中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経済学・経済政策 問24

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度(2023年) 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

閉鎖経済の下で国内でのみ生産販売されていた製品が、貿易の自由化により外国に輸出された場合の効果について考える。下図は、国際価格がPfで与えられる、ある工業製品に対する国内の需要曲線Dと供給曲線Sを示している。当初、閉鎖経済の下で国内の需要量と供給量が点Eで均衡し、国内価格はP0、取引量はQ0であったが、国際価格Pfの輸出財市場に参入したことで、供給量はQ2に増加することになった。
この図から読み取れる記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  貿易自由化によって、国内の消費量はQ0からQ1に減少する。
b  貿易自由化による消費者余剰の減少分は、(2)である。
c  貿易自由化による生産者余剰の増加分は、(1)、(2)、(3)、(4)の合計である。
d  貿易自由化による社会的総余剰の増加分は、(3)である。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:正  d:誤
  • a:正  b:正  c:誤  d:誤
  • a:正  b:誤  c:誤  d:正
  • a:誤  b:正  c:正  d:誤
  • a:誤  b:誤  c:誤  d:正

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この過去問の解説 (2件)

01

貿易自由化による輸出する余剰分析を行う問題です。

条件や変化が複雑ですが、図を描いたりして手を動かしながら分析をしましょう。

各選択肢をそれぞれ解説します。

a

貿易自由化により価格がPfに変わるので、国内の消費量もそれに合わせて変化してQ0からQ1に減少するため、本選択肢は正しいです。

b

閉鎖経済の元の価格はP0で消費量はQ0でしたが、貿易自由化により価格はPfに消費量はQ1に変化するので、消費者余剰の減少分は(1)、(2)の合計になります

そのため本選択肢は誤っています。

c

閉鎖経済の元の価格はP0で生産量はQ0でしたが、貿易自由化により価格はPfに消費量はQ2に変化するので、生産者余剰の増加分は(1)、(2)、(3)の合計になります

そのため本選択肢は誤っています。

d

選択肢bとcより、消費者余剰の減少分は(1)、(2)の合計、生産者余剰の増加分は(1)、(2)、(3)の合計であるので、社会的余剰の増加分は生産者余剰の増加分から、消費者余剰の減少分を差し引いて、(3)となります

そのため本選択肢は正しいです。

正しい選択肢の組み合わせは、 a:正 b:誤 c:誤 d:正 です。

選択肢1. a:正  b:正  c:正  d:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤  d:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤  d:正

本選択肢が正解です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正  d:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:誤  d:正

本選択肢は不正解です。

まとめ

応用力や深い知識も問われる問題ではありましたが、全ての選択肢の正誤判断は難しくとも比較的判断が容易なものから判断していけば正解を絞り込むことができます。

落ち着いて手を動かしながら取り組みましょう。

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02

貿易自由化がどのように市場に影響を与えるかを理解することがポイントです。国際価格が導入され、国内価格がそれに合わせて変動することが一般的です。

a 貿易自由化によって、国内の消費量はQ0からQ1に減少する。

正しいです。

b 貿易自由化による消費者余剰の減少分は、(2)である。

誤りです。貿易自由化によって、国内価格が国際価格に合わせて上昇するため、消費者余剰が減少します。正しくは「貿易自由化による消費者余剰の減少分は、(3)である」です。社会的総余剰の変化には生産者余剰と消費者余剰の変動が関与するため、(3)が正しいです。

c 貿易自由化による生産者余剰の増加分は、(1)、(2)、(3)、(4)の合計である。

誤りです。貿易自由化により、国内価格が上昇し、生産者余剰が増加します。しかし、(1)や(4)に該当する要素が与えられていないので、正確ではありません。正しくは「貿易自由化による生産者余剰の増加分は、(3)である」です。

d 貿易自由化による社会的総余剰の増加分は、(3)である。

正しいです。

参考になった数2