問題
この中で失敗ケースや先行事例がガイドラインとともに取り上げられているが、これらを踏まえた提言に合致する記述として、最も適切なものはどれか。
2025年の崖という問題があります。これは既存システムやビジネスモデルがブラックボックス化・陳腐化しているため、ビジネスの改革に使えない状況がゆくゆく大きな損失を生み出すというものです。
経産省は、この危機に警鐘を鳴らし、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行う上での課題と解決のためのアクションの認識の共有を図りこの問題を解決するため、「DX推進ガイドライン」を公表しました。
DX推進ガイドラインでは以下の2つが重要であると述べています。
・経営戦略・ビジョン明示、トップのコミットメント
DXとはただ単に業務効率化を進めるツールを導入することが目的ではありません。
既存のビジネスモデルを変革したり、時には反発も予想されるため、風土変革も視野にトップがリーダーシップを発揮して推進していく必要があります。(よって1、5は誤り)
・DX推進のための体制づくり
積極的に改革を進めるマインドセット、またそれを支えるサポート体制の
構築、人材の確保と育成。
以上を踏まえ、DXを推進していく環境を作るためには以下の3点が必要であると述べています。
①全社的な体制の構築
・システムに対するガバナンスと事業部門のオーナーシップ
勝手に色々なシステムが構築されることをけん制しながら、一方で事業部門が
ベンダーに丸投げするような事態を防ぐため、オーナーシップを高めていく
必要があります。(よって2は正しい)
②実行プロセス
・IT資産の評価、分析。IT資産の仕分けとプランニング、IT資産の評価
③刷新後のITシステムの評価の仕組み
・IT資産の評価では、ビジネスプロセスがうまくいっているかどうかで
判断します。(よって4は誤り)
3につきましては、ガイドラインの中で、戦略なきPOCは疲弊してしまうという失敗例として挙げられています。よって、まずは戦略を固めて細部の検討を行うというのが正しい順番です(よって3は誤り)。
よって正解は2になります。
1.誤り。DX推進にあたっては、経営トップ自らの強いコミットメントが必要です。
2.正しい。
3.誤り。戦略なきPoCは疲弊と失敗の元であり、DXが自社の経営戦略を実現するためのものとして位置付けられているか明確化します。
4.誤り。業務の簡略化や標準化を行い、システムのカスタマイズコストとそれを実施することによる経営のバランスとメリットを評価します。ビジネスがうまくいったかどうかで評価します。
5.誤り。DXを推進するに当たっては、ビジネスや仕事の仕方、組織・人事の仕組み、企業文化・風土そのものの変革が不可欠となります。