中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
企業経営理論 問37
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度(2023年) 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
消費者ニーズの充足や顧客満足の向上を目指すマーケティングにとって、消費者を理解することは不可欠である。企業は、①消費者の購買意思決定プロセスや②消費者に及ぼす心理的効果についての理解を通して、適切なマーケティングを実行していく必要がある。
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
消費者ニーズの充足や顧客満足の向上を目指すマーケティングにとって、消費者を理解することは不可欠である。企業は、①消費者の購買意思決定プロセスや②消費者に及ぼす心理的効果についての理解を通して、適切なマーケティングを実行していく必要がある。
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 購入したブランドの欠点と購入しなかったブランドのベネフィットなどを考えた結果、生じる認知的不協和には、自分なりの基準に見合う商品が見つかれば購入に至るタイプの消費者よりも、選択に膨大な時間と手間をかけて最高の選択をしようとするタイプの消費者の方が陥りやすい。
- 購買意思決定に必要な情報探索は、広告や販売員の説明といった売り手主導のマーケティング情報を探すという外部情報探索と、クチコミなどの買い手によるマーケティング情報を探すという内部情報探索とに分類される。
- 購買意思決定プロセスのスタートは、消費者が満たされていない特定のニーズを認識することから始まるが、こうしたニーズのうち、企業がアンケート調査を実施しても把握することができないニーズは真のニーズである。
- 消費者の意思決定に及ぼす準拠集団の影響の中で、消費者が自分のイメージを高めたりアイデンティティを強化できると期待して、憧れや尊敬を抱く集団と同じブランドを購入したり利用したりするという形で現れる影響のことを情報的影響という。
- 製品関与は、製品やサービスの購入の必要性や緊急性、店舗環境や品揃えなどの購買状況の魅力によって左右される関与のことであり、製品関与が高くなるほど購買決定における情報探索活動は活発になる。
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この過去問の解説 (3件)
01
消費者の購買意思決定プロセスに関する問題です。
正解の選択肢となります。
クチコミなどの買い手によるマーケティング情報を探すことも、外部情報探索になります。
購買意思決定プロセスのスタートは、消費者が満たされていない特定のニーズを認識することから始まるとは言い切れません。
企業がアンケート調査を実施しても把握することができないニーズは真のニーズであることは正しいですが、真のニーズを含む「消費者が満たされていない特定のニーズ」を認識することができるのかどうかも分かりません。
消費者が自分のイメージを高めたりアイデンティティを強化できると期待して、憧れや尊敬を抱く集団と同じブランドを購入したり利用したりするという形で現れる影響のことを価値表出的影響といいます。
製品やサービスの購入の必要性や緊急性、店舗環境や品揃えなどの購買状況の魅力によって左右される関与は、購買関与です。
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02
正解は、「購入したブランドの欠点と購入しなかったブランドのベネフィットなどを考えた結果、生じる認知的不協和には、自分なりの基準に見合う商品が見つかれば購入に至るタイプの消費者よりも、選択に膨大な時間と手間をかけて最高の選択をしようとするタイプの消費者の方が陥りやすい。」です。
【基礎知識】
消費者の購買意思決定プロセスの問題です。
〇購買意思決定プロセス
①問題認識
ニーズの認識。
潜在ニーズ⇒顕在ニーズ⇒ウォンツ⇒需要
②情報探索
・どれぐらい情報を探索するか⇒個人の関与度(関心など)で決まる
(方法)
内部探索:自分自身の記憶や知識から情報を集めること
外部探索:自分以外の情報源から情報を集めること
※関与度が高いと外部探索が多くなる
外部情報:クチコミ、HP、知人からの情報、試供品など
・準拠集団:消費者の行動や態度に影響を与えるグループ
帰属集団:に帰属している集団
願望集団:憧れ
・準拠集団が購買意思決定に与える影響
情報的影響:情報の獲得に関する影響のこと
功利的影響:消費者の行動が他社の好みや評価に影響されること
価値表出的影響:自己と準拠集団を結び付けようとする過程で受ける影響
③代替品の評価:3つのウォンツで評価する
基本ウォンツ:具体的な解決の方向性に対する欲求。最低限満たす必要がある。
条件ウォンツ:解決の方向性を選別するための条件。
期待ウォンツ:当然満たされるべきと思っている暗黙の事柄。
④購買決定
ウォンツがニーズに変換される。
⑤購買後の評価
自身が購入したものを正当であったと評価したいための行動。ずれると認知的不協和を生じる。
正しい。事前の選択に時間をかければかけるほど関与度が高く、ずれが生じた際に認知的不協和を生じやすいです。
誤り。口コミ等も外部探索にあたります。
誤り。問題認識はニーズの把握ですが、真のニーズは企業アンケートで測れないわけではありません。
誤り。情報的影響は情報の獲得に関する影響です。記載は価値表出的影響のことになっています。
誤り。製品関与とは特定の製品等への関心度の高さで購買に関わらず情報探索を行います。記載は購買関与のことになっています。
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03
消費者の購買意思決定プロセスに関する問題です。
適切です。
不適切です。
クチコミなどの買い手によるマーケティング情報を探すことも外部情報探索に分類されます。
不適切です。
企業がアンケート調査を実施しても把握することができないニーズが真のニーズとは言えません。
不適切です。
価値表出的影響の説明です。
不適切です。
製品やサービスの購入の必要性や緊急性、店舗環境や品揃えなどの購買状況の魅力によって左右される関与は、購買関与です。
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