中小企業診断士の過去問 令和5年度(2023年) 企業経営理論 問36
この過去問の解説 (1件)
ブランディングに関する問題です。
BtoBマーケティングでは、ブランディングは不要であるとはいえません。
「ブランディングは不要である」という100%断定表現は、一般的に誤りの選択肢である可能性が高いです。あくまでも可能性が高いというだけなので、他の選択肢と比較検討した上で正誤判断をして頂くことを推奨します。
ブランド強化戦略は、これまで蓄積されたブランド資産を捨てて資産ゼロからスタートしたり、既存ブランドを全く新しいブランドへと置き換えることではありません。
ブランド強化戦略は、文字通り既存ブランドを強化する戦略であるため、ブランド管理の中でもリスクの低い戦略です。
ブランディングが成功しているブランドは、他社ブランドとの機能の違いを知覚させる識別機能を知覚させることで、コモディティ化が進む市場において自社ブランドが選ばれる理由を与えているわけではありません。
本年度のこの科目の別問題で、基本機能や付随機能を問う内容が出題されていますが、基本機能はどの製品にも備わっている(時計であれば「時を刻む」機能)ため、機能の違いを知覚させることが自社ブランドを選んでもらえる理由にはなりません。
デザイン性に優れていたり、世界的に著名であるなど、何らかの点で他社ブランドとの差異がはっきりとしていることで、ブランディングが成功しているということです。
正解の選択肢となります。
ブランドの価値構造において、基本価値、便宜価値はブランドとしての基礎となる価値であり、感覚価値と観念価値は当該ブランドと消費者との間に唯一無二の存在としての絆を形成する価値です。
基本価値:他の選択肢で述べていますが、基本機能ということです。(時計=時を刻む)
便宜価値:使いやすさ、入手しやすい
感覚価値:消費者の主観的な価値(デザインが良いなど)
観念価値:製品のストーリー性
以上から、時刻を知るだけならどのメーカーの時計でも構わない(そもそも、携帯電話でも時刻を知ることはできます)はずですが、あえて高いお金を支払って有名ブランドの時計を購入し、身につける人がいるのは感覚価値や観念価値が及ぼす影響によるものです。
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