中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
運営管理 問26

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和5年度 再試験(2023年) 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

下表は、店舗Xにおける、ある期間の売場別の売上高、粗利益率、SKU数、ゴンドラ本数を示したものである。
売場Aから売場Eの5つの売場の生産性に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
なお、ここでは、スペース生産性はゴンドラ1本当たりの粗利益高で評価し、営業利益は粗利益から管理コストを差し引いたものとして計算する。管理コストは1 SKU当たり同一であるとする。また、表に記載した内容以外の条件については、すべて同一であることとする。
問題文の画像
  • 売場Aと売場Cの1 SKU当たりの粗利益高は同じである。
  • ゴンドラ1本当たりの営業利益額が最も高いのは売場Dである。

  • 商品の自動発注システムを導入して1 SKU当たりの管理コストが半分になったとすると、そのときの営業利益額の増加額が一番大きい売場は、売場Bである。
  • すべての売場でゴンドラ本数を1本ずつ減らしたとき、売場ごとの売上高がそれぞれ3割減少しても、すべての売場でスペース生産性が高まる。
  • 最もスペース生産性が高い売場は、売場Eである。

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この過去問の解説 (1件)

01

売場の生産性に関する問題です。

 

与件文の記述から、「スペース生産性=ゴンドラ1本当たりの粗利益高」「営業利益=粗利益-管理コスト(=SKU数)」であることを確認しておきましょう。

 

なお、粗利益高については、売上高×粗利益率により求めることができます。

選択肢1. 売場Aと売場Cの1 SKU当たりの粗利益高は同じである。

1SKUあたりの粗利益高は、「(売上高×粗利益率)/SKU数」により求まります。

 

その結果、売場Aの粗利益高は0.1万円、売場Cの粗利益高は0.08万円となります。

選択肢2.

ゴンドラ1本当たりの営業利益額が最も高いのは売場Dである。

正解の選択肢となります。

選択肢3. 商品の自動発注システムを導入して1 SKU当たりの管理コストが半分になったとすると、そのときの営業利益額の増加額が一番大きい売場は、売場Bである。

冒頭の解説より「管理コスト=SKU数」のため、1 SKU当たりの管理コストが半分になって営業利益額の増加額が一番大きくなるのは売場Eです。

 

管理コストは全ての売場で共通(SKU数と同じ)であることから、SKU数が最も多い売場の営業利益額が最も多く増加するためです。

選択肢4. すべての売場でゴンドラ本数を1本ずつ減らしたとき、売場ごとの売上高がそれぞれ3割減少しても、すべての売場でスペース生産性が高まる。

冒頭の解説より「スペース生産性=ゴンドラ1本当たりの粗利益高」であるため、「{(売上高×0.7)×粗利益率)/(ゴンドラ数-1)」により求まります。

 

その結果、ゴンドラ本数を1本減らして売上高が3割減少してもスペース生産性が高まる売場はBとDのみとなります。

 

※計算工程が煩雑となるため、本選択肢はなるべく最後に取り組む方が無難です(「解説のまとめ」も参照してください)。

選択肢5. 最もスペース生産性が高い売場は、売場Eである。

冒頭の解説より「スペース生産性=ゴンドラ1本当たりの粗利益高」であるため、「(売上高×粗利益率)/ゴンドラ数」により求まります。

 

その結果、最もスペース生産性が高い売場は、売場Dとなります。

まとめ

【補足】

 

本問は、正誤判断するために各選択肢でそれぞれ計算が必要であることから、試験対策上は以下のように対策されることをお勧めします。

 

1.全ての問題に対応した後の残り時間で取り組む。運営管理は試験時間が90分、平均で40マーク前後出題される(今回の場合は、ちょうど40マークでした)ことから、1マークあたり1.5~2分で解けば60~80分以内で終わり、見直しをする時間も含めて最低10分は確保できます。

 

2.簡単な計算手順で正誤判断できる選択肢から取り組み、正解と判断した選択肢を念のため検算します。正解以外の選択肢は放置します(問題の設定上、正解の選択肢は1つしかありません。他の選択肢の正誤判断をしても結果は変わらないため、時間を節約することを優先します)。

 

3.最後の選択肢まで正解が出なかった場合、最後に1つ残った選択肢を消去法で正解とする。他の選択肢は計算しているため、計算過程が正しいと見なして消去法で選んだ選択肢は検算しません。

 

計算を要する過去問題の全てを検証したわけではありませんが、2で正解となることが多いように思われます。つまり、簡単な計算手順で正誤判断できる選択肢を最初に見極めることがポイントになります。

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