中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問4

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

連結会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 親会社による子会社株式の所有割合が100%に満たない場合、連結貸借対照表の負債の部に非支配株主持分が計上される。
  • 子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合は、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。
  • 負ののれんは、連結貸借対照表に固定負債として計上する。
  • 連結子会社の当期純損益に株式の所有割合を乗じた額は、持分法による投資損益として連結損益計算書に計上する。

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この過去問の解説 (2件)

01

子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができます。これは通常、親会社が子会社の財務諸表を子会社の決算日に基づいて調整していることを示しています。3か月以内の差異は、通常の調整範囲内であると見なされます。

選択肢1. 親会社による子会社株式の所有割合が100%に満たない場合、連結貸借対照表の負債の部に非支配株主持分が計上される。

誤りです。親会社が子会社の株式の所有割合が100%に満たない場合、非支配株主の権益は負債の部ではなく、純資産の部に計上されます。

選択肢2. 子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合は、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。

正解です。

選択肢3. 負ののれんは、連結貸借対照表に固定負債として計上する。

誤りです。通常、負ののれんは資産の部に計上され、固定負債として計上されることはありません。負ののれんは、企業の合併や子会社の取得に伴って発生する場合があり、資産の減損損失として処理されることが一般的です。

選択肢4. 連結子会社の当期純損益に株式の所有割合を乗じた額は、持分法による投資損益として連結損益計算書に計上する。
  • 誤りです。連結財務諸表では、持分法による投資損益ではなく、親会社が実際に支配する割合に基づいて当期純損益が計上されます。持分法は、通常、連結財務諸表ではなく、親会社の個別の財務諸表に影響を与えます。

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02

連結会計について概要を把握するために、連結財務諸表に関する会計基準から引用します。

連結会計の目的は以下のように定義されています。

連結財務諸表は、支配従属関係にある 2 つ以上の企業からなる集団(企業集団)を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成するものである。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 親会社による子会社株式の所有割合が100%に満たない場合、連結貸借対照表の負債の部に非支配株主持分が計上される。

選択肢のような場合は、親会社株主に帰属する当期純利益と株主資本との連携にも配慮して、純資産の部において株主資本とは区別して記載するため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合は、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。

選択肢の内容のとおりに会計基準が定められているため、本選択肢が正解です。

選択肢3. 負ののれんは、連結貸借対照表に固定負債として計上する。

負ののれんは、当該負ののれんが発生した事業年度の特別利益として計上するため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. 連結子会社の当期純損益に株式の所有割合を乗じた額は、持分法による投資損益として連結損益計算書に計上する。

連結子会社の当期純損益に株式の所有割合を乗じた額は、親会社株主に帰属するため、親会社に帰属する当期純利益または当期純損失として連結損益計算書に計上します

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

本問のような知識問題で詳細な点を問う出題もあるため、テキストなどで学習しておくようにしましょう。

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