中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問40 (財務・会計 問14(1))

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問40(財務・会計 問14(1)) (訂正依頼・報告はこちら)

以下の資料はE社の連結財務諸表に基づいて計算された財務指標を示している。この資料に基づき、下記の設問に答えよ。なお、株主資本、自己資本および純資産は同額である。

E社のROEとして、最も適切なものはどれか。
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  • 1.23 %
  • 5.34 %
  • 5.70 %
  • 9.50 %

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、E社の財務指標から自己資本利益率(ROE)を求めるものです。ROEは、企業が自己資本を使ってどれだけの利益を生み出しているかを示す指標で、企業の収益性や効率性を評価する際に重要です。

与えられた財務指標には、自己資本比率配当性向株主資本配当率(DOE)、株価収益率(PER)が含まれています。特に、ROEを求めるためには、DOEと配当性向の関係を利用します。

株主資本配当率(DOE)の計算式:DOE=ROE×配当性向

 

ROEの計算

DOEの計算式をROEに対して解き直します。

ROE=DOE÷配当性向

数値の代入

問題で与えられている数値を代入します。

DOE = 3.42%

配当性向 = 36.00%(= 0.36)

ROE=3.42÷0.36=9.5%

選択肢1. 1.23 %

この選択肢は不適切です。

選択肢2. 5.34 %

この選択肢は不適切です。

選択肢3. 5.70 %

この選択肢は不適切です。

選択肢4. 9.50 %

この選択肢は適切です。

まとめ

ROE(自己資本利益率)は、DOE(株主資本配当率)を配当性向で割ることで求めることができます。

ROEの目安:高いROEは、少ない資本で効率的に利益を上げていることを意味し、企業の収益性が高いと評価されます。

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02

ROEを問う問題です。

 

ROEの計算式は「(当期純利益÷自己資本)×100%」により求められますが、与えられている資料にはROEの数値が出ていないため、当期純利と自己資本を含む指標を探します。

 

・配当性向:(配当金÷当期純利益)×100%

・株主資本配当率:(配当金÷自己資本)×100%

の2つにROEの構成要素が含まれており、配当性向を逆数にする(分母と分子をひっくり返す)とROEの計算式になり、配当金が分母と分子にあるのでお互いに消去することができます。

 

与件文に「株主資本、自己資本および純資産は同額」とありますので、具体的な数値を置けば求めることができます。

・配当性向:36.00%のため、36÷100を逆数にすると1/36(36分の1)

・株主資本配当率:3.42%

から、3.42×1/36=3.42/36=0.095=9.5%となります。

 

逆数にしたり計算が面倒な場合、単位だけを揃えて求めても同じ結果を出すことができます。

・配当性向:36.00%のため、×100で3600にする

・株主資本配当率:3.42%のため、×100で342にする

342÷3600=0.095=9.5%となります。

選択肢1. 1.23 %

冒頭の解説より、E社のROEは9.50%であるため不適切な選択肢です。

選択肢2. 5.34 %

冒頭の解説より、E社のROEは9.50%であるため不適切な選択肢です。

選択肢3. 5.70 %

冒頭の解説より、E社のROEは9.50%であるため不適切な選択肢です。

選択肢4. 9.50 %

冒頭の解説より、E社のROEは9.50%であるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

他の指標を組み合わせたり、逆数にするなど手間がかかる設定にして試験で出題しないと全員が正解できてしまうので、得点差を付けるために複雑にするのは当たり前です。2次試験を見据えて考えると、「面倒だなぁ」とは言っていられません。

 

ROEを問う本問は財務分析の論点になりますが、2次試験の事例Ⅳ第1問で必ず財務分析が出題されます。2次試験の事例Ⅳでは電卓が使えるため、殆どの受験生は第1問で満点を取ってきます。(つまり、事例Ⅳ第1問では殆ど得点差は付きません)

 

1次試験は8月第1週の週末土日に実施され、1次試験は10月下旬の日曜日に実施されるため、2ヶ月半くらいの間隔しかありません。2次試験の事例Ⅳ第1問で必ず財務分析が出題されるため、時間を逆算して考えると財務分析は1次試験に合格してから対策するのではなく、1次試験を受験する時点では対策が終わっている必要があります。

 

1次試験から2次試験までの2ヶ月半くらいの期間には、事例Ⅳでは2次試験の財務分析以外の論点に時間を割いて学習します。

(事例Ⅳ第1問の財務分析はほぼ満点が取れる前提で、2次試験の学習を始めます)

また、事例Ⅰ~Ⅲの学習時間も必要になります。(2次試験では科目合格制度はなく、一発勝負です。)

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