中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営情報システム 問8
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和5年度(2023年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
以下に示す表は、ある小売店が利用している受注管理表の一部である。この表に関する正規化の観点からの記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、枝番は1回の受注で商品コード別に連番で発行される番号であるとし、単価は商品コードによって一意に定まるものとする。
- 第1正規形であるが、第2正規形ではない。
- 第1正規形ではない。
- 第2正規形であるが、第1正規形ではない。
- 第2正規形であるが、第3正規形ではない。
- 第3正規形である。
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この過去問の解説 (2件)
01
正規化に関する問題です。
正規化は頻出論点ですが、本問では与えられている表を見ただけで瞬時に「第1正規形である」ことが判断できなければいけません。第1正規形であると分かれば第2正規形と第3正規形との違いも分かるため、選択肢の正誤判断も含めて本問は15秒程度で正解することができます。
【第1正規形】
1つのセル内に、1つの値しか含まれていない状態のこと。本問で与えられている表が、まさに第1正規形です。
なお、1つのセル内に複数の値が含まれている状態を「非正規形」といいます。
何も整理されていない状態なので、複数の値を別々のセルに分けるなどして1つのセル内に1つの値しか含まれていない状態に整理していくことで、第1正規形に仕上げます。
【第2正規形】
主キーの一部だけで特定できる項目が、別の表に分離されている状態のこと。表の内容によって、主キーは複数存在することがあります。
本問では、別の表に分離されていない状態です。
【第3正規形】
第2正規形で分離された表から、他の主キーを使って更に別の表に分離することができ、なおかつ、これ以上別の表に分離することができない状態のこと。
本問では、与えられている表から全部で3つの表を切り出すことができます。
正解の選択肢となります。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
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02
正解は、「第1正規形であるが、第2正規形ではない。」です。
【基礎知識】
リレーショナルデータベースの正規化の問題です。
データの重複等があると、処理も遅くなりますし、わかりにくいデータベースとなります。
そういった重複等をなくして、整合的にデータベースを取り扱えるようにすることを正規化と言います。
次の3ステップで行われます。
① 第1正規化
データベースは1行を1レコードとして扱います。例えば同じ生産地のりんご、なし、ブドウがあった場合に生産地の列は長野県で1つになっており、生産物の列がりんご、なし、ブドウと別れていた場合には1行1レコードになっていませんので、長野県を3つに分解します(1行ずつのデータにするイメージ)。これを第1正規化と言います。
② 第2正規化
以下のようなテーブルを考えます。
仕入取引番号 仕入先 仕入先住所 仕入先代表者 商品 商品単価 入荷日 入荷数
仕入先が決まると、仕入先住所、仕入先代表者が決まります。この時、仕入先を主キーと呼びます。これらのデータは別のテーブルに切り分けて管理すると、利便性が高くなります。例えば、仕入先代表者が変更になった際、いくつもの行に散らばった変更仕入先を探して、すべてを変更する必要があります。しかし、切り分けておくと、いわゆる仕入先マスタの変更で済みます。
また、仕入状況についても、トランザクション(取引)データとして整理することができます。
以上の整理から最初のテーブルは
(仕入先マスタ)仕入先 仕入先住所 仕入先代表者
(トランザクションデータ) 仕入取引番号 仕入先 商品 商品単価 入荷数 入荷日
に切り分けることができます。
このような整理を第2正規化と言います。
③ 第3正規化
②で挙げたトランザクションデータは仕入取引番号が決まれば、どの日のどの仕入先との取引かが決まりますので、他の項目も決まります。しかし、データベースの中に、商品が決まると商品単価が決まるという、主キー(ここでは仕入取引番号)以外のキーに従属する関係があります。これを切り出すことを第3正規化と言います。
最終的には、当初のデータベースは
(仕入先マスタ)仕入先 仕入先住所 仕入先代表者
(トランザクションデータ) 仕入取引番号 仕入先 商品 入荷数 入荷日
(商品マスタ) 商品 商品単価
で正規化することができました。
【選択肢評価】
1行1レコードになっていますので、第1正規化は終えています。
商品コードと商品単価は別データベースで商品マスタとして管理ができますので、第2正規化は終了していないことがわかります。また、受注日、得意先コードも重複しており、別データベースでの管理が可能です。
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