中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問3

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

当社は、X1年度期首に機械(取得原価300,000円、耐用年数5年)を購入し、200%定率法により減価償却を行っている。保証率は0.10800、改定償却率は0.500である。X4年度における減価償却費として、最も適切なものはどれか。
  • 18,750円
  • 25,920円
  • 30,000円
  • 32,400円

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この過去問の解説 (2件)

01

基本的な200%定率法による減価償却計算です。

まず、問題文には償却率が与えられていないので、この場合は200%定率法の償却率を自分で計算します。

償却率=1÷耐用年数×200%

   =1÷5(年)×200%

   =0.4

償却率を使った原価償却では残存価格がずれてしまう問題が発生するため、200%定率法では保証率と改訂償却率を使って減価償却費の金額を補正します。

計算式は以下の通りです。

① 償却率を用いて、定率法で減価償却費を計算する

(取得原価-期首減価償却累計額)×償却率

② 改訂償却率の適用条件額を計算する

取得原価×保証率

①≧②なら①が減価償却費、①<②なら②が減価償却費の計算式は以下に変わります。

(取得原価-期首減価償却累計額)×改訂償却率

上記を念頭に、1年目から順に減価償却費を計算します。

X1年目 

①(300000 - 0) * 0.4 = 120000

②300000 * 0.10800 = 32400

①>②のため、減価償却費は120000

X2年目

①(300000 - 120000) * 0.4 = 72000

②300000 * 0.10800 = 32400

①>②のため、減価償却費は72000

X3年目

①(300000 - 192000) * 0.4 = 43200

②300000 * 0.10800 = 32400

①>②のため、減価償却費は43200

X4年目

①(300000 - 235200) * 0.4 = 25920

②300000 * 0.10800 = 32400

①<②のため、改訂償却率で減価償却費を計算します。

(300000 - 235200) * 0.5 = 32400

従い、X4年度における減価償却費は32400円が正です。

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02

200%定率法による減価償却費の計算方法は以下のようになります。

(1) 調整前償却額 = 期首帳簿価額 x 200%定率法償却率

(2) 償却保証額 = 特定事業年度の期首帳簿価額 x 保証率

(1) > (2)の場合は、減価償却費 = (1) 調整前償却額

(1) < (2)の場合は、減価償却費 = (2) 償却保証額

計算方法を本問に適用します。

200%定率法償却率を求めます。

200%定率法償却率 = ( 1 ÷ 耐用年数 ) x 200% = ( 1 ÷ 5 ) x 2 = 0.4

X1年度からX3年度までは、(1)>(2)の場合に該当するため減価償却額は以下のようになります。

X1年度 300,000 x 0.4 = 120,000

X2年度 ( 300,000 - 120,000 ) x 0.4 = 72,000

X3年度 ( 180,000 - 72,000 ) x 0.4 = 43,200

X4年度の期首帳簿価額は、64,800であるため(1)<(2)になるので減価償却費は下記のようになります。

X4年度 64,800 x 0.5 = 32,400

選択肢1. 18,750円

本選択肢は不正解です。

選択肢2. 25,920円

本選択肢は不正解です。

選択肢3. 30,000円

本選択肢は不正解です。

選択肢4. 32,400円

本選択肢が正解です。

まとめ

減価償却費の求め方は多くの場合、定額法ですが過去に定率法が出題されたこともあります。

出題されても対応できるように計算式はおさえておきましょう。

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