中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
企業経営理論 問11
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度 再試験(2023年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
事業部制組織と機能別組織の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 機能別組織では、事業部制組織に比べて、経営者に意思決定の負担が集中する傾向があるが、部門横断的なプロジェクト・マネジャーを配置することで、部門間調整が容易になり経営者の負担軽減を図ることができる。
- 機能別組織の下で事業の多角化を行う場合、事業部制組織の下での多角化に比べて、経営者は個々の事業のオペレーションに関わる機会が少ない分、全社的な戦略的意思決定に専念できる。
- 事業部制組織では、各事業部に利益責任が課されるため経営の効率化が進みやすく、機能別組織に比べて、生産部門や営業部門で規模の経済性を追求しやすい。
- 事業部制組織では、機能別組織に比べて機能部門の技術的な専門性を高めやすく、事業横断的なシナジーの創出が容易である。
- 事業部制組織では、直面する状況に応じて各事業部で自律的に事業運営の判断ができるため、機能別組織に比べて部門活動と全社戦略との整合性をとりやすく、経営の全体最適が達成されやすい。
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この過去問の解説 (1件)
01
組織形態についての出題です。
事業部制組織と機能別組織についての特徴をまとめてみます。
事業単位で編成された組織がトップマネジメント
の下に配置されています。
各事業部には大きく権限が委譲され、それに見合
う利益を追求する責任が課されています。
・事業部毎の利益責任が明確
・事業環境の変化に柔軟に対応できる
・次世代の経営者の育成に適している
・トップマネジメントは経営に専念できる
・経営資源が各事業で重複してコストが増加
・事業部同士の競争激化によりセクショナリズムが発生する
・各事業部が短期業績志向に陥りやすい
命令一元化の原則が適用されています。
組織運営に必要な各機能ごとに組織化しています。
・各構成員の役割が明確
・部門ごとに専門性を発揮できる
・規模の経済を追求できる
・組織の統制が容易
・意思決定がトップマネジメントに集中するので負荷が増大する
・組織の規模が拡大すると情報の伝達が遅滞したりひずみが発生する
・マネジメントができる人材が育成しにくい
・利益責任の所在が不明確
主な特徴をふまえて各選択肢を解説します。
機能別組織のデメリットの一つである意思決定が経営者に集中することへの適切な対策です。
そのため本選択肢が正解です。
機能別組織での多角化では、各事業の意思決定を経営者が行うこととなり、その結果全社的な戦略的意思決定まで手が回らなくなります。
そのため本選択肢は不正解です。
規模の経済性を追求しやすいのは機能別組織です。
そのため本選択肢は不正解です。
機能部門の専門性を高められるのは機能別組織です。
そのため本選択肢は不正解です。
各事業部で自律的に事業運営する点は正しいのですが、それぞれの事業部での利益を追求するようになるので、実現できるのは部分最適となりやすいです。
そのため本選択肢は不正解です。
機能別組織、事業部制組織のどちらも代表的な組織形態ですので正解できるように対策しておきましょう。
組織形態の問題は出題頻度が高いため、他の特徴や組織形態についても学習するようにしましょう。
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