理 問38
この過去問の解説 (2件)
GTINにより、どの事業者のどの商品またはサービスかを識別することが出来ます。新商品を発売する場合や、従来商品に変更等を行う場合には、従来品と明確に区別するために新しいGTINを設定する必要があります。
「新しいGTINの設定が必要になる10の基準」において、JANコードは変更する必要がなく、集合包装用商品コードのみを変更すべき例として、「1.集合包装の入数を変更した場合」が挙げられます。
よって、選択肢1が適切です。
どの企業でも、また、製造者、卸、小売等どの段階でも共通のコードを設定することで商品の効率的な管理が可能になります。
そこで、世界の流通情報に関する標準化を推進する国際的な組織としてGS1という組織が発足しました。日本では「一般財団法人 流通システム開発センター(流通システム標準普及推進協議会)」が「GS1 Japan」として加盟しています。
GTINとはこのGS1で標準化されている商品識別コードで、「Global Trade Item Number」の略で、 POSシステムなどで活用されています。GTINには大きく4つの種類があります。それぞれ桁数を用いてGTIN―〇〇(桁数)と表示されます。
⦁ GTIN-13 JANコード標準タイプで9桁(事業者コード)、3桁(商品コード)、1桁(チェックデジット)の13桁からなります。チェックデジットとは、計算から算出される数値で、読み取った結果とこの数値の整合性をチェックし、きちんと読み取れているかを確認するものです。
⦁ GTIN-8 JANコード短縮タイプで6桁(事業者コード)、1桁(商品コード)、1桁(チェックデジット)の8桁からなります。13桁等のバーコードが入りきらないスペースへの印字を可能にします。9桁の事業所コード以外に6桁のコードを別途取得する必要があります。
⦁ GTIN-12 こちらは米国、カナダで利用されているコードで基本的にはGTIN-13と同じ構造になります。
⦁ GTIN-14 こちらは、集合包装用商品コードと呼ばれ、GTIN-13の商品を複数個梱包したものを識別するコートです。GTIN-13にインジケーターと呼ばれる1桁が頭に追加されます。各事業者が一定の基準に従って設定できます。
今回の問題ではこのうちGTIN-13、GTIN-14の変更の有無が問われています。
上記の説明の通り、商品が変更になる場合(商品1単位の個数の変更なども含む)はGTIN-13を変更する必要があります。商品は変わらず、パレットや段ボールに入る個数が変わったりするだけであれば、GTIN-13を変更する必要はありません。
その視点で選択肢を見ていきます。
まず、1の選択肢です。集合包装の入数の変更とは、段ボール等の塊に入る商品の個数が変更する場合です。つまり、商品自体は変更しませんので、GTIN-13の変更は不要です。
次に2の選択肢です。商品の包装の外寸等が変更しており、見た目が変わりますので、これは違う商品と考える必要があります。よってGTIN-13の変更を伴います。
次に3の選択肢です。こちらも商品の正味内容量が変わりますので、前の商品とは同じではなくなります。よってGTIN-13の変更を伴います。
次に4の選択肢です。こちらも表示変更だけでなく、成分も変更しますので当然商品が変更になります。
最後に5の選択肢です。ブランドが変わりますので、当然商品が変更になります。仮にバナナというブランドのソフトクリームがあったとして、これがグレープというブランドに変われば当然商品は変わりますよね。
正解は1となります。
参考に新しいGTINの設定が必要になる10の基準において、各コードの変更有無が整理されています。GTIN-14のみの変更が必要になるのは、・基準7「販促のために期間限定で包装を変更、または景品・試供品を付けた場合」と設問の基準8「集合包装の入数を変更した場合」以外になります。あとはすべて双方の変更が必要です。内容を改めて確認しておいていただきたいですが、それよりも、GTINの4種類の内容とそれを踏まえて、回答を導けるようにしておいてください。
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