中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問73 (企業経営理論 問24)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問73(企業経営理論 問24) (訂正依頼・報告はこちら)

モチベーション・リサーチ(動機調査)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • この調査方法は、1950年代・60年代初頭での隆盛の後、激しい批判が起こり、衰退していった。後に復活を遂げるが、衰退の大きな原因としては、サンプル数の少なさと評価者の判断が主観的であるということであった。
  • 消費者の意識構造は3つの層から成立している。それは顕在意識層、潜在意識層、前意識層である。顕在意識層では、消費者は意識的に物事がどう進行しているか知っており、その理由を自分で説明できる状態であることが多い。そして潜在意識層は、自分の感情、感覚、態度などで、何が起こっているかボンヤリとはわかるが、言語化しにくい領域である。最後に前意識層は、本当の自分の態度や感情に気がついていない、話したくない領域である。
  • 深層心理を探るこの手法の根本は、ユング心理学に基づくものであり、投影法と呼ばれる方法が中心となっている。この方法に含まれるものは、数多くあるが、たとえば刺激語を与え、それに対する反応を調べる方法は、TATと呼ばれる。
  • 深層心理を探る方法の中で、人物の会話場面を見せ、吹き出しの中に短い言葉を記入させる方法を言語連想法と呼ぶ。また、インクの染みを見せ、それが何に見えるかを答えさせる方法はロールシャッハテストと呼ばれる。
  • 被験者に課題として、複数の文章を提示し、それらを正しい順序に並べ替えてもらい、そこから感じたことをインタビューで聞き出す方法は文章完成法と呼ばれる。

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この過去問の解説 (3件)

01

モチベーション・リサーチとは、消費者の購買行動の背後にある深層心理や無意識の動機を探るマーケティング手法です。

本問では専門的な知識まで問われています。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. この調査方法は、1950年代・60年代初頭での隆盛の後、激しい批判が起こり、衰退していった。後に復活を遂げるが、衰退の大きな原因としては、サンプル数の少なさと評価者の判断が主観的であるということであった。

モチベーション・リサーチは1930年代に提唱されたとされています。

その後選択肢のように隆盛を迎えましたが、一時的に衰退して手法を改めて再評価されるようになりました。

本選択肢が正解です。

選択肢2. 消費者の意識構造は3つの層から成立している。それは顕在意識層、潜在意識層、前意識層である。顕在意識層では、消費者は意識的に物事がどう進行しているか知っており、その理由を自分で説明できる状態であることが多い。そして潜在意識層は、自分の感情、感覚、態度などで、何が起こっているかボンヤリとはわかるが、言語化しにくい領域である。最後に前意識層は、本当の自分の態度や感情に気がついていない、話したくない領域である。

前意識層とは比較的容易に意識化できる記憶などですが、普段は意識されないもののことです。

本選択肢は不正解です。

選択肢3. 深層心理を探るこの手法の根本は、ユング心理学に基づくものであり、投影法と呼ばれる方法が中心となっている。この方法に含まれるものは、数多くあるが、たとえば刺激語を与え、それに対する反応を調べる方法は、TATと呼ばれる。

TATとは、被験者に曖昧なイラストや絵を見せて、それらを基に物語を作らせる検査のことです。

本選択肢は不正解です。

選択肢4. 深層心理を探る方法の中で、人物の会話場面を見せ、吹き出しの中に短い言葉を記入させる方法を言語連想法と呼ぶ。また、インクの染みを見せ、それが何に見えるかを答えさせる方法はロールシャッハテストと呼ばれる。

ロールシャッハテストについては正しいのですが、言語連想法とは被験者に刺激語を見せて自由に発想させて深層心理を分析する検査のことです。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 被験者に課題として、複数の文章を提示し、それらを正しい順序に並べ替えてもらい、そこから感じたことをインタビューで聞き出す方法は文章完成法と呼ばれる。

文章完成法とは、未完成な文章を自由に完成させて深層心理を探る検査のことです。

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

マーケティング手法の一つについての出題でしたが、専門性が高く難問といえます。

復習する必要性が高いとはいえない問題です。

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02

モチベーション・リサーチ(動機調査)に関する問題です。

モチベーション・リサーチは過去にも出題がありますが、本問の内容は非常に難解で正答することは困難な「捨て問」です。

 

本試験では他の問題に時間を割き、余った時間で戻ってきて対応することになります。

各選択肢をざっと眺めて、感覚的にどれか1つにマークする扱いで結構です。(時間を費やしても意味がありません)

選択肢1. この調査方法は、1950年代・60年代初頭での隆盛の後、激しい批判が起こり、衰退していった。後に復活を遂げるが、衰退の大きな原因としては、サンプル数の少なさと評価者の判断が主観的であるということであった。

