中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
企業経営理論 問16

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度(2023年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

職務に対する従業員のモチベーションは、組織から与えられる報酬だけではなく、担当する職務の特性それ自体からも影響を受ける。
J.R. ハックマンとG.R. オルダムによって提唱された職務特性モデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 技能多様性、タスク完結性、タスク重要性の度合いが高いほど、従業員はその仕事に価値や意義を見出すようになる。
  • 職務特性モデルでは、従業員の心理状態が中核的な職務特性を介して従業員の仕事の成果に影響を及ぼすと考える。
  • 成長欲求の程度が低い従業員は、その程度が高い従業員と比べて、自律性の高い仕事を与えられた場合に、仕事の結果への責任感をより強く感じる傾向がある。
  • タスク完結性とは、仕事のスケジュールや手順を決めるにあたって、担当者が自己完結的にそれらを自由に決められる程度を指す。
  • 幅広い工程を一貫して担当することが求められるタスクは、細分化された1つの工程を担当するタスクよりもタスク重要性が高い。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

職務特性モデルにおいてモチベーションを高める要因として5つの中核的な職務特性があると示されています。

 

1.技能多様性

2.タスク完結性

3.タスク重要性

4.自立性

5.フィードバック

 

これらの特性が満たされれば、自分の仕事は有意義なものと感じたり、仕事に責任感をもってあたることができたり、仕事の成果をも左右すると論じられています。

 

各特性と選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 技能多様性、タスク完結性、タスク重要性の度合いが高いほど、従業員はその仕事に価値や意義を見出すようになる。

技能多様性、タスク完結性、タスク重要性は、仕事の価値や意義を生み出すものであるため、本選択肢が正解です。

選択肢2. 職務特性モデルでは、従業員の心理状態が中核的な職務特性を介して従業員の仕事の成果に影響を及ぼすと考える。

選択肢の文章は誤っているため正しく直します。

 

職務特性モデルでは、中核的な職務特性従業員の心理状態を介して従業員の仕事の成果に影響を及ぼすと考える。

 

上記の語順が正しいため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 成長欲求の程度が低い従業員は、その程度が高い従業員と比べて、自律性の高い仕事を与えられた場合に、仕事の結果への責任感をより強く感じる傾向がある。

自律性とは仕事の成果に対する責任感をもたらすものです。

選択肢のように仕事の結果への責任感をより強く感じる傾向があるのは、成長欲求の程度が高い従業員であるため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. タスク完結性とは、仕事のスケジュールや手順を決めるにあたって、担当者が自己完結的にそれらを自由に決められる程度を指す。

タスク完結性とは、上流から下流まで、仕事の始まりから終わりまでの流れがまとまりを持っている程度のことです。

自由に仕事のスケジュールや手順を決められるかは自律性に関連しています

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 幅広い工程を一貫して担当することが求められるタスクは、細分化された1つの工程を担当するタスクよりもタスク重要性が高い。

幅広い工程を一貫して担当することが求められていることは、タスク完結性に関連するものです。

タスク重要性とは自分の仕事が他者の仕事や満足度に影響を与えている程度のことです。

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

補足説明です。

技能多様性とは、一つのスキルだけで行う単調なタスクではなく、複数のスキルを活かしてどれだけの仕事をできるかの評価のことです。

職務特性におけるフィードバックは、自分の仕事がどのような成果を上げたのかを分析・評価することです。

過去に出題されたこともあるため、基本的な知識は学習しておきましょう。

参考になった数9

02

職務特性モデルに関する問題です。

選択肢1. 技能多様性、タスク完結性、タスク重要性の度合いが高いほど、従業員はその仕事に価値や意義を見出すようになる。

正解の選択肢となります。

選択肢2. 職務特性モデルでは、従業員の心理状態が中核的な職務特性を介して従業員の仕事の成果に影響を及ぼすと考える。

職務特性モデルでは、中核的な職務特性従業員の心理状態を介して従業員の仕事の成果に影響を及ぼすと考えます。

選択肢3. 成長欲求の程度が低い従業員は、その程度が高い従業員と比べて、自律性の高い仕事を与えられた場合に、仕事の結果への責任感をより強く感じる傾向がある。

成長欲求の程度が高い従業員は、その程度が低い従業員と比べて、自律性の高い仕事を与えられた場合に、仕事の結果への責任感をより強く感じる傾向があります。

選択肢4. タスク完結性とは、仕事のスケジュールや手順を決めるにあたって、担当者が自己完結的にそれらを自由に決められる程度を指す。

タスク完結性とは、仕事のスケジュールや手順を決めるにあたって、担当者が自己完結的にそれらを自由に決められる程度を指すのではありません

職務特性モデルの中にはありませんが、本選択肢では「裁量性の大きさ」を説明しています。

選択肢5. 幅広い工程を一貫して担当することが求められるタスクは、細分化された1つの工程を担当するタスクよりもタスク重要性が高い。

幅広い工程を一貫して担当することが求められるタスクは、細分化された1つの工程を担当するタスクよりもタスク完結性が高いです。

参考になった数7

03

職務特性モデルに関する問題です。

職務特性モデルとは、仕事の内容がその組織における中核的なものになるほど、モチベーションが向上することです。

選択肢1. 技能多様性、タスク完結性、タスク重要性の度合いが高いほど、従業員はその仕事に価値や意義を見出すようになる。

適切です。

選択肢2. 職務特性モデルでは、従業員の心理状態が中核的な職務特性を介して従業員の仕事の成果に影響を及ぼすと考える。

不適切です。

中核的な職務特性が従業員の心理状態に影響を及ぼします。

選択肢3. 成長欲求の程度が低い従業員は、その程度が高い従業員と比べて、自律性の高い仕事を与えられた場合に、仕事の結果への責任感をより強く感じる傾向がある。

不適切です。

成長欲求の程度が高い従業員は、その程度が低い従業員と比べて、自律性の高い仕事を与えられた場合に、仕事の結果への責任感をより強く感じます。

選択肢4. タスク完結性とは、仕事のスケジュールや手順を決めるにあたって、担当者が自己完結的にそれらを自由に決められる程度を指す。

不適切です。

タスク完結性とは、仕事の最初から最後までかかわることができることを指します。

選択肢5. 幅広い工程を一貫して担当することが求められるタスクは、細分化された1つの工程を担当するタスクよりもタスク重要性が高い。

不適切です。

細分化された1つの工程を担当することはタスク完結性につながります。

参考になった数2