中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問1
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
7月における商品Aの取引は以下のとおりである。7月の売上原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、払出単価の計算には移動平均法を採用している。
- 2,200円
- 2,300円
- 2,400円
- 2,600円
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この過去問の解説 (2件)
01
問題期間中の売上は7月15日のみのため、その時の払出単価を計算して、売上の数量に掛ければ良いことになります。
移動平均法とは、商品の仕入れの都度、払出単価を計算する方法です。
7月12日に仕入があるので、払出単価を以下のように計算できます。
(10個 x 100円 + 30個 x 120円) ÷( 10個 + 30個) = 115円
払出単価は115円です。
7月15日の売上原価を計算します。
20個 x 115円 = 2,300円
よって、7月の売上原価は2,300円です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本問のような形式での出題は珍しくはありませんが、過去出題された時の払出単価の計算方法は先入先出法でした。
今回は移動平均法であったので、その点に留意する必要がある問題でした。
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02
移動平均原価は、在庫の単価を都度平均化する手法です。新しい仕入があるたびに、在庫全体の単価を更新します。
1. 初期状態:
前月繰越の在庫がある場合、その在庫の単価が月初の移動平均単価です。
2. 仕入がある場合:
新しい商品が仕入れられると、その仕入単価と現在の在庫の移動平均原価を考慮して、新しい移動平均原価を計算します。
新しい移動平均原価 = { (現在の在庫数 * 現在の移動平均原価) + (仕入数 * 仕入単価)} / (現在の在庫数 + 仕入れ数)
3. 売上がある場合:
商品が販売されると、販売数量と今時点の移動平均原価を乗じて、売上原価を算出します。数量案分の売上原価だけが払いだされるため、移動平均原価は変わらないのがポイントです。
売上原価 = 売上数 * 現在の移動平均原価
このように、仕入があるたびに移動平均原価を計算し、在庫と単価を更新していきます。
問題では、7月15日に唯一売上が立っているため、7月15日時点の移動平均原価が分かれば解答を算出できることがわかります。
7月15日時点の移動平均原価は、7月1日の前月繰越分、および7月12日の仕入分の合計から算出しますから、計算式に当てはめると以下の通りになります。
移動平均原価={(10個*100円)+(30個*120円)}/(10個+30個)
これを計算すると、115円が算出されます。
売上原価の算出式に当てはめると、
売上原価 = 20個*115円で2,300円が正解と分かります。
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