本選択肢は、モチベーション・リサーチ(動機調査)に関する記述として適切であり正解の選択肢となります。

 

本問は他の選択肢が誤りだと判断した結果、消去法で正解できれば十分です。(とは言っても、本問は全ての選択肢の正誤判断が非常に難しいです)

選択肢2. 消費者の意識構造は3つの層から成立している。それは顕在意識層、潜在意識層、前意識層である。顕在意識層では、消費者は意識的に物事がどう進行しているか知っており、その理由を自分で説明できる状態であることが多い。そして潜在意識層は、自分の感情、感覚、態度などで、何が起こっているかボンヤリとはわかるが、言語化しにくい領域である。最後に前意識層は、本当の自分の態度や感情に気がついていない、話したくない領域である。

本選択肢は、潜在意識層と前意識層の記述が入れ替わっており、不適切な選択肢です。

選択肢3. 深層心理を探るこの手法の根本は、ユング心理学に基づくものであり、投影法と呼ばれる方法が中心となっている。この方法に含まれるものは、数多くあるが、たとえば刺激語を与え、それに対する反応を調べる方法は、TATと呼ばれる。

本選択肢は、言語連想法の記述であるため不適切な選択肢です。

 

また、TATは「主題統覚検査」といい、与えられたに対する反応を調べる方法です。

他の選択肢でロールシャッハテストが述べられていますが、ロールシャッハテストはTATの一例です。

選択肢4. 深層心理を探る方法の中で、人物の会話場面を見せ、吹き出しの中に短い言葉を記入させる方法を言語連想法と呼ぶ。また、インクの染みを見せ、それが何に見えるかを答えさせる方法はロールシャッハテストと呼ばれる。

本選択肢は、投影法の記述であるため不適切な選択肢です。

 

なお、ロールシャッハテストの記述は正しいです。

選択肢5. 被験者に課題として、複数の文章を提示し、それらを正しい順序に並べ替えてもらい、そこから感じたことをインタビューで聞き出す方法は文章完成法と呼ばれる。

文章完成法は、空欄を穴埋めしてもらう方法であるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

結論から申し上げますと、本問は過去問題として復習する必要はありません。

 

本問はリサーチ手法が問われていますので、令和元年度の第32問などが本問と関連があり復習に適していると思われます。

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03

モチベーションリサーチとは、消費者の購買行動における潜在的欲求を理解するための調査手法です。

選択肢1. この調査方法は、1950年代・60年代初頭での隆盛の後、激しい批判が起こり、衰退していった。後に復活を遂げるが、衰退の大きな原因としては、サンプル数の少なさと評価者の判断が主観的であるということであった。

モチベーションリサーチに関する説明となっています。

そのため、正しい選択肢です。

選択肢2. 消費者の意識構造は3つの層から成立している。それは顕在意識層、潜在意識層、前意識層である。顕在意識層では、消費者は意識的に物事がどう進行しているか知っており、その理由を自分で説明できる状態であることが多い。そして潜在意識層は、自分の感情、感覚、態度などで、何が起こっているかボンヤリとはわかるが、言語化しにくい領域である。最後に前意識層は、本当の自分の態度や感情に気がついていない、話したくない領域である。

前意識層とは、普段意識されないが、努力することで意識することが可能な領域のことであり、話したくない領域ではありません。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢3. 深層心理を探るこの手法の根本は、ユング心理学に基づくものであり、投影法と呼ばれる方法が中心となっている。この方法に含まれるものは、数多くあるが、たとえば刺激語を与え、それに対する反応を調べる方法は、TATと呼ばれる。

TATとは、人物を含んだあらゆる状況が描かれたカードを提示し、被検者に自由なストーリーを語ってもらい、その解釈により被検者のパーソナリティを明らかにする方法です。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢4. 深層心理を探る方法の中で、人物の会話場面を見せ、吹き出しの中に短い言葉を記入させる方法を言語連想法と呼ぶ。また、インクの染みを見せ、それが何に見えるかを答えさせる方法はロールシャッハテストと呼ばれる。

言語連想法とは、言葉を聞いて、それぞれに対して最初に思い浮かんだ言葉を答える方法です。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢5. 被験者に課題として、複数の文章を提示し、それらを正しい順序に並べ替えてもらい、そこから感じたことをインタビューで聞き出す方法は文章完成法と呼ばれる。

文章完成法とは、被験者に提示された未完成の文章を自分の言葉で完成させることで、その人の内面的な思考や感情を探る方法です。

そのため、誤った選択肢です。

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