中小企業診断士 過去問
令和5年度(2023年)
問102 (運営管理 問11)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和5年度(2023年) 問102(運営管理 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

経済的発注量に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 1個1期当たりの在庫保管費が増え、1回当たりの発注費が減少した場合、経済的発注量は増える。
  • 1個1期当たりの在庫保管費が変化せず、1回当たりの発注費が増えた場合、経済的発注量は減る。
  • 経済的発注量で発注する場合、在庫保管費用と発注費用が等しくなる。
  • 経済的発注量で発注する場合、在庫保管費用より発注費用が高くなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

経済的発注量(Economic Order Quntity EOQ)とは、簡単に解説するとトレードオフ関係にある発注費用と在庫費用の総計が最も小さくなる発注量のことです。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 1個1期当たりの在庫保管費が増え、1回当たりの発注費が減少した場合、経済的発注量は増える。

選択肢のように在庫保管費が増え、1回当たりの発注費が減少すると、経済的発注量は減少します

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. 1個1期当たりの在庫保管費が変化せず、1回当たりの発注費が増えた場合、経済的発注量は減る。

選択肢のような変化をした場合は、経済的発注量は増加します

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 経済的発注量で発注する場合、在庫保管費用と発注費用が等しくなる。

経済的発注量の説明として適切であるため、本選択肢が正解です。

選択肢4. 経済的発注量で発注する場合、在庫保管費用より発注費用が高くなる。

在庫保管費用と発注費用が等しくなるのが経済的発注量であるため、本選択肢は不正解です。

まとめ

経済的発注量を求める式があるので最後に解説します。

 

EOQ = √2RS / Pi

R:年間消費量 S:1回あたりの発注費用 P:商品の単価 i:在庫の保管費用比率

 

分子が発注費用で分母が保管費用ということになります。

参考になった数13

02

経済的発注量を求める際には、在庫保管費用と発注費用のバランスを考慮します。これは、合計費用を最小化するための条件であり、保管費用と発注費用が等しくなる点が経済的発注量となります。従って、与えられた選択肢の中からこの条件を満たすものを選ぶ必要があります。
 

選択肢1. 1個1期当たりの在庫保管費が増え、1回当たりの発注費が減少した場合、経済的発注量は増える。

誤りです。

1個1期当たりの在庫保管費が増え、1回当たりの発注費が減少した場合、経済的発注量は減少します。できるだけ在庫保管費がかからないよう、少量を頻繁に発注することで、合計費用を最小化できるためです。

選択肢2. 1個1期当たりの在庫保管費が変化せず、1回当たりの発注費が増えた場合、経済的発注量は減る。

誤りです。

1個1期当たりの在庫保管費が変化しない場合でも、1回当たりの発注費が増加すると、経済的発注量は増加します。発注費用が増えると、できるだけ発注費用を抑えるためには発注回数を減らす必要があります。従い、1回の発注で発注する経済的発注量は増加します。

 

選択肢3. 経済的発注量で発注する場合、在庫保管費用と発注費用が等しくなる。

正解です。

経済的発注量では、保管費用と発注費用が等しくなります。保管費用と発注費用が等しくなる点では、追加の在庫を発注することと保管することのコストがバランスされています。この点における在庫量が経済的発注量となり、合計費用を最小化する最適な発注量が求められます。

選択肢4. 経済的発注量で発注する場合、在庫保管費用より発注費用が高くなる。

誤りです。

発注費用が保管費用より高くなると、コストがバランスされなくなるため経済的発注量にはなりません。経済的発注量は合計費用を最小化する点で決定されるため、保管費用と発注費用のバランスに基づいて決まります。

参考になった数0