中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営法務 問23
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和5年度(2023年) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)で定義される表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 景表法上、比較広告を行うことは一律禁止されている。
- 消費者庁長官から、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められ、当該資料を提出しなかった場合、景表法に違反する表示とみなされる。
- 商品の品質に関して不当表示が行われた場合、景表法の規制対象となるのは不当な表示を行った事業者であって、その表示内容の決定に関与しただけの事業者は、景表法の規制対象とはならない。
- 優良誤認表示及び有利誤認表示に該当するには、表示をした事業者の故意又は過失が必要である。
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「消費者庁長官から、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められ、当該資料を提出しなかった場合、景表法に違反する表示とみなされる。」です。
【基礎知識】
景表法の問題です。
景表法は、企業が商品やサービスの販売にあたって「消費者を誤認させるような不当な広告をすること」と「消費者の判断を誤らせるような過大な景品の提供をすること」を禁止し、不当に顧客を誘引することを防ぐ法律です。
景表法の内容は、大きく2つに分かれます。
① 不当広告の禁止:消費者を誤認させるような不当な広告や表示を禁止しており、以下の3つがあります。
・優良誤認表示の禁止:商品やサービスの品質等が実際よりも著しく優良であるかのような表示をしたり、事実に反して競合他社の商品、サービスよりも著しく優良であるかのような表示をすること。次のルールもあり、厳しい運用となっています。
※不実証広告規制ルール 消費者庁が広告の効果について根拠を求めた際に15日以内に提出がないと優良誤認表示と判断するというルール
・有利誤認表示の禁止:価格や商品の量、アフターサービスなどの取引条件が実際よりも著しく有利であるかのように誤認させる表示をしたり、競合他社の商品、サービスの取引条件よりも著しく有利であるかのように誤認させる表示をすること。
・その他の誇大広告やおとり広告の禁止
【プラスα】ステルスマーケティング規制(令和5年~)
ステルスマーケティングとは、インフルエンサーなどが、実際は企業の依頼を受けて広告しているのに、あたかも本人の感想のようにSNSなどでPRするマーケティング手法です。令和5年10月から規制が始まりました。
② 過大な景品類の提供の禁止:高額な景品で消費者の判断を誤らせることがないよう、景品の上限額等が設けられています。商品や景品の提供方法により金額等が異なります。
・くじなどの一般懸賞
取引額が5,000円未満→景品総額は売上見込み2%まで、景品の最高額は取引価格の20倍まで
取引額が5,000円以上→景品総額は売上見込み2%まで、景品の最高額は10万円まで
・共同懸賞:地域などにおいて共同で実施する懸賞
取引額に関わらず、景品総額は売上見込み3%まで、景品の最高額は30万円まで
・総付景品(すべてにつく景品)
取引額が1,000円未満→景品の最高額は200円まで
取引額が1,000円以上→景品の最高額は取引価格の20%まで
誤り。不当な表示になっている場合に禁止されるもので、競争事業者との比較広告は禁止されていません。ただし、不当とならないために、①比較内容が客観的に実証されている、②実証された数値等が適正に引用されている、③比較方法が公正の3つを抑える必要があります。
正しい。不実証広告規制ルールです。
誤り。表示規制となる対象事業者は不当な表示について、内容決定に関与した事業者となっています。
誤り。不当表示かどうかが問われており、過失の有無等は問われていません。
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02
景品表示法に関する問題です。
本問の正解となっている選択肢は時折ニュースでも報じられることがありますので、知っていれば容易に正解することができます。
景表法上、比較広告を行うことは一律禁止されているわけではありません。
比較広告に関する知識まで知っていなかったとしても、「一律禁止」という強い否定表現に違和感を感じて選択肢から排除することができれば十分です。
正解の選択肢となります。
商品の品質に関して不当表示が行われた場合、景表法の規制対象となるのは不当な表示を行った事業者だけではなく、その表示内容の決定に関与しただけの事業者も景表法の規制対象となります。
優良誤認表示及び有利誤認表示に該当するには、表示をした事業者の故意又は過失は不要です。
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