中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
企業経営理論 問20
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度(2023年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
J.G. マーチとJ.P. オルセンが示した組織学習サイクル・モデルにおける不完全な学習サイクルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 「曖昧さのもとでの学習」とは、組織の行動がもたらした環境の変化を適切に解釈できず、個人の信念が修正されないことを指す。
- 「傍観者的学習」とは、個人が、環境の変化について傍(かたわ)らから観察しているかのように、自らの行動を変化させないことを指す。
- 「迷信的学習」とは、個人が自ら確信している迷信に従って、自身の行動を変化させ、さらに組織の行動の変化も導こうとすることを指す。
- 「役割制約的学習」とは、環境の変化によって自らの信念が変化した個人がその行動を変化させるものの、そうした変化が自らの役割の範囲内のみにとどまっていることを指す。
- 不完全な学習サイクルとは、「環境の変化→個人の行動→組織の行動→個人の信念」という連結サイクルのいずれかが切断されていることを指す。
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この過去問の解説 (3件)
01
組織学習サイクル・モデルにおける不完全な学習サイクルに関する問題です。
適切です。
不適切です。
傍観者的学習とは、個人の学習による成果が組織の成果につながらない状態のことです。
不適切です。
迷信的学習とは、組織の行動と環境の反応が断ち切られている状態のことです。
不適切です。
役割制約的学習とは、個人の信念が変化したにもかかわらず、組織のルールなどのために行動を変化させることができない状態のことです。
不適切です。
連結サイクルの順番は、「環境の変化→個人の信念→個人の行動→組織の行動→環境の変化」という順番になっております。
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02
組織学習サイクル・モデルに関する問題です。
正解の選択肢となります。
「傍観者的学習」は、個人が自らの行動を変化させないことではありません。(個人は自らの行動を変化させています)
「迷信的学習」は、個人が自ら確信している迷信に従うのではありません。
「役割制約的学習」とは、環境の変化によって個人が自らの信念を変化させますが、その行動は変化しないことです。
不完全な学習サイクルは、連結サイクルのいずれかが切断されているのではありません。
また、連結サイクルは「環境の変化→個人の信念→個人の行動→組織の行動→環境の変化・・・」と循環します。
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03
不完全な学習サイクルとは、個人・組織・環境の3つの要素に注目してサイクル状に続く学習モデルが、何らかの理由によりその過程が断絶して組織学習が進まない状態のことです。
以下の類型に分けて捉えられています。
個人の信念と個人の行動の間の連結が途切れている場合に発生します。
個人が変革の重要性に気づいていたとしても、非合理的な理由で行動に移せない状態です。
個人の行動と組織の行動の間の連結が弱い場合に発生します。
個人が行動を変化させても、非合理的な理由で組織の行動が変化しない状態です。
組織の行動と環境の反応の間の連結があいまいな場合に発生します。
環境の変化を反映せずに、過去に行った組織学習と同じ学習内容を繰り返して過去の成功
体験を踏襲するような状態です。
環境の反応と個人の信念の間の連結に問題がある場合に発生します。
環境変化が大きすぎて、その理由が個人では適切に理解できないため、個人の信念が修正
されないような状態です。
上記を踏まえて各選択肢をそれぞ解説します。
曖昧な情報は個人の主観的な推測を込めた憶測で解釈される傾向があり、その結果環境の変化が個人の信念の修正に結びつかないことになります。
曖昧さのもとでの学習として適切な内容であるため、本選択肢が正解です。
傍観者的学習とは、個人が行動を変化させても、組織の行動が変化しないことを指します。
そのため本選択肢は不正解です。
組織の行動と環境の反応が無関係なままであることです。
そのため本選択肢は不正解です。
個人の信念が変化しても自らの行動は変化しない状態のことです。
組織の慣習、罰則、集団圧力などの要因で個人が行動を変化させられない状態などです。
そのため本選択肢は不正解です。
学習サイクルの順番が誤っています。
1.個人の信念
2.個人の行動
3.組織の行動
4.環境の変化
そしてまた1に戻る。
上記のサイクルが正しいため、本選択肢は不正解です。
不完全な学習サイクルはこれまでにも少なからず出題されているため、基本的な知識は学習しておきましょう。
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