中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営法務 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和5年度(2023年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の会話は、株式会社の設立を考えている甲氏と中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、甲氏は、定款を書面で作成することを考えている。

甲氏 :「これまで、個人で事業を行っていましたが、事業が軌道に乗ってきたので、株式会社を設立したいと思います。新しく設立する会社が発行する株式については、私が引き受ける他に、私の父が設立したX株式会社と私の友人である乙氏にも引き受けてもらうことになっています。ちょっと調べたところ、株式会社を設立する場合には、定款に発起人が署名または記名押印をしなければならないと聞きました。私は発起人になることにしていますが、乙氏も発起人にならなければならないのでしょうか。」
あなた:「( A )。」
甲氏 :「ありがとうございます。では、X株式会社は発起人になることはできるのでしょうか。」
あなた:「( B )。」
甲氏 :「また、株式会社を設立するに際しては、取締役を選任しなければならないと聞きました。会社法では、私は取締役に必ず就任しなければならないのでしょうか。」
あなた:「( C )。」
甲氏 :「定款では、その設立時取締役の定めはしない予定なのですが、この場合、設立時取締役というのは、どのような手続で選任することになるのでしょうか。」
あなた:「( D )。」
甲氏 :「いろいろとありがとうございます。分からないことがあったら、またお伺いします。」
あなた:「お気軽にご相談ください。必要があれば、知り合いの弁護士を紹介します。」

会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • A:発起設立、募集設立のいずれの場合でも、乙氏は発起人にならなければなりません  B:X株式会社は法人なので、発起人になることはできません
  • A:発起設立、募集設立のいずれの場合でも、乙氏は発起人にならなければなりません  B:法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます
  • A:発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません  B:X株式会社は法人なので、発起人になることはできません
  • A:発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません  B:法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます

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この過去問の解説 (2件)

01

株式会社の設立に関する問題です。

本問では、空欄AとBに入る記述の組み合わせが問われています。

空欄A:株式会社の設立方法(発起設立と募集設立)

空欄B:X株式会社は発起人になることができるのかどうか

空欄A・Bの対応しやすい方から選択肢を絞り込めば、2択にすることができます。

結論としては、以下のとおりです。

空欄A:

発起設立→発行する株式すべてを引き受けなければならない

募集設立→発行する株式の一部のみを引き受ければよい

発起」は自ら株式会社を立ち上げる、「募集」は株式会社の発行株式を誰かに一部保有してもらう、という用語のイメージで対応可能かと思います。

空欄B:X株式会社は発起人になることができます

選択肢1. A:発起設立、募集設立のいずれの場合でも、乙氏は発起人にならなければなりません  B:X株式会社は法人なので、発起人になることはできません

A・Bいずれも不適切です。

選択肢2. A:発起設立、募集設立のいずれの場合でも、乙氏は発起人にならなければなりません  B:法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます

Aが不適切です。

選択肢3. A:発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません  B:X株式会社は法人なので、発起人になることはできません

Bが不適切です。

選択肢4. A:発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません  B:法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます

正解の選択肢となります。

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02

発起設立とは、株式会社を設立するときに発行する設立時発行株式をすべて発起人が引き受ける設立方法です。

発起人が複数いてもかまいませんが、出資者は全員発起人になる必要があります

発起人なれるのは、自然人に限定されていません。

株式会社などの法人も発起人になることができます

 

募集設立とは、設立時発行株式を一部は発起人が引き受けて、それ以外は株主を募集して設立する方法です。

 

Aに該当するのは、 発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません です。

Bに該当するのは、 法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます です。

選択肢1. A:発起設立、募集設立のいずれの場合でも、乙氏は発起人にならなければなりません  B:X株式会社は法人なので、発起人になることはできません

本選択肢は不正解です。

選択肢2. A:発起設立、募集設立のいずれの場合でも、乙氏は発起人にならなければなりません  B:法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます

本選択肢は不正解です。

選択肢3. A:発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません  B:X株式会社は法人なので、発起人になることはできません

本選択肢は不正解です。

選択肢4. A:発起設立によって株式会社を設立する場合には乙氏は発起人にならなければなりませんが、募集設立によって株式会社を設立する場合には、必ずしも乙氏は発起人になる必要はありません  B:法人も発起人になることができますので、X株式会社も発起人になることができます

本選択肢が正解です。

まとめ

発起設立と募集設立の大きな違いを簡単に述べると、募集設立の場合は株主の募集と創立総会を行わなければならない点です。

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