中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
中小企業経営・中小企業政策 問4
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和5年度(2023年) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
厚生労働省「雇用保険事業年報」に基づき、小売業、宿泊業・飲食サービス業、製造業について、2020年度の開業率と廃業率を全産業平均と比較した場合の記述として、最も適切なものはどれか。
なお、開業率は、当該年度に雇用関係が新規に成立した事業所数を前年度末の適用事業所数で除して算出する。廃業率は、当該年度に雇用関係が消滅した事業所数を前年度末の適用事業所数で除して算出する。適用事業所とは、雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立している事業所である(雇用保険法第5条)。
なお、開業率は、当該年度に雇用関係が新規に成立した事業所数を前年度末の適用事業所数で除して算出する。廃業率は、当該年度に雇用関係が消滅した事業所数を前年度末の適用事業所数で除して算出する。適用事業所とは、雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立している事業所である(雇用保険法第5条)。
- 小売業は、開業率、廃業率とも全産業平均を下回っている。
- 小売業は、開業率は全産業平均を上回り、廃業率は全産業平均を下回っている。
- 宿泊業・飲食サービス業は、開業率、廃業率とも全産業平均を上回っている。
- 宿泊業・飲食サービス業は、開業率は全産業平均を上回り、廃業率は全産業平均を下回っている。
- 製造業は、開業率、廃業率とも全産業平均を上回っている。
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「宿泊業・飲食サービス業は、開業率、廃業率とも全産業平均を上回っている。」です。
【基礎知識】
雇用保険事業年報からの出題です。
出所は色々ありますが、結局中小企業白書で二次利用として扱われたデータが出ていますので、中小企業白書を抑えておけば回答が可能です。
特に、上位1~3位やワースト、小売業、製造業、建設業などの数値は押さえるようにしましょう。
(開業率)
1位 宿泊業・飲食サービス業
2位 生活関連サービス業、娯楽業
3位 電気・ガス・水道・熱供給
全業種平均
9位 建設業
10位 小売業
16位 製造業
(廃業率)
1位 宿泊業・飲食サービス業
2位 生活関連サービス業、娯楽業
3位 金融業、保険業
4位 小売業
全業種平均
12位 建設業
13位 製造業
このデータは2022年度版白書、2023年度版白書両方に掲載されていますが、聞かれている業種は同じ傾向となっています。
誤り。廃業率は上回っていますが、開業率は下回っています。
誤り。開業率と廃業率の記載が反対です。
正しい。両方とも1位となっています。
誤り。開業率、廃業率ともに1位です。
誤り。製造業は両方とも平均を下回っています。動きが少ないことがわかります。
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02
小売業、宿泊業・飲食サービス業、製造業の、2020年度の開業率と廃業率を全産業平均と比較した場合の知識を問う問題です。
小売業、宿泊業・飲食サービス業、製造業の3業種間での比較ではなく、全業種平均との比較である点に注意が必要です。
ただ、その場合においても、宿泊業・飲食サービス業は開廃業率ともに高いというイメージはあると思いますので、この知識があるだけでも本問では正答することが可能です。
冒頭の解説より、小売業の廃業率は全産業平均を上回っています。
冒頭の解説より、小売業は、開業率は全産業平均を下回り、廃業率は全産業平均を上回っています。
冒頭の解説より、正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、宿泊業・飲食サービス業は、開業率と廃業率とも全産業平均を上回っています。
冒頭の解説より、開業率、廃業率とも全産業平均を下回っています。
【補足】
他の問題で似たような解説をしていますが、宿泊業・飲食サービス業は開廃業率ともに高い理由としては、宿泊業・飲食サービス業の参入障壁が低いことが挙げられます。
特に飲食サービス業は、10坪程度の居抜き物件などを探せば初期投資費用を小さくすることができるため、初期投資が少なければ(廃業する)見切りを早くつけることができるという事情があると思われます。
その反面、製造業は資本も設備も必要になるため、相対的に他の産業よりも開業しづらく、設備投資の資金を回収する必要があることから廃業する見切りは遅くなる(安易に廃業することができない)産業であるといえます。
なお、本問では2020年度の開業率と廃業率が問われており、新型コロナの影響を考慮すべきなのかどうかという疑問があるかと思いますが、何も記述がなければ考慮する必要はないと考えます。
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