中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問82 (企業経営理論 問33)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問82(企業経営理論 問33) (訂正依頼・報告はこちら)

プロモーション戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 消費者がブランド間の差異を明確に知覚できない場合や、差異を知覚していたとしても購買に対する関与が低い場合に有効なプロモーション戦略は、プッシュ戦略である。
  • プッシュ戦略とプル戦略とのどちらを重視するのかは、対象が消費財か生産財かによって変わってくるが、いずれの財の場合でも、最も用いられるツールが広告である点では共通している。
  • 不特定多数の顧客が地理的に分散しており、プロモーション戦略に対して十分な予算を配分できる企業は、人的販売やダイレクトメールなどを用いたプル戦略によって、消費者の需要を喚起し、購買を促すことを目指す。
  • プロモーション・ミックスのタイプは製品カテゴリーごとに異なっているが、同じ製品カテゴリーであれば同じタイプのプロモーション・ミックスが適用されている。
  • 流通業者に対して、消費者に向けて自社製品をプロモーションし、購買するよう促すために実施されるアロウワンス、販売助成、パブリシティなどのプロモーション戦略は、プル戦略と呼ばれる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

プロモーションの中でもプッシュ戦略とプル戦略についての知識を問う問題です。

まず両者についてまとめてみます。

 

プッシュ戦略

・人的販売とも呼ばれます。

・卸売業者や小売業者を通じて、顧客に製品を直接売り込むことです。

・生産財のプロモーションで採用されます。

 

プル戦略

・広告やSNSを活用して行うプロモーションです。

・プロモーションを行い消費者の需要を引き出して、購入につなげるという手法です。

・消費財のプロモーションとして採用されます。

 

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 消費者がブランド間の差異を明確に知覚できない場合や、差異を知覚していたとしても購買に対する関与が低い場合に有効なプロモーション戦略は、プッシュ戦略である。

プッシュ戦略が有効です。

そのため本選択肢が正解です。

選択肢2. プッシュ戦略とプル戦略とのどちらを重視するのかは、対象が消費財か生産財かによって変わってくるが、いずれの財の場合でも、最も用いられるツールが広告である点では共通している。

プッシュ戦略は生産財を対象としていて人的販売を重視しています

プル戦略は消費財に対して行うプロモーションで、こちらは広告を主に使います。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 不特定多数の顧客が地理的に分散しており、プロモーション戦略に対して十分な予算を配分できる企業は、人的販売やダイレクトメールなどを用いたプル戦略によって、消費者の需要を喚起し、購買を促すことを目指す。

プル戦略で主に採用されるのは、広告やPR活動です。

人的販売やダイレクトメールを主に用いるのはプッシュ戦略です。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. プロモーション・ミックスのタイプは製品カテゴリーごとに異なっているが、同じ製品カテゴリーであれば同じタイプのプロモーション・ミックスが適用されている。

同じ製品カテゴリーでも異なるタイプのプロモーション・ミックスが適用されることがあります。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 流通業者に対して、消費者に向けて自社製品をプロモーションし、購買するよう促すために実施されるアロウワンス、販売助成、パブリシティなどのプロモーション戦略は、プル戦略と呼ばれる。

いずれもプッシュ戦略の施策です。

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

プル戦略とは広告やPRを通じて広く商品を訴求する消費財で採用されるプロモーションで、プッシュ戦略とは人的販売など顧客に直接商品を訴求して購入につなげる生産財で採用されるプロモーションということになります。

参考になった数15

02

プロモーション戦略(プッシュ戦略、プル戦略)に関する問題です。

 

本問のほぼ全ての選択肢でプッシュ戦略とプル戦略が挙げられていますので、以下に図示します。

項目プッシュ戦略プル戦略
対象流通業者、販売員消費者
主な手段

人的販売、販売奨励、アローワンス、

ダイレクトメール、パブリシティ

広告、SNS、PR、マスメディア
代表的な戦略目的流通業者を通じて販売を促進する消費者にブランド認知・購買意欲を喚起する
使用される代表チャネル営業・販売店・流通チャネルテレビ・Web・店頭広告・SNSなど
費用配分の重点販売奨励費用、流通向けプロモーション費用広告宣伝費、消費者向けキャンペーン費用
適する商品特性生産財、高価格帯製品、説明が必要な製品消費財、低価格帯製品、感覚的な製品
関与低関与(購買に強いこだわりがない)高関与(情報収集や比較検討を重視)
ブランド間の差異差異が不明確、または重要でない差異が明確、または重視される

