中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経済学・経済政策 問17

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度(2023年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

下図は企業の短期費用曲線を示し、縦軸のOAが固定費用を表している。ここで、総費用曲線TC上の接線のうち、①その傾きが最小となる点をX、②Aを起点とした直線と接する点をY、③Oを起点とした直線と接する点をZとする。この図から読み取れる記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  点Xでは平均固定費用が最小になっている。
b  点Yでは平均可変費用が最小になっている。
c  点Zでは平均総費用が最小になっている。
d  点Xから点Zにかけて限界費用は逓減している。
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  • aとb
  • aとc
  • aとd
  • bとc
  • bとd

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この過去問の解説 (2件)

01

費用曲線について基礎的な知識を問うている問題です。

固定費用はFC、平均可変費用はAVC、平均費用はAC、限界費用はMCとも記載します。

TCは総費用曲線の意味です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

a

平均固定費用は、生産量1単位当たりの固定費用の大きさを表しています。

固定費用の総額は変わらないため、生産量が増えると平均固定費用は小さくなることになります。

そのため生産量が最も少ない点Xで最小になることはないため、本選択肢は誤っています。

b

平均可変費用は、生産量1単位当たりの可変費用のことで、グラフ上では点AからTCへ引いた補助線の傾きで表します。

補助線とTCの接点で平均可変費用は最小になるので、点Yで平均可変費用は最小になります。

そのため本選択肢は正しいです。

c

平均費用は、生産量1単位当たりの総費用のことで、グラフ上では原点からTCへ引いた補助線の傾きで表します。

補助線とTCの接点で平均費用は最小になるので、点Zで平均費用は最小になります。

そのため本選択肢は正しいです。

d

限界費用は、生産量を1単位変化させた場合に、どれだけ総費用が変化するのかを表しています。

グラフ上ではTC上の任意の点での接線の傾きとして表しますが、本問では点Xが変曲点であるため、点Xが最も限界費用が少ないことになるので、点Xから点Zまでは限界費用は逓増していることになります。

そのため本選択肢は誤っています。

正しい選択肢の組み合わせは、 bとc です。

選択肢1. aとb

本選択肢は不正解です。

選択肢2. aとc

本選択肢は不正解です。

選択肢3. aとd

本選択肢は不正解です。

選択肢4. bとc

本選択肢が正解です。

選択肢5. bとd

本選択肢は不正解です。

まとめ

本問は基礎的な内容であり、費用曲線は頻出論点でもあるため復習しておきましょう。

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02

まず、短期費用曲線の形状に基づいて解説します。短期費用曲線は、通常、最初は急速に上昇し、次第に上昇のペースが緩やかになります。この曲線上の点Aから引かれた接線が平均可変費用曲線を表し、その接点を点Y、またOA軸との交点を点Zとします。

次に、各記述の正誤を確認します。

a: 点Xでは平均固定費用が最小になっている。

誤りです。平均固定費用は、短期費用曲線上の各点において、平均固定費用曲線に引かれた接線の傾きが最小になる点で最小となりますが、これが点Xであるとは限りません。

b: 点Yでは平均可変費用が最小になっている。

正解です。平均可変費用は、短期費用曲線上の各点において、平均可変費用曲線に引かれた接線の傾きが最小になる点で最小となります。この点がYであり、したがって、点Yでは平均可変費用が最小になっています。

c: 点Zでは平均総費用が最小になっている。

正解です。平均総費用は、短期費用曲線上の各点において、平均総費用曲線に引かれた接線の傾きが最小になる点で最小となります。この点がZであり、したがって、点Zでは平均総費用が最小になっています。

d: 点Xから点Zにかけて限界費用は逓減している。

誤りです。限界費用は、短期費用曲線上の各点において、限界費用曲線に引かれた接線の傾きがその点での限界費用を表します。しかし、この限界費用がXからZにかけて逓減しているかどうかは、問題文からは分からないため誤りです。

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