中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
中小企業経営・中小企業政策 問14

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和5年度(2023年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、2003年度から2020年度の期間について、中小企業の従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の推移を見た場合、製造業、非製造業ともに( A )傾向にある。また、企業規模別に上位10%、中央値、下位10%の労働生産性の水準(2020年度)を見ると、中小企業の上位10%の水準は、大企業の中央値を( B )いる。大企業の下位10%の水準は、中小企業の中央値を( C )いる。
そして、2007年度から2020年度の期間について、企業規模別に労働分配率の推移を見ると、企業規模による違いがみられる。
なお、ここで大企業とは資本金10億円以上、中小企業とは資本金1億円未満の企業とする。また、労働分配率とは、付加価値額に占める人件費の比率とする。

文中の下線部について、企業規模別に労働分配率の推移を見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。
なお、ここで大企業とは資本金10億円以上、中規模企業とは資本金1千万円以上1億円未満、小規模企業とは資本金1千万円未満の企業とする。
  • 小規模企業は、大企業よりも低く、中規模企業よりも高い。
  • 小規模企業は、中規模企業よりも低く、大企業よりも高い。
  • 大企業は、小規模企業よりも低く、中規模企業よりも高い。
  • 大企業は、中規模企業よりも低く、小規模企業よりも高い。
  • 中規模企業は、小規模企業よりも低く、大企業よりも高い。

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この過去問の解説 (2件)

01

小規模企業、中規模企業、大企業別の、労働分配率の推移を問う問題です。

本問は対応しやすい論点であるため、確実に正答しなければいけません。

 

与件文に明記されているように、労働分配率とは付加価値額に占める人件費の比率であり、「労働分配率=(人件費/付加価値額)×100%」の計算式で求めることができます。

言い換えれば、「企業が得た利益から、どれだけ人件費に配分されているか」ということです。

 

「中小企業は(大企業と比較して)労働分配率が高い」という一般的なイメージがあると思います。また、労働分配率は企業のコスト構造に大きく関係しているため、その推移は短期間で劇的に変化するものではありません。

選択肢1. 小規模企業は、大企業よりも低く、中規模企業よりも高い。

不適切な選択肢です。

選択肢2. 小規模企業は、中規模企業よりも低く、大企業よりも高い。

不適切な選択肢です。

選択肢3. 大企業は、小規模企業よりも低く、中規模企業よりも高い。

不適切な選択肢です。

選択肢4. 大企業は、中規模企業よりも低く、小規模企業よりも高い。

不適切な選択肢です。

選択肢5. 中規模企業は、小規模企業よりも低く、大企業よりも高い。

正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

労働分配率の数値としては、小規模企業で90%前後、中規模企業で80%程度、大企業で60%弱とざっくり覚えていれば十分です。

 

また、損益計算書(P/L)をイメージしていただければ分かりますが、労働分配率が低いほど営業利益は大きくなります(営業利益をより多く残すことができる)ので、労働分配率は低い方が望ましいです。

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02

正解は、「中規模企業は、小規模企業よりも低く、大企業よりも高い。」です。

 

【基礎知識】

こちらも中小企業白書2022年度版(Ⅰ‐77)からの出題です。

 

グラフからわかることは以下の通りです。

・大企業に比べ、中規模・小規模企業は労働分配率が高止まりしている

・企業規模が小さくなるほど、労働分配率が高い。

 

【選択肢評価】

労働分配率は企業規模に反比例していますので、

  小規模企業 > 中規模企業 > 大企業

となっています。

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