選択肢1. 消費者がブランド間の差異を明確に知覚できない場合や、差異を知覚していたとしても購買に対する関与が低い場合に有効なプロモーション戦略は、プッシュ戦略である。

冒頭の解説の表より、プッシュ戦略の説明として適切であり正解の選択肢となります。

選択肢2. プッシュ戦略とプル戦略とのどちらを重視するのかは、対象が消費財か生産財かによって変わってくるが、いずれの財の場合でも、最も用いられるツールが広告である点では共通している。

冒頭の解説の表より、広告を用いるのはプル戦略であるため不適切な選択肢です。

選択肢3. 不特定多数の顧客が地理的に分散しており、プロモーション戦略に対して十分な予算を配分できる企業は、人的販売やダイレクトメールなどを用いたプル戦略によって、消費者の需要を喚起し、購買を促すことを目指す。

冒頭の解説の表より、人的販売やダイレクトメールはプッシュ戦略に該当するため不適切な選択肢です。

選択肢4. プロモーション・ミックスのタイプは製品カテゴリーごとに異なっているが、同じ製品カテゴリーであれば同じタイプのプロモーション・ミックスが適用されている。

同じ製品カテゴリーであっても、ターゲット市場・価格帯・ブランド戦略によって異なるプロモーション・ミックスが適用されます。

 

例えば、同じ「化粧品」カテゴリーでも百貨店とドラッグストアでは客層が異なるため、不適切な選択肢です。

選択肢5. 流通業者に対して、消費者に向けて自社製品をプロモーションし、購買するよう促すために実施されるアロウワンス、販売助成、パブリシティなどのプロモーション戦略は、プル戦略と呼ばれる。

冒頭の解説の表より、アロウワンス、販売助成、パブリシティはプッシュ戦略です。

 

また、購買するよう「促す」という表現からもプッシュ戦略の説明であるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

プッシュ戦略、プル戦略については頻出であり、本問の内容は復習するのに最適な内容です(難易度も平均的です)。

参考になった数2

03

プロモーション戦略に関する問題です。

 

プッシュ戦略:企業が製品やサービスを積極的に市場に押し出し、消費者に届けるマーケティング戦略

プル戦略:広告やSNSを通じて自社製品やサービスの魅力を顧客に伝え、購買意欲を引き出すマーケティング戦略

選択肢1. 消費者がブランド間の差異を明確に知覚できない場合や、差異を知覚していたとしても購買に対する関与が低い場合に有効なプロモーション戦略は、プッシュ戦略である。

プッシュ戦略の説明となっています。

そのため、正しい選択肢です。

選択肢2. プッシュ戦略とプル戦略とのどちらを重視するのかは、対象が消費財か生産財かによって変わってくるが、いずれの財の場合でも、最も用いられるツールが広告である点では共通している。

プッシュ戦略では広告よりも人的販売が用いられます。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢3. 不特定多数の顧客が地理的に分散しており、プロモーション戦略に対して十分な予算を配分できる企業は、人的販売やダイレクトメールなどを用いたプル戦略によって、消費者の需要を喚起し、購買を促すことを目指す。

人的販売やダイレクトメールはプッシュ戦略で使用されます。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢4. プロモーション・ミックスのタイプは製品カテゴリーごとに異なっているが、同じ製品カテゴリーであれば同じタイプのプロモーション・ミックスが適用されている。

同じ製品カテゴリーであってもターゲットによって異なるプロモーション・ミックスが適用されます。

そのため、誤った選択肢です。

選択肢5. 流通業者に対して、消費者に向けて自社製品をプロモーションし、購買するよう促すために実施されるアロウワンス、販売助成、パブリシティなどのプロモーション戦略は、プル戦略と呼ばれる。

アロウワンス、販売助成、パブリシティはプッシュ戦略で使用されます。

そのため、誤った選択肢です。

参考になった数0