中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営情報システム 問17

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和5年度(2023年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

システム開発に利用されるモデリング手法には、DFD、ER図、UMLなどがある。それぞれの手法に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  DFDは、データの流れに着目して対象業務のデータの流れと処理の関係を記述する。
b  ER図は、システムの状態とその遷移を記述する。
c  UMLにおけるアクティビティ図は、システムが提供する機能を記述する。
d  UMLにおけるシーケンス図は、オブジェクト間の相互作用を時系列に記述する。
e  UMLにおけるユースケース図は、業務や処理の実行順序を記述する。
  • aとc
  • aとd
  • bとd
  • bとe
  • dとe

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「aとd」です。

 

【基礎知識】

モデリング手法に関する問題です。

 

システム開発のために、まず業務の流れやデータの分析を行う必要があります。

モデリング(図式化)はその技法であり、代表的なものは以下の通りです。実際の図を見ないと理解が難しいかと思いますが、概念について確認してください。

 

①   DFD(Data Flow Diagram)

システム処理とデータの流れを図式化したもの。時間的情報は表現しない。

使われる記号の代表的なものは以下の通り。

□   データの発生源、行先

〇 データの処理(加工、変換等)

→ データフロー

= データストア(ファイルやデータベース)

 

②   ER図(Entity Relationship Diagram)

データベースを設計したりする際にER図が用いられる。データをエンティティ(実体)とリレーションシップ(関連)に分けて表現する。エンティティはヒト、モノ等を表し、リレーションシップはエンティティ間の関連を表す。また、エンティティの属性を表すものをアトリビュートという。

 

③   UML(Unified Modeling Language)

データ構造や処理の流れなどソフトウェアに関連する様々な設計や仕様を図示するための記法を定めたもの。システムの構造を表す構造図とシステムの振る舞いを表す振る舞い図に分かれる。人により異なる表現を統一している。

 

(構造図)

・クラス図

システムを構成するクラス(名前、属性など)間の関係を表す。

 

・オブジェクト図

クラス図は関係を表したが、オブジェクト図はさらに実際にプログラムは動作した際にどういった状態になるのかも表す。

 

・コンポーネント図

オブジェクトやコンポーネント(コンピュータや機械、部品)の物理的な配置関係を示す図。

 

(振る舞い図)

・ユースケース図

システムの利用方法や手順などを示す際に使う図。システムがどういった機能を提供しているかもわかる。

 

・シーケンス図

相互作用図ともいう。時系列に沿ってメッセージの順番を表現するのに用いられる。

 

・コミュニケーション図

こちらも相互作用図の1つ。シーケンス図は時系列に沿って上から順に記載しているが、コミュニケーションズではどのオブジェクトとどのオブジェクトが関係して、どういうメッセージを出すのかを表現している。

 

・ステートマシーン図

オブジェクトの状態が外部からの刺激に対し、どのように変化するかを表した図。

 

・アクティビティ図

オブジェクトがどのような処理をするかといった作業のプロセスを表現した図。

 

④   状態遷移図

発生した事象に応じてシステムがどのように遷移するのかを表現。プログラム設計などに利用。

 

 

a:正しい。記載の通りです。

 

b:誤り。ER図はエンティティ(実体)とリレーションシップ(関係)を表します。

選択肢文は状態遷移図のことです。

 

c:誤り。アクティビティ図はオブジェクトがどのような処理をするかといった作業プロセスを表現します。

選択肢文はユースケース図などです。

 

d:正しい。記載の通りです。

 

e:誤り。ユースケース図はシステムの利用方法や手順などを示す際に使います。

選択肢文はアクティビティ図のことです。

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02

モデリング手法の記述内容を問う問題です。

解答群の説明から正誤判断することが可能であり、是非とも正解したいところです。

 

b:状態遷移図の内容です
c:ユースケース図の内容です

e:アクティビティ図の内容です

選択肢1. aとc

不適切な選択肢です。

選択肢2. aとd

正解の選択肢となります。

選択肢3. bとd

不適切な選択肢です。

選択肢4. bとe

不適切な選択肢です。

選択肢5. dとe

不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

本問の結果を見ると、アクティビティ図とユースケース図の説明を入れ替えて引っ掛け問題にしていることが分かります。

 

説明をただ読んでいるだけでは判断がつかないこともあるため、解答群をすべて比較することで説明を入れ替えていることが判断できれば、本問では5択→3択に絞り込むことができます。

 

一次試験はマークシートのため、正解が問題用紙のどこかに必ず書かれています。

すべての選択肢や解答群を比較検討して、消去法で正解に辿り着くというテクニックを身に付けることを意識して、過去問題の復習に取り組んでみることをお勧めします。

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