中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
財務・会計 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度 再試験(2023年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
モジリアーニ・ミラー理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、株式市場は完全で、取引コストは存在しないものとする。
- 法人税が存在するとき、負債の利用度が高まるほど、株主資本コストは低下する。
- 法人税が存在するとき、負債の利用度が高まるほど、全社的加重平均資本コストは低下する。
- 法人税がないとき、負債の利用度が高まるほど、株主資本コストは低下する。
- 法人税がないとき、負債の利用度が高まるほど、全社的加重平均資本コストは低下する。
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題は、モジリアーニ・ミラー理論(MM理論)の基本概念とその拡張について理解することがポイントです。MM理論は、企業の資本構成(負債と株主資本の比率)が企業価値や資本コストに与える影響を分析する理論です。
MM理論には、法人税が存在しない場合(MM理論命題I・II)と法人税が存在する場合の2つのケースがあります。特に、法人税が存在する場合には、負債により税の節約効果(節税効果)が生じ、企業の全体的な資本コストが低下する可能性があります。
法人税が存在する場合、負債の利用度が高まると、負債が企業全体のリスクを上昇させるため、株主は高いリターン(株主資本コスト)を求めるようになります。したがって、株主資本コストは上昇します。
法人税が存在する場合、負債を利用することで利息による節税効果が得られ、企業の全体的な資本コスト(加重平均資本コスト)が低下します。これは、負債が節税効果をもたらし、企業価値を高める結果を導くためです。
法人税がない場合、負債の利用度が高まると、株主は負債により増加するリスクを考慮し、より高いリターンを求めます。したがって、株主資本コストは上昇します。
法人税がない場合、MM理論命題Iに基づき、負債比率が変わっても全社的な加重平均資本コスト(WACC)は変わりません。法人税がない場合には、企業価値は資本構成に影響されないため、負債比率の変化がWACCに影響を与えることはありません。
MM理論命題I(法人税なし)では、負債比率が変わっても企業の価値は変わらず、加重平均資本コスト(WACC)も一定です。
MM理論命題II(法人税なし)では、負債比率が高まると株主資本コストは上昇しますが、全体のWACCは変わりません。
法人税ありのMM理論では、負債を利用することで利息の節税効果が生じ、企業全体の資本コスト(WACC)が低下します。
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