中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
企業経営理論 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度 再試験(2023年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

「業界の構造分析」の枠組みに基づいて考えられる、売り手X業界とその顧客であるY業界との間での交渉力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • X業界が供給する製品をY業界の企業が他社の競合製品に切り替える際に、その製品の使用方法を初めから学び直す必要がある場合には、その必要がない場合と比べて、X業界に対するY業界の交渉力は高い。
  • X業界の企業が供給する製品と同業他社の競合製品との間での互換性が高い場合には、互換性が低い場合と比べて、X業界に対するY業界の交渉力は低い。
  • Y業界の企業がX業界へ後方統合できる場合には、後方統合が不可能な場合と比べて、Y業界に対するX業界の交渉力は高い。
  • Y業界の企業にとってX業界の製品の強力な代替品が存在する場合には、代替品が存在しない場合と比べて、Y業界に対するX業界の交渉力は高い。
  • Y業界のハーフィンダール指数がゼロに近づくほど、X業界に対するY業界の交渉力は低くなる。

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この過去問の解説 (1件)

01

5フォース分析の売り手の交渉力・買い手の交渉力についての出題です。

売り手から買い手への交渉力の高低、逆に買い手から売り手への交渉力の高低を判断する問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. X業界が供給する製品をY業界の企業が他社の競合製品に切り替える際に、その製品の使用方法を初めから学び直す必要がある場合には、その必要がない場合と比べて、X業界に対するY業界の交渉力は高い。

使用方法を初めから学び直す必要があるとは、スイッチングコストが高い状態といえます。

その場合は売り手であるX業界の交渉力が高くなります

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. X業界の企業が供給する製品と同業他社の競合製品との間での互換性が高い場合には、互換性が低い場合と比べて、X業界に対するY業界の交渉力は低い。

互換性が高い場合は、Y業界は製品の調達先を容易に変更できるため、Y業界の交渉力が高くなります

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. Y業界の企業がX業界へ後方統合できる場合には、後方統合が不可能な場合と比べて、Y業界に対するX業界の交渉力は高い。

Y業界が後方統合できるということは、X業界を傘下におさめられることを意味します。

交渉力はY業界の方が高いことになります。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. Y業界の企業にとってX業界の製品の強力な代替品が存在する場合には、代替品が存在しない場合と比べて、Y業界に対するX業界の交渉力は高い。

強力な代替品が存在するならば、X業界から調達先を容易に変更できるため、X業界の交渉力は低くなります

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. Y業界のハーフィンダール指数がゼロに近づくほど、X業界に対するY業界の交渉力は低くなる。

ハーフィンーダール指数とは企業の集中度、特定の企業が市場を占有していないかを判断する指数です。

ハーフィンーダール指数がゼロに近づくとは、買い手であるY業界の同指数がゼロに近づくほど、買い手が増えていることになるため、Y業界の交渉力は低くなります。

そのため本選択肢が正解です。

まとめ

読み解きにくい選択肢ではありましたが、落ち着いて簡単な図などにまとめると分かりやすくなり、問われている内容は交渉力についての基本的な出題であるため、正解は難しくありませんでした。

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