中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問9

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

キャッシュ・フロー計算書に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 間接法によるキャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加額は営業活動によるキャッシュ・フローの増加要因として表示される。
  • 資金の範囲には定期預金は含まれない。
  • 支払利息は、営業活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法と財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法の2つが認められている。
  • 有形固定資産の売却による収入は、財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示される。

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この過去問の解説 (2件)

01

キャッシュ・フロー計算書に関する基本的な知識を問う問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 間接法によるキャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加額は営業活動によるキャッシュ・フローの増加要因として表示される。

棚卸資産の増加額は営業活動によるキャッシュ・フローの減少要因として表示します。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. 資金の範囲には定期預金は含まれない。

キャッシュ・フローの計算で対象となる資金の範囲は、現金及び現金同等物とされています。

現金同等物には定期預金も含まれているため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. 支払利息は、営業活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法と財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法の2つが認められている。

支払利息には選択肢のような表示の方法が認められているため、本選択肢が正解です。

選択肢4. 有形固定資産の売却による収入は、財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示される。

有形固定資産の売却による収入は、投資活動によるキャッシュ・フローの区分で表示されるため、本選択肢は不正解です。

まとめ

キャッシュ・フローは過去に何度も出題されている重要論点であるため、確実に得点できるように学習しておきましょう。

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02

キャッシュ・フロー計算書の特徴を押さえておきます。

1. 間接法の特徴:

間接法では、営業活動における現金の変動を示すために、様々な勘定科目の変動が調整される。

例えば、棚卸資産の増加が、商品がまだ現金になっていない在庫として営業活動におけるキャッシュ・フローの減少要因として表示される。

2. 資金の範囲の取り扱い:

キャッシュ・フロー計算書では、企業がどのように資金を定義し、取り扱うかは文脈により異なる。

通常、資金には現金だけでなく、短期・長期の金融資産も含まれ、これには定期預金も含まれることがある。

3. 支払利息の表示方法:

支払利息は、営業活動においては費用として、財務活動においては借入金の支払いとして表示されることがある。

これにより、キャッシュ・フロー計算書が営業活動と財務活動の影響を詳細に反映できる。

4. 有形固定資産の売却による収入:

有形固定資産の売却による収入は通常、投資活動におけるキャッシュ・フローとして扱われる。

資産の売却は企業の投資活動に関連しており、その収益も同様に投資活動に反映される。

選択肢1. 間接法によるキャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加額は営業活動によるキャッシュ・フローの増加要因として表示される。

誤りです。間接法においては、棚卸資産の増加が営業活動におけるキャッシュ・フローの減少要因として表示されることが一般的です。なぜなら、棚卸資産が増加するということは、商品が売れているにも関わらずまだ現金になっていない在庫が増えている可能性があるためです。

選択肢2. 資金の範囲には定期預金は含まれない。

誤りです。資金の範囲には定期預金も含まれる場合があります。キャッシュ・フロー計算書は、企業の現金動向を正確に把握するために広範な資金の取り扱いを考慮に入れる必要があります。

選択肢3. 支払利息は、営業活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法と財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法の2つが認められている。

正解です。

選択肢4. 有形固定資産の売却による収入は、財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示される。

有形固定資産の売却による収入は、主要な営業活動の一環としての性質を持つ資産であれば営業活動、そうでない場合でも投資活動によるキャッシュ・フローの区分で表示されるのが一般的です。必ず財務活動で区分するわけではありません。

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