中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問8

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

貸借対照表の表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 売掛金は、代金が回収されるまでの期間の長短にかかわらず流動資産に分類される。
  • 株式は、その保有目的にかかわらず流動資産に分類される。
  • 棚卸資産は、決算日の翌日から起算して1年以内に販売されるものは流動資産に、1年を超えるものは固定資産に分類される。
  • 長期借入金は、時の経過により、返済期日が決算日の翌日から起算して1年以内となっても、固定負債に分類される。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解く際のポイントは以下の通りです:

1. 流動資産と固定資産の基本的な理解: 貸借対照表において、流動資産は短期的に現金化できる資産を指し、固定資産は長期的な利用を意味します。

2. 各項目の特性を理解する: 売掛金は通常流動資産に分類され、株式は固定資産になります。これらの特性を理解することが重要です。

3. 時限としての期間の考慮: 期間が1年以内であるかどうかが資産の分類に影響を与えることがあります。ただし、これは一般的な傾向であり、例外もあることに留意する必要があります。

選択肢1. 売掛金は、代金が回収されるまでの期間の長短にかかわらず流動資産に分類される。

正解です。通常、売掛金は将来のキャッシュインフローとして期待され、流動性があるため、流動資産に分類されます。

選択肢2. 株式は、その保有目的にかかわらず流動資産に分類される。

誤りです。株式は通常、企業の資本構造において固定資産に分類されます。株式は、企業の株主による出資を表し、将来の現金フローには直接関与しないため、流動資産には含まれません。

選択肢3. 棚卸資産は、決算日の翌日から起算して1年以内に販売されるものは流動資産に、1年を超えるものは固定資産に分類される。

誤りです。棚卸資産は通常、企業が製品や商品を保有している間の在庫を示します。販売予定の製品は1年以内に販売されるかどうかに関係なく、流動資産に分類されます。

選択肢4. 長期借入金は、時の経過により、返済期日が決算日の翌日から起算して1年以内となっても、固定負債に分類される。
  • 誤りです。長期借入金は一般的に、返済期限が1年以内の場合には流動負債に分類されます。これは、貸借対照表の負債は、1年という期間を基準に区分するためです。

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02

企業の主目的である営業取引により発生した資産または負債は、原則として流動資産または流動負債して計上することを正常営業循環基準と呼びます。

企業の主目的である営業取引以外で発生したものは、1年以内に入金または支払の期限が到来するものを流動資産または流動負債に属するものとして、期限の到来が1年を超えているものを固定資産または固定負債に属するとする1年基準という考え方があります。

まず、正常営業循環基準に照らして流動資産または流動負債に分類して、そこで分類できなかった資産や負債は1年基準で分類することになります。

上記をふまえて各選択肢を解説します。

選択肢1. 売掛金は、代金が回収されるまでの期間の長短にかかわらず流動資産に分類される。

売掛金は正常営業循環基準に含まれるため、原則として流動資産に分類されます。

そのため本選択肢が正解です。

選択肢2. 株式は、その保有目的にかかわらず流動資産に分類される。

有価証券は保有目的により分類が変わります

証券市場において流通するもので一時的に所有するものは流動資産に属します。

証券市場において流通していないものや、他の企業を支配する等の目的で長期的に保有するものは、固定資産に分類します。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 棚卸資産は、決算日の翌日から起算して1年以内に販売されるものは流動資産に、1年を超えるものは固定資産に分類される。

棚卸資産は正常営業循環基準に含まれるため、流動資産に分類されます。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. 長期借入金は、時の経過により、返済期日が決算日の翌日から起算して1年以内となっても、固定負債に分類される。

長期借入金は企業の主目的以外の取引で発生した債務であるため1年基準で分類します

1年以内に支払の期限が到来するものは流動負債に分類するため、本選択肢は不正解です。

まとめ

正常営業循環基準と1年基準も重要な論点であるため、内容を混同したりしないように学習しておきましょう。

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