中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
企業経営理論 問32

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度 再試験(2023年) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

財に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • サービス財のサブ・サービス(例えば、診療所の清潔さや看護師のホスピタリティ)の拡充には集中化と広範化の2つの方向性がある。一般に、経営資源が豊富な企業はサブ・サービスを集中させ、経営資源が少ない企業はサブ・サービスを広範化させることで、競合サービスとの差別化を図る。
  • スマートフォンからアクセスして視聴できる映画などのデジタル財は、在庫困難性や取引の不可逆性、生産と消費の不可分性といった財の特徴を持ち合わせている。
  • 製品を便益の束と捉えると、有形財には製品の機能やデザイン、販売後の保証や返品などの販売条件に加え、アフターサービスや販売後の顧客対応といった売り手の行為や活動も含まれる。
  • デジタル財と有形財とでは、非排他性という特徴において同じであるが、複製可能性と非空間性という特徴において違いがある。

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この過去問の解説 (1件)

01

財と呼ばれるものには多様なものがあります。

本問で出題されているものを簡単にまとめてみます。

 

財の種類特徴
デジタル財デジタルデータとして主にインターネットを通じて提供される音楽や映像などのコンテンツのことです。
サービス財無形で提供され、提供と消費が同時に行われるものを指します。
有形財物理的に存在する財のことで、商品や製品などのように見たり触れたりできるものです。

 

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

選択肢1. サービス財のサブ・サービス(例えば、診療所の清潔さや看護師のホスピタリティ)の拡充には集中化と広範化の2つの方向性がある。一般に、経営資源が豊富な企業はサブ・サービスを集中させ、経営資源が少ない企業はサブ・サービスを広範化させることで、競合サービスとの差別化を図る。

経営資源が豊富な企業はサブ・サービスを広範化させ、経営資源が少ない企業はサブ・サービスを集中させます

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. スマートフォンからアクセスして視聴できる映画などのデジタル財は、在庫困難性や取引の不可逆性、生産と消費の不可分性といった財の特徴を持ち合わせている。

デジタル財には生産と消費の不可分性は該当しません

同じコンテンツであっても、世界中の人たちが同時に消費することも可能だからです。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 製品を便益の束と捉えると、有形財には製品の機能やデザイン、販売後の保証や返品などの販売条件に加え、アフターサービスや販売後の顧客対応といった売り手の行為や活動も含まれる。

有形財の説明として適切です。

そのため本選択肢が正解です。

選択肢4. デジタル財と有形財とでは、非排他性という特徴において同じであるが、複製可能性と非空間性という特徴において違いがある。

有形財には非排他性ではなく、排他性を持つという特徴があります

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

サービス財とデジタル財には共通する箇所と、異なる箇所がそれぞれあります。

どちらも無形性の財という点は共通していますが、サービス財は在庫することができず、提供と消費が同時に行われます。

対してデジタル財は、在庫としてデータを用意しておいて、提供も時間を問わず、複数人に同時に行うことも可能です。

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