中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
経営法務 問15

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和3年度(2021年) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 意匠法には、出願公開制度が規定されている。
  • 実用新案法には、出願審査請求制度が規定されている。
  • 商標法には、国内優先権制度が規定されている。
  • 特許法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の4つを「産業財産権」といいます。

産業財産権制度は、新しい技術、新しいデザイン、ネーミングなどについて独占権を与えます。コストをかけて発明したものが簡単に模倣されると発明に対するインセンティブが働かなくなるため、これらの権利を、特許庁に出願し登録することによって、一定期間、独占的に実施(使用)することによって産業の発展を促します。

この4つの権利について、押さえておいていただきたいポイントを整理します。

①存続期間:ある一定の期間を過ぎると発明等は公開され、誰もが使えるようになります。これは産業の発展を促すためです。それぞれ抑えましょう。

・特許権:出願から20年

・実用新案権:出願から10年

・意匠権:出願から25年(改正)

・商標権:登録から10年

出願公開制度:権利になる前に出願内容が公開される権利があります。無駄に他で発明されるのを防ぐためです。特許法と商標法のみにあります。実用新案権は比較的出願するとすぐに認められることもあり、出願公開するタイミングがありません。また意匠権は権利獲得前に公開してしまうと簡単に真似されてしまうためにありません。(よって1は誤り)

出願審査請求特許法にだけあります。審査にはかなりの期間と労力がかかるため、請求があった場合のみに審査を行うこととなっています。(よって2は誤り)

先願主義:同一出願があった場合は、先に出願したほうの権利となります。これは各法あります。

国内優先権制度:先の発明に関連して後に発明したものを先の発明の出願1年以内であれば、後の発明も先の出願日と同じ扱いになるものです。先願主義であるため、出願日の取り扱いは重要なポイントになります。これは特許法、実用新案法に認められています。(よって3は誤り)

新規性喪失の例外規定:新規性喪失とは自分の発明であっても出願前に公開してしまうと新規性が認められなくなり、権利を取得できないことです。ただ、自己の公開後の1年以内に出願した場合は例外として権利を認めるというものになります。これは新規性が求められる特許権、実用新案権、意匠権にあります。(よって4は正解)

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02

1.意匠法には出願公開制度はありません。出願公開制度があるのは特許法と商標法です。

2.実用新案法には出願審査請求制度はありません。出願審査請求制度があるのは特許法です。

3.商標法には国内優先権制度はありません。国内優先制度があるのは特許法と実用新案法です。

4.新規性喪失の例外規定は特許法、実用新案法、意匠法にあります。

従って、4が正解です。

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03

産業財産権法に関する問題です。

 

文章のボリュームが少なく、平易な内容であるためボーナス問題です。

マークを付ける時間も含めて、15~20秒で済ませて時間を節約しましょう。

選択肢1. 意匠法には、出願公開制度が規定されている。

意匠法には、出願公開制度が規定されていません

ちなみに、実用新案法にも出願公開制度はありません。

 

出願公開制度が規定されているのは、特許法と商標法です。

選択肢2. 実用新案法には、出願審査請求制度が規定されている。

実用新案法には、出願審査請求制度が規定されていません

 

出願審査請求制度が規定されているのは、特許法のみです。

選択肢3. 商標法には、国内優先権制度が規定されている。

商標法には、国内優先権制度が規定されていません

ちなみに、意匠法にも国内優先権制度はありません。

 

国内優先権制度が規定されているのは、特許法と実用新案法です。

選択肢4. 特許法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。

正解の選択肢となります。

ちなみに、新規性喪失の例外規定は実用新案法、意匠法にも規定があります。

(新規性が登録要件であるためです)

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