中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営情報システム 問6

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和5年度(2023年) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

サーバへのアクセス集中はサーバのレスポンス低下を招き、著しく利便性を損なう可能性がある。そこで、ロードバランサ(負荷分散装置)を設置するなどして、適切に負荷を分散させる必要がある。
負荷分散に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • DNSラウンドロビン方式とは、ロードバランサがDNS(Domain Name Server)の機能を持つことによってクライアントのリクエストを振り分ける方式のことである。
  • DSR(Direct Server Return)とは、クライアントからサーバへのリクエスト時にはロードバランサを経由させるが、サーバからクライアントへのレスポンス時にはロードバランサを経由せずに、クライアントにパケットを直接送る仕組みのことである。
  • アダプティブ方式とは、事前に設定された割り当て比率に応じて、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことである。
  • 最速応答時間方式とは、接続数が最も少ないサーバに、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことである。
  • マルチホーミングとは、複数のISP(Internet Service Provider)と契約してインターネット接続回線を複数持つことであり、アクセスが集中してある回線で通信障害が発生したときに、ロードバランサが他の回線に切り替える仕組みのことである。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「DSR(Direct Server Return)とは、クライアントからサーバへのリクエスト時にはロードバランサを経由させるが、サーバからクライアントへのレスポンス時にはロードバランサを経由せずに、クライアントにパケットを直接送る仕組みのことである。」です。

 

【基礎知識】

負荷分散に関する問題です。

 

インターネットの負荷を分散する方法は以下の2つになります。

①    サーバの負荷分散

②    ISP(Internet Service Provider)の二重化

 

〇サーバの負荷分散

サーバの負荷が増加し、速度低下等を起こさないように対策することをロード(負荷)バランシングと言います。リクエストを受けた際に一つのサーバに集中させない方法になります。

 

①    ロードバランサ―を用いた方法

ネットワーク上にロードバランサ―という機器を取り付け、すべてのリクエストを一手に引き受けます。そしてサーバの稼働状況などを踏まえ、リクエストを割り振って、全体的な負荷の平準化を行います。

ネットワーク上のどこに位置するか等で、Two⁻ArmとOne-Armに分かれます。故障したサーバに割り振らないなど、機能が多く、高額になるのが特徴です。

 

②    DNSラウンドロビン方式 

ロードバランサ―のような機械を用いずに、サーバへのリクエストをDNSサーバを用いて振り分けます。DNSサーバではドメインとIPアドレスの紐づけが行われています。それを書き換えることで実現します。来たリクエストを登録したIPアドレスを返すことで分散させます。DNSサーバの書き換えで実現できますので安価ですが、故障サーバの判断等ができず、故障サーバのアドレスを返してしまうといったデメリットがあります。

 

③    重み付けラウンドロビン方式

サーバに優先順位を付け、振り分けるトラフィック量をサーバごとに変えることができます。おもにサーバの処理能力に違いがある場合に使われます。

 

④    最速応答時間方式

サーバからバランサーへのレスポンスの応答時間が最も早いサーバに振り分ける方法になります。

 

⑤    最小接続数方式

コネクションの状況から最もコネクションが少ないサーバを抽出して振り分ける方法になります。

 

⑥    アダプティブ方式

サーバ応答時間、コネクション数、統計値を組み合わせて負荷分散します。

 

〇ISPの二重化

①    マルチホーミング

複数企業と契約し、接続経路(ISP)を複数化して、障害が発生した場合に備える。

 

②    リンクアグリゲーション

一企業との複数契約により、接続経路(ISP)を複数化する方法

選択肢1. DNSラウンドロビン方式とは、ロードバランサがDNS(Domain Name Server)の機能を持つことによってクライアントのリクエストを振り分ける方式のことである。

誤り。DNSサーバで振り分けの設定を行います。ロードバランサではありません。

選択肢2. DSR(Direct Server Return)とは、クライアントからサーバへのリクエスト時にはロードバランサを経由させるが、サーバからクライアントへのレスポンス時にはロードバランサを経由せずに、クライアントにパケットを直接送る仕組みのことである。

正しい。DSRとは、行きはロードバランサを経由してサーバにリクエストが届きますが、戻りはロードバランサを経由する必要はありませんので、直接返すことを言います。

選択肢3. アダプティブ方式とは、事前に設定された割り当て比率に応じて、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことである。

誤り。アダプティブ方式はサーバ応答時間、コネクション数、統計値を組み合わせて判断する方法です。

選択肢4. 最速応答時間方式とは、接続数が最も少ないサーバに、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことである。

誤り。最小接続方式のことです。最速応答時間方式は応答時間の早いサーバに振り分けます。

選択肢5. マルチホーミングとは、複数のISP(Internet Service Provider)と契約してインターネット接続回線を複数持つことであり、アクセスが集中してある回線で通信障害が発生したときに、ロードバランサが他の回線に切り替える仕組みのことである。

誤り。マルチホーミングは1社で複数回線を契約する方式です。

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02

負荷分散に関する問題です。

選択肢1. DNSラウンドロビン方式とは、ロードバランサがDNS(Domain Name Server)の機能を持つことによってクライアントのリクエストを振り分ける方式のことである。

DNSラウンドロビン方式とは、ロードバランサがDNS(Domain Name Server)の機能を持つことではありません

選択肢2. DSR(Direct Server Return)とは、クライアントからサーバへのリクエスト時にはロードバランサを経由させるが、サーバからクライアントへのレスポンス時にはロードバランサを経由せずに、クライアントにパケットを直接送る仕組みのことである。

正解の選択肢となります。

選択肢3. アダプティブ方式とは、事前に設定された割り当て比率に応じて、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことである。

重み付きロードバランシングとは、事前に設定された割り当て比率に応じて、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことです。

選択肢4. 最速応答時間方式とは、接続数が最も少ないサーバに、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことである。

最速応答時間方式とは、応答数が最も短いサーバに、クライアントからのリクエストを振り分ける方式のことです。

選択肢5. マルチホーミングとは、複数のISP(Internet Service Provider)と契約してインターネット接続回線を複数持つことであり、アクセスが集中してある回線で通信障害が発生したときに、ロードバランサが他の回線に切り替える仕組みのことである。

マルチホーミングとは、複数のISP(Internet Service Provider)と契約してインターネット接続回線を複数持つことであり、アクセスが集中してある回線で通信障害が発生したときに、ロードバランサを併用して複数の回線に通信を分散させる仕組みのことです。

参考になった数12