問題
なお、甲氏は、現在、77歳であり、配偶者( α )と2人の子( β と γ )がいる。また、X社は、公開会社ではなく、かつ、大会社ではない。
甲 氏 「私も、77歳なので、最近、X社の事業承継はどうしたらよいかを考えています。現在、X社の株式は、私が80%、10年前に70歳でX社を退職した乙氏が20%持っていますαとγは、X社の仕事をしていないので、私が死んだ後は、私の持っているX社の株式はすべてβに相続させたいと考えています。βに相続させるに当たって、注意点はありますか。」
あなた 「甲さんは、X社の株式の他にも、自宅や預貯金の財産をお持ちですので、遺言書を作って、これらの分配方法を定めておくことがよいと思いますが、遺言では、相続人の遺留分に注意する必要があります。」
甲 氏 「分かりました。私の財産は、ほとんどがX社の株式なので、遺留分のことを考えるαとγにもX社の株式を相続させることになるかもしれません。この場合でも、αとγがX社の経営に口を挟むことなく、βが自分の考えに従ってX社を経営してほしいと思っています。何か方法はありますか。」
あなた 「αさんとγさんにもX社の株式を相続させることとする場合には、議決権制限株式を発行し、βさんには普通株式、αさんとγさんには議決権制限株式を相続させるという方法を検討しておくことが考えられます。法律上、( A )。」
甲 氏 「乙氏は最近病気がちのようで、相続が発生するかもしれません。正直、乙氏の相続人の丙氏とはそりが合わないので、丙氏にはX社の株主にはなってもらいたくありません。何か方法はありますか。」
あなた 「相続人に対する売渡請求に関する定款変更を行い、乙氏が死亡した場合には、X社から乙氏の相続人に対し、株式の売渡請求を行うことができるようしておくことが考えられます。( B )。」
会話の中の下線部の「遺留分」に関する記述として、最も適切なものはどれか。