中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問48 (財務・会計 問21)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問48(財務・会計 問21) (訂正依頼・報告はこちら)
- 行使価格が500円のコールオプションはアット・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は80円である。
- 行使価格が520円のコールオプションはイン・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は20円である。
- 行使価格が580円のプットオプションはイン・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は80円である。
- 行使価格が620円のプットオプションはアウト・オブ・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は-120円である。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、オプションの状態(アット・ザ・マネー、イン・ザ・マネー、アウト・オブ・ザ・マネー)と本源的価値の計算についての理解を問うものです。
アット・ザ・マネー(ATM):原資産価格と行使価格が同じ。
イン・ザ・マネー(ITM):コールオプションなら原資産価格が行使価格を上回り、プットオプションなら行使価格が原資産価格を上回る。
アウト・オブ・ザ・マネー(OTM):コールオプションなら原資産価格が行使価格を下回り、プットオプションなら行使価格が原資産価格を下回る。
行使価格が500円で原資産価格も500円なので、アット・ザ・マネー(ATM)の状態です。しかし、ATMの場合、本源的価値は0円であるため「80円」という記述は誤りです。
行使価格が520円で原資産価格が500円の場合、コールオプションはアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)の状態であり、本源的価値は0円です。
行使価格が580円で原資産価格が500円の場合、プットオプションはイン・ザ・マネー(ITM)であり、本源的価値は80円(580円 - 500円)となります。
プットオプションは本源的価値が0以上であるため、負の値にはなりません。620円のプットオプションはイン・ザ・マネーで、計算上の本源的価値は120円です。
コールオプションの本源的価値は、原資産価格から行使価格を引いた値(0以下であれば0円)。
プットオプションの本源的価値は、行使価格から原資産価格を引いた値(0以下であれば0円)。
オプションの状態:イン・ザ・マネー、アット・ザ・マネー、アウト・オブ・ザ・マネーの違いを理解すること。
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02
オプションに関する問題です。オプションは2次試験の事例Ⅳで出題されることもあり(毎年ではありません)、1次試験から対応できていれば2次試験対策の負担が小さくなります。
本問ではオプション取引の専門用語が出てくるため、以下に解説します。
・コールオプション:権利行使価格で買う権利のこと
・プットオプション:権利行使価格で売る権利のこと
・アット・ザ・マネー(At the Money、ATM):原資産の価格と権利行使価格が同じ状態であること
・イン・ザ・マネー(In The Money, ITM):権利行使価格が現在の市場価格に対して有利であり、オプションを行使することで利益を得ることができる状態のこと
・アウト・オブ・ザ・マネー(Out of the Money, OTM):権利行使価格が原資産の市場価格よりも不利であり、オプションを行使をしても損失が発生するため権利行使しない状態のこと
コールオプションの行使価格が500円であれば、原資産価格が500円と同額であるため、オプションの本源的価値は0円であり不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、アット・ザ・マネーの状態にあることは正しいです。
コールオプションの行使価格が520円であれば、原資産価格が500円より20円高い状態です。
冒頭の解説よりコールオプションは権利行使価格で買う権利のことであり、20円割高な状態で買うと不利になります。
したがって、アウト・オブ・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は0円のため不適切な選択肢です。
プットオプションの行使価格が580円であれば、原資産価格が500円より80円高い状態です。
冒頭の解説よりプットオプションは権利行使価格で売る権利のことであり、80円割高な状態で売ると有利になります。
したがって、イン・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は80円であるため正解の選択肢となります。
プットオプションの行使価格が620円であれば、原資産価格が500円より120円高い状態です。
冒頭の解説よりプットオプションは権利行使価格で売る権利のことであり、120円割高な状態で売ると有利になります。
したがって、イン・ザ・マネーの状態にあり、オプションの本源的価値は120円であるため不適切な選択肢です。
※なお、オプションの本質的価値がマイナスになることはない(価値がなければ0円です)ため、オプションの本質的価値がマイナスという記述だけで誤りの選択肢であると判断することができます。
【補足】
冒頭の解説より、オプションは毎年ではありませんが2次試験の事例Ⅳで出題されることもあります。
コールなのかプットなのか、現在の状態は有利なのか不利なのかが判断できれば間違えることはありません。
2次試験で出題される場合はオプション料の論点も加わることがあり、もっと複雑な内容になりますが、1次試験の時点では本問のレベル感で解けることが望ましいです。
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