商品A~Dの、全購買者数をベースとした商品購買における相関関係を問う問題です。
※本問の「解説のまとめ」に、本問の解き方のコツを記載していますのでご一読ください。
本問ではベン図を用いて解くことをお勧めします。
ベン図とは、複数の集合の関係や集合の範囲を視覚的に図式化したもので、例えば商品Aについて円を描き、円の中に商品Aの購買者数を記入します。商品Bについても別途円を描きます。
商品AとBを購入した人もいるので、商品AとBの円はそれぞれ一部が重なるように描き、商品AとBの円が重なっている中に商品AとBの購買者数を記入します。
商品CとDについても、同じ要領で図式化してください。
なお、「ユニークな全購買者数は144人」とは、購入者全員が別々の人(重なりがなく、ユニークである)で144人いる、と理解すればOKです。購入者ごとにレシートが144枚発行されていると解釈すれば分かりやすいです。
選択肢1. 支持度(サポート)の値は、商品Aと商品Dで同じである。
支持度(サポート)の値は、「特定の商品の購入者/レシート発行枚数」により求められます。
その結果、商品Aの支持率は25%(36/144=0.25)、商品Dの支持率は23.6%(34/144=0.236...)となり、支持度(サポート)の値は同じではありません。
商品AとDの購入者数が異なりますので、計算するまでもなく正誤判断できます。
選択肢2. 商品Aからみた商品Bの信頼度(コンフィデンス)は、商品Bからみた商品Aの信頼度(コンフィデンス)より大きい。
商品Aからみた商品Bの信頼度(コンフィデンス)は、「商品AとBの購入者/商品Aの購入者」により求められます。
商品Bからみた商品Aの信頼度(コンフィデンス)は、「商品AとBの購入者/商品Bの購入者」により求められます。
その結果、商品Aからみた商品Bの信頼度(コンフィデンス)は27.7%(10/36=0.277...)、商品Bからみた商品Aの信頼度(コンフィデンス)は41.6%(10/24=0.416...)となり、商品Aからみた商品Bの信頼度(コンフィデンス)は、商品Bからみた商品Aの信頼度(コンフィデンス)より小さいです。
分母が大きい方がコンフィデンスが小さくなるので、分母に注目すれば計算するまでもなく正誤判断できます。
選択肢3. 商品Aと商品Bのジャッカード係数は、商品Cと商品Dのジャッカード係数より小さい。
商品Aと商品Bのジャッカード係数は、「商品AとBの購入者(両方購入した人)」/商品AまたはBの購入者(どちらか片方を購入した人全員)」により求められます。
商品Cと商品Dのジャッカード係数は、「商品CとDの購入者(両方購入した人)」/商品CまたはDの購入者(どちらか片方を購入した人全員)」により求められます。
その結果、商品Aと商品Bのジャッカード係数は20%(10/50=0.2)、商品Cと商品Dのジャッカード係数は15.3%(8/52=0.153...)となり、商品Aと商品Bのジャッカード係数は、商品Cと商品Dのジャッカード係数より大きいです。
ジャッカード係数の分子と分母の違いは、分子が「両方購入した人」のみであるのに対して、分母は「どちらか片方を購入した人」を全員含みます。つまり、Aのみの人も、AとB両方購入した人も含まれます。
選択肢4. 商品Bの支持度(サポート)の値は、4つの商品の中で最小である。
他の選択肢で支持度(サポート)の値を求めていますが、支持度(サポート)の値は、「特定の商品の購入者/レシート発行枚数」により求められます。
その結果、商品AからDまでの支持度(サポート)値は以下のとおりとなります。
商品A:25%(36/144=0.25)※他の選択肢で算出済み
商品B:16.6%(24/144=0.166...)
商品C:18%(26/144=0.18)
商品D:23.6%(34/144=0.236...)※他の選択肢で算出済み
以上から、正解の選択肢となります。
選択肢5. 商品Cからみた商品Dの信頼度(コンフィデンス)は、商品Dからみた商品Cの信頼度(コンフィデンス)より小さい。
他の選択肢で信頼度(コンフィデンス)値を求めていますが、商品Cからみた商品Dの信頼度(コンフィデンス)は、「商品CとDの購入者/商品Cの購入者」により求められます。
商品Dからみた商品Cの信頼度(コンフィデンス)は、「商品CとDの購入者/商品Dの購入者」により求められます。
その結果、商品Cからみた商品Dの信頼度(コンフィデンス)は30.7%(8/26=0.307...)、商品Dからみた商品Cの信頼度(コンフィデンス)は23.5%(8/34=0.235...)となり、商品Cからみた商品Dの信頼度(コンフィデンス)は、商品Dからみた商品Cの信頼度(コンフィデンス)より大きいです。
分母が小さい方がコンフィデンスが大きくなるので、分母に注目すれば計算するまでもなく正誤判断できます。
まとめ
【補足】
本問を1つ1つ計算していくと大変な時間のロスとなることは、説明するまでもないとお分かり頂けると思いますので、本問に関していえば、最も処理しやすい選択肢の計算を最初に行ない、そこで正誤判断がつけば(結果的にそうなりますが)他の選択肢については解く必要はありません。(念のため、計算結果が正しいかどうかの検算は必ず行うようにしてください)
推測になりますが、今回は最も処理しやすい選択肢が正解だったため、作問において選択肢の見極めを試す意図があった可能性があります。
最も処理しやすい選択肢が正解ではなかった場合、各選択肢ごとのポイントに着目してください。たとえば「商品AとDの購入者数が異なる」「分母が大きい(小さい)方がコンフィデンスが小さく(大きく)なる」などです。そのポイントに着目すれば、計算することなく選択肢の正誤判断ができます。