中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問55 (企業経営理論 問6)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問55(企業経営理論 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

ファミリービジネスを分析するときに使われるフレームワークに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 4Cモデルでは、高い永続性をもつファミリービジネスから抽出した4つの特性として、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Commitmen(コミットメント)、Command(コマンド)が挙げられている。

  • スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変わらないものとして長期的な戦略を立てることが推奨される。
  • スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの創業者であるが所有も経営もしていない者は、ファミリービジネスの一員とはみなされない。
  • スリー・ディメンション・モデルでは、ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の3次元から、ファミリービジネスの現在の状況を分析することが目的とされている。
  • パラレル・プランニング・プロセス・モデル(PPPモデル)では、ファミリービジネスは非経済的な側面と経済的な側面を両立するような経営をしなければならないと主張されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

ファミリービジネスの分析に使うフレームワークとして代表的なものとして、ファミリービジネスを構成する要素をオーナーシップ(所有)、ビジネス(事業)、ファミリー(家族)の 3 つのサブシステムに分類しているモデルスリー・サークル・モデルが挙げられます。

本問の選択肢としても出されています。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1.

4Cモデルでは、高い永続性をもつファミリービジネスから抽出した4つの特性として、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Commitmen(コミットメント)、Command(コマンド)が挙げられている。

4Cモデルの特性は以下の4つです。

 

Continuity(持続性)

Community(コミュニティ)

Connection(コネクション)

Command(コマンド)

 

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変わらないものとして長期的な戦略を立てることが推奨される。

ファミリービジネスの関係者の立ち位置を把握したり、整理したりします。

関係者の利害関係は変化するものとして、長期的な戦略を立てることが推奨されています。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの創業者であるが所有も経営もしていない者は、ファミリービジネスの一員とはみなされない。

創業者であるが所有も経営もしていない者もファミリービジネスの一員とみなします

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. スリー・ディメンション・モデルでは、ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の3次元から、ファミリービジネスの現在の状況を分析することが目的とされている。

スリー・サークル・モデルの3つのサブシステムに時間経過による変化を組み込んだフレームワークです。

現在の状況の分析に用いるものではありません。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. パラレル・プランニング・プロセス・モデル(PPPモデル)では、ファミリービジネスは非経済的な側面と経済的な側面を両立するような経営をしなければならないと主張されている。

本選択肢が正解です。

まとめ

スリー・サークル・モデルは学習している方も多く、選択肢の内容も不自然な内容でした。

他の選択肢にも不自然な箇所があるので、消去法で正解を絞り込むことは不可能ではなかったかと思います。

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02

ファミリービジネスを分析するときに使われるフレームワークに関する問題です。中小企業は同族(ファミリー)経営が多く、ファミリービジネスに関する出題は度々見られます。

 

以下、各選択肢で問われている論点を整理します。

 

4Cモデル

ファミリービジネスが長寿企業として成長していく上で欠かせない、4つの要素を定義したものです。

4つの要素には、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Connection(コネクション)、Command(コマンド)があります。

 

・スリー・サークル・モデル

「家族」「所有」「経営」の3つの視点から、関係性や課題を可視化します。

中小企業は同族(ファミリー)経営のため、親から子、子から孫へと事業承継されていくにつれて、ファミリーの利害関係は変化し得ます。

なお、兄から兄の子(実子)ではなく弟(実弟)に承継されることもあるため、親戚や従兄弟(従姉妹)も広義のファミリーに含まれます。

 

・スリー・ディメンション・モデル

スリー・サークル・モデルでも挙げられている3つの視点(「家族」「所有」「経営」)に時間軸を加え、「家族」「所有」「経営」のそれぞれが時間とともに変化する様子をモデル化しています

 

パラレル・プランニング・プロセス・モデル(PPPモデル)

ファミリービジネスは、仕事が終わってからも家で仕事の話をするなどプライベート(家)とビジネス(事業)が混在してしまう傾向にあります。そのため、家と仕事という相反する将来設計を円滑に進めることを目的としています。

選択肢1.

4Cモデルでは、高い永続性をもつファミリービジネスから抽出した4つの特性として、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Commitmen(コミットメント)、Command(コマンド)が挙げられている。

冒頭の解説より、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Connection(コネクション)、Command(コマンド)であるため不適切な選択肢です。

選択肢2. スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変わらないものとして長期的な戦略を立てることが推奨される。

冒頭の解説より、スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変化し得るものとして長期的な戦略を立てることが推奨されるため不適切な選択肢です。

選択肢3. スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの創業者であるが所有も経営もしていない者は、ファミリービジネスの一員とはみなされない。

「所有も経営もしていない」ため、おそらく引退されていると推測されますが、ファミリービジネスの創業者であることは変わりませんのでファミリービジネスの一員とみなされます

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢4. スリー・ディメンション・モデルでは、ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の3次元から、ファミリービジネスの現在の状況を分析することが目的とされている。

冒頭の解説より、スリー・ディメンション・モデルでは、ファミリービジネスの時間とともに変化する様子を分析することが目的とされているため不適切な選択肢です。

選択肢5. パラレル・プランニング・プロセス・モデル(PPPモデル)では、ファミリービジネスは非経済的な側面と経済的な側面を両立するような経営をしなければならないと主張されている。

冒頭の解説より、正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

ファミリービジネスが、プライベートとビジネスが混在してしまう傾向にある、したがって経営と所有が一体化していることが理解できれば、消去法で正解することは可能です。

 

対して、一部の例外はありますが、大企業では一般的に経営と所有は分離されています。対比すると違いが分かりやすいので、過去問題で復習していくと理解は進むと思います。

 

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03

ファミリービジネスとは、創業一族が経営し、株式を保有している企業のことです。

選択肢1.

4Cモデルでは、高い永続性をもつファミリービジネスから抽出した4つの特性として、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Commitmen(コミットメント)、Command(コマンド)が挙げられている。

4Cモデルは、Continuity(持続性)、Community(コミュニティ)、Connection(コネクション)、Command(コマンド)の4つの特性から構成されています。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢2. スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの関係者の既存の利害関係を変わらないものとして長期的な戦略を立てることが推奨される。

スリーサークルモデルとは、ファミリービジネスにおける主要な利害関係者を3つの円で表現するフレームワークのことです。

既存の利害関係を変わるものとして長期的な戦略を立てることが推奨されます。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢3. スリー・サークル・モデルでは、ファミリービジネスの創業者であるが所有も経営もしていない者は、ファミリービジネスの一員とはみなされない。

創業者であるが所有も経営もしていない者は、ファミリービジネスの一員とみなします。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢4. スリー・ディメンション・モデルでは、ファミリー軸、ビジネス軸、オーナーシップ軸の3次元から、ファミリービジネスの現在の状況を分析することが目的とされている。

スリー・ディメンション・モデルは、現在の状況ではなく、時間の経過による変化を分析することが目的です。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢5. パラレル・プランニング・プロセス・モデル(PPPモデル)では、ファミリービジネスは非経済的な側面と経済的な側面を両立するような経営をしなければならないと主張されている。

PPPモデルとは、利益追求だけでなく、家族の価値観や社会的責任も考慮する枠組みのことです。これにより、持続可能な経営が実現します。 

そのため、正しい選択肢です。
 

 